好きな人に贈りたい曲〈1〉
『Highway』/Ghost like girlfriend
好きな人というか、大切な人?に送りたくなる曲。個人的にはほぼ同義なのでアレですが、まぁ大切な友人とかも含め。
良い!
何もかも忘れたふりをして、携帯という現実との繋がりも絶って、一時的に車でどこかへ行ってしまう二人の、現実逃避の権化みたいな楽曲ですが、どの部分も車を走らせている側の人物が乗せている「君」をとても大事に思っているということがよくよくわかる歌詞になっているな〜と思います。
この歌詞はその最たる例ですが、ワードチョイスがとても良い……。
「頑張れ」はなんだか少し無責任というか突き放しがちな感じもするし、「応援している」「力になりたい」とかいう言葉は、ただいつでも味方でいるというだけの気持ちに反して圧が高いです。しかし「いつでも味方だよ」などと言うのはちょっぴり月並みすぎて胡散臭い…。
そこに対して「僕の手はいつも君に向かって、差し出しっ放しになってる」という表現は、言いたかったこととぴったり合致してまさにそれという感じ。
「差し出しっ放しにしておいてるから、掴みたくなったら掴んでね」というvery軽いノリながらも、「いつも」という言葉がとっても優しくて泣きたくなります。
贈りたい曲じゃなくて贈られたい曲だった…!?!?
はい。まぁ悲しい現実は置いておいて、
これぐらいのさり気なさとこれだけの優しさを一挙に示す表現はなかなかないな、すげぇなと思います。
次!
『Leftovers』/木村拓哉
なんで琴線に触れたのかなーと思ったら川上洋平さん([ALEXANDROS])作詞作曲でした。好き。
この曲も、なんてことはない軽さ、日常の延長線上にあるような現実味と、これ以上ないぐらいの愛情を一挙に表現してるなと思います。この曲は詞も好きだけど、メロディとの相性が抜群によいです……サブスクだとSpotifyとかで聞けるのかな?
私はアルバム持ってるのでちょっとよく分かんないですね(ドヤ顔)(不親切)。
同じ川上洋平作詞作曲で元は[ALEXANDROS]で発表されている『Your Song』の木村拓哉カバーもかなりくるものがある。
私は木村拓哉が好きなので木村拓哉が歌っているということにそりゃ意味を感じるけど、それだけじゃなくて、ああいう老若男女に知られ好かれ嫌われるスーパースターが歌った時に初めて生まれるというか、初めて深く感じさせられる意味や衝撃というものがあると思う。
当人は受け取った楽曲をポスティングする配達員のような感覚らしいので、単純なボーカリストとしての善し悪しで評価されないことを嫌がりそうだけど笑。
ただどうしたって楽曲を提供する人も受け取る消費者も、配達員がスーパースターだったら意識せざるを得ないわけで。
『Come Alive』とかね。
よくある在り来りな励ましと言えなくもないけれど、
木村拓哉が歌うことによって、
ステージの上で有象無象の歓声を受けながら笑顔を浮かべる彼が歌うことによって、はじめて与えられる強いインパクトというものがあるなと思います。
はて、ちょっとブレましたが……
次!
『たしかなこと』/小田和正
はい。急にめちゃくちゃメジャーな曲です。全部好きなんだけど、特にここがめーっっちゃ好き。
「自分のこと大切にして」ってよくある言葉ですが、私の好きな人に言いたい言葉ナンバーワンです。そして「誰かのことそっと思うみたいに」という表現もドンピシャ。
なぜなら、私の好きな人たちの中には、他人のことは思いやって大切にして気遣いすぎるぐらいなのに、自分の不利益や苦しみ悲しみは顧みてくれないひとが多いから。
逆に見ると、この詞を向けた相手はそういう人で、さらに切ないとき=自分の身に何か苦しいことがあったとき、一人になろうとする、離れていこうとする人物だということが推察できて、それに当てはまる人物が脳内で浮かぶ人は非常にグッとくると思います。
強がって平気なふりをして見せる姿は、素敵だな、かっこいいなって思うけど、
でもハルだって……!って感じですね。はい。意味がわからない方はドラマ『プライド』を見てください。やべぇ、木村拓哉に引っ張られてるな。
次!
『不思議』/星野源
ちょっとどれひとつとして切れなかったので全文。
ここまで紹介した曲が「応援・励まし」寄りだったので、ストレートなラブソングも選定してみました。源さんの楽曲は現実に寄り添う力を持った曲ばかりなのでどれもこれも大好きなんだけど……。
ただストレートとは言ったものの、 「不思議 星野源 歌詞」と検索窓に入れてみたところ、「意味不明」というワードが続けて出てきました。かくいう自分も初めて聞いた時はあんまり意味がわからなくて、「なんかオシャンティな曲やなー」という一番ダルい感想を抱いていたんですが、
実際に歌詞に出てくるような感情を抱ける相手がいるかどうかによって、この曲はかなり捉え方の変わる曲だと思います。
自分はこれを向ける相手が思い浮かんだことで、全てがスっと理解できた気がしました。
最初のところの、「水の中で〜、息をしていた」という表現がまず好きです。君と出会ってから息ができるようになった(生きていくのが楽になった)、の意だと捉えていますが、ここにも「世の中はもとから地獄」(世の中=水の中=息ができない)という源さんの考えが滲んでいる気がします。気がしただけです。うっ。分かった気になるなとか言わないで。ちょっと殴らないで、石投げないで。
えーと、それですごく簡単にまとめてしまうと、
恋に落ちた相手がいて、だけど育ってきた環境が違うから〜、性格も今夜食べたいものもなにもかもが全然違うわけです。
なのになぜだかそばにいたくて、いのちを賭して一緒に生活して、夜に同じ場所で眠り人生最後に同じ場所で眠るわけです。
まったくちがう、他人なのに!
これをなにか明確に理由づけして、文字に起こすことができたらスッキリするんだろうが、それはできないのです。
要するに、
ということで、
それが「不思議」だなぁ、ってなことなのだと思いますが、
相手の顔が好き!とか、声が好き!とか、ここが好き!とひとまとめに自信を持って言えてしまえる人には、理解し難いものがあるのかなと。
ただ、なんというか、顔も声も性格も好きだったとして、「それがあるから好きで、そうじゃなかったら好きじゃないんだ」「こうであれば好きで、もっとこうな人がいればその人の方が好きなんだ」などと言うことは、とても難しいことだと私は思うわけです。
そういう、明確にできない想いの端々は、はっきりとは遺らないこぼれ落ちていくいろんな記憶の中に、ふたりが少しづつ積み重ねた想いや思い出から生まれているのだろうと、
そんな意味が受け取れる詞だと思います。
そしてそれを「愛」と明記することはせず、「愛に足る想い」「孤独のそばにある、勇気に足るもの」と表現しているところが、あくまでハッキリとしない曖昧さを映していて、
だけどそれによって「自分の心情に一番合った表現を選定する誠実さ」というものが感じられるところが、ラブソングの詞としてとてもよくて。
贈る相手に対して、それこそ本当に、
という感じがして、大切な人に贈るにはピッタリな曲だなと思います。
本当に、クソデカ感情をこんなに的確に表現できるということにびっくり。すげぇっす。
というわけで、第二回があるのか謎ですが、今日はこんなところで。
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