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職人が厳選して加工した食べ応えのあるカニを家族の食卓に

茨城県大洗町でタラバガニやズワイガニなど、カニを専門に取り扱い、50年以上も水産加工業を展開する有限会社弥七商店。工場の隣にある直営店「かに弥」では、手作りのカニ飯やカニ汁を食べることができます。今回、関根社長に事業者の声として、カニのこだわりや大洗町の魅力についてお話を伺いました。

ー 弥七商店さんで取り扱うカニについて教えてください

弊社で加工・販売するカニは、重量が大きく、高い価格帯を主に取り扱っています。ハーフポーション(半分だけ殻を残してあるもの)で、重量は1キロ、2キロを超える食べ応えのあるカニを扱っていています。

なぜそのような扱い方をしているかというと、市場の中において弊社の企業規模では価格勝負で戦うのは難しいところがあります。スーパーでよく売られている価格帯は3000円台から5000円台が多いですが、その分取り扱う競合も多いんです。そのため、弊社は価格ではなく、必ず試食やサンプリングをして、甘みが強く濃厚なカニを厳選して加工・販売しています。

カニは特別な日に食べる方が多いですし、そういった時に身が小さくて、赤みが弱いカニは食べたくないですよね。身が大きく食べ応えのあるカニを家族で楽しく食べてほしいと思っています。

ー 特別な日に家族で食べてほしいということですね

そうですね。カニを日常的に食べる方もいると思いますが、ほとんどの方が年に1回食べるか食べないかだと思います。年末年始なのか、お子さんの誕生日などのお祝いの日なのか、その人やその家族によって特別な日は違うと思いますが、そんな時に食べてほしいと思っています。

弊社は50年以上の歴史があって、職人が一つひとつ丁寧に手作業でカニを厳選し、加工してきました。そこに対するこだわりを常に持ち続けてやってきた会社です。

ー 関根社長がいま考えていることについて教えてください

最近の関心ごとは、新しい商品にもチャレンジしたいと思っています。弊社はカニを加工して、スーパーなどへ卸すだけでなく、カニをお客様に提供できる「かに弥」という直営店もやっています。それらの経験を活かしながら、新しい機械や技術も入れて新しい商品をつくっていきたいです。

一方で、私たちもそうですが、カニの加工はなかなか機械化するのが難しく、手作業でバラしたり、カットしたり、皮剥きをしたりと、人手が必要な業界でもあるんです。そのため、お客様に美味しいカニを提供し続けるためにも人材確保や人材育成にも力を入れていかないといけないんです。

大洗町に限らずですが、日本の労働市場はどんどん減少しているので、新しいことに挑戦していくことと人材を確保し育てていくことは両輪でやっていかなければ、業界は衰退してしまうという強い危機感があります。

ー 関根社長と大洗町の関係性について教えてください

私自身は茨城町出身で、結婚してお婿として大洗町に来ました。それまでサラリーマンをやっていたのですが、水産に限らず何か商売をやりたいなと思っていたんです。当時は、ししゃもやしらすを取り扱っていたのですが、ある商社から「カニをやりませんか?」と声をかけていただき、当時の社長に任せてもらって、カニの取り扱いを大きくしていきました。

はじめはその商社の委託加工からスタートしましたが、その後、独自で買い付けができるようになり、自社ブランドにまで成長させてきました。もう30年以上、大洗町とともにカニと向き合ってきました。

ー そんな関根社長からみる大洗町の魅力について教えてください

大洗町はとにかく「人」が良いですよね。特に思っていることをストレートに伝えることができるオープンな性格の人が多い印象です。変に気を遣う必要もなくて、一人の人間としてちゃんと向き合える感じがするんです。

また、大洗町に来て、周りから「海があるまちに住んでていいな」とか「自然環境が整って暮らしやすそう」と言われるようになったんです。住めば都ってよく言いますけど、本当にそうなんだなと実感しています。

ぜひ大洗町に遊びにきて、現地にいる人や自然に触れ合っていただけたらと嬉しいなと思います。その際はぜひかに弥にも立ち寄ってみてください。

取材・編集:萬里小路 忠昭(大洗クエスト・地域おこし協力隊)


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