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絵を描くAI

2022年8月、ツイッターにアップされた漫画「サイバーパンク桃太郎」が、近未来的な世界観の絵とストーリーの面白さで話題を集めた。作ったのは、作家・漫画原作者として活動するRootportさん。しかし、その漫画の1コマ1コマは、AIが描いたものだった。絵心ゼロ?のRootportさんは、サイバーパンクのテイストと昔話の桃太郎を組み合わせたら斬新な物語になるのではないかと考え、試しに「画像生成AI」を使って絵を出力してみた。「pink hair、asian boy、cyberpunk」などのキーワードを入力して画像を出力。Rootportさんは、生成された絵に目を奪われた。しかし、イメージどおりの絵を引き出すことは簡単ではなく、丸1日かけてAIに100枚以上の絵を描かせたこともあったという。Rootportさんは、AIが描いたものの中からいいものを選んで、それに合わせて話を調整し1本の作品を作り上げた。

画像生成AIは、描きたい絵に関するキーワードを打ち込むと、そのイメージに近い画像を、自動的に生成してくれる。所要時間はキーワードを入力してから、最短で10秒ほど。AIはインターネット上にある膨大な数の絵や写真を学習し、絵を描くとはどういうことかを理解。人間が入力したキーワードに沿ったオリジナルの絵を描き出す。世界中で開発と改良が進む中、画像生成AIをゲームや広告のデザイン、プレゼンテーションで使う画像などの作成に利用することも考えられている。

誰もが手軽にハイクオリティな画像を入手できるようになった便利さの反面、新たな問題も出てきている。2022年9月に記録的な豪雨が静岡を襲った際、画像生成AIで作成された水害のフェイク画像がネット上で拡散。SNSに投稿された画像は、「flood damage」と「shizuoka」の2つのキーワードで出力されたものだった。フェイクとは知らずに拡散してしまう人が相次ぎ、画像生成AIの持つ危険性が浮き彫りになった。

※ 見出し画像にはPixabayのフリー素材を利用しています。

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