なんか上手くいった時って、結局 他人のおかげじゃないですか。

結構前だけど。
2016年末くらいかな。

 元V6で俳優の岡田准一が、「ボクらの時代」の対談中に、ものすごくふつ〜〜〜のトーンで、こぼした言葉。

「でも なんか、上手く…こう、いった時って、結局 ひとのおかげじゃないですか。」

 まぁそれを見ていた私は、ビビり散らかしたわけで。
 何の気なしに、ただその通りだと思った上で、それを言えるその人格に。

 「上手くいったら他人のおかげ、失敗したら自分のせいだと思いなさい」的な思考法は近年ネット上で言葉にされるようなことも増えてきて、そういうふうに思うようにしている、なんて話す芸能人も少なくはない。

 だけど意図的に「思うようにする」のと、
 単に「ひとのおかげじゃないですか。」と言えてしまう
というのとは、かなりの違いがあるやないか。

 思うようにする以前に、そう思っているのだから。

 うええ、そんなのストイック野郎丸出しじゃねーか!と、ストイックの一人歩きにビビっていた岡田准一に向かって思ってしまうのは酷なのかもしれないが、だけどやっぱり浮かれも怠慢も無く他人のおかげだからなぁなんて思っている様は、ストイックの権化と呼ぶに相応しく思えてしまう。

 見習いたい名言シリーズに追加決定(?)である。

 岡田准一という人はすごい。
 その昔調べたことがあるけれど、14歳…中三の夏休みに、仕事のため東京に呼ばれたかと思えばそのまま暫くいろと言われ、気付けば帰ることが出来なくなり、知らない間に転校までさせられていたと。

 正直私だったら親を恨みまくると思う……。
 そのままデビューさせられて、お金が無いから毎日同じ服を着ていたらしい。高校に入学するためのお金は事務所に借りたと。
 
 そんな同情集め放題の苦労エピをインタビューなんかで喋る時、岡田准一という人は、
 やはりふつ〜〜〜〜のトーンで喋る。
 インタビュアーが驚いているのもお構いなしに、「そうなんですよ、なので……」とか言って、淡々と結論に進んでいってしまう。

 打算の感じられない話し方、まじで見習いたい……。

 岡田くんは自分がどう見られているかをよくよく分かっていて、その上で気取っていない。

 例えば、「僕、達人になりたいんですよ」と、岡田くんは(超大真面目に)よく話しているが、もちろんこの発言には笑いが起きる。
 そういうとき 多分一部の人は、ガチトーンで「いやあの、冗談とかじゃなくてね。」と底冷えのするような声色で言って、「ヤベッ、笑っちゃいけなかった……」と思わせたりなんかして、周囲に気を遣わせると思うのだけど。

 岡田くんは恐らくこの発言がちょっと変ということを自覚しているので、「いや、本気で!」と苦笑しつつも、なんならウケ狙いでもう一回言ってくれたりする。
 
心と視野の広さに尊敬しかない……。

 岡田くんは昔、アイドルとして自分だけが新人で落ちこぼれていたから、「自分なんて」という感覚がずっとある、と同じ「ボクらの時代」で話していた。俳優業に関しても、違う畑に行かせてもらっているからには、誰よりも頑張らないと認めてもらえないと……

 自分なりの目標設定がある人なのに、他者からの評価も視野に入っていて、けして蔑ろにしないところも尊敬する。

 尊重したい、なんてわざわざ思わなくても、自然と周囲を尊重できるひとになりたい。

 素晴らしい人たちの言葉ばかり聞いていると、自分があまりにも足りない人間でひどく焦るけれど、着実に積み重ねる他ないよね、と、今は思う。



って、下書きにあったけど書いたのいつやねん!!

 あ、今も同じように思ってますとも。ええ。

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