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芸人さんたちの引き際って難しい、という話
連日松本人志さんの件が報道され、いろいろな分野に影響が波及しています。
私はこの問題自体の是非については論じたいとは思いませんが、「活動休止」、「引退」などの文言を見るにつけ、つくづく「芸人さんの引き際って本当に難しいなあ」と考えさせられました。
一般に企業に勤めていれば、「退職」や「定年」というものがあるでしょうし、仕事がなくなって「解雇」という場合もあるでしょう。いずれにせよ、辞め時がある種はっきりしています。
また、芸人さんでも仕事が徐々になくなってフェードアウトして仕方なく引退という場合もあるかと思います(むしろ圧倒的にそういう芸人さんのほうが多いのかもしれませんが)。
しかし、松本人志さんほどの人気芸人、テレビスターになってしまうと、スポンサーなどの関係で自分で自分の芸歴に幕を引くのは本当に難しいんだと思います。
やめたくてもやめられないのに、突然わけがわからないうちにやめざるを得ないということが起こるんだなと。
思えば、これまで松本人志さん自身「60歳前後での引退」を何度も口にしてきました。おそらくここ数年ご自身は幕引きを図ってきたのかもしれません。
また松本人志さん以外では、東野幸治さんなども「芸人としては60歳ぐらいが辞め時」という言葉を口にしています。
楽しいお笑い芸人と、最前線でしゃべる番組もあと5年ぐらいなんかなと。60歳ぐらいなんかなって。
過去の「60歳前後での引退」のモデルケースとして、島田紳助さんや、故上岡龍太郎さんなど例も思い出されます。
惜しまれながら「なんでやめるの?」などと言われたり、「またテレビに出てほしいと」と請われながら舞台を後にするほうが、芸人としては幸せなのかもしれません。
一方で、ビートたけしさんはこのように語っています。
結局、ボロボロになった自分も見せてあげたいしね。今まで笑って金くれた人にこんなになっちゃったっていう姿も見せたっていいかな。
こうした見方の背景には、「幻の天才芸人」でありながら、晩年には非業の最後を遂げた自身の師匠、深見千三郎さんのことがイメージとしてあるのかなと感じました。
漫才の最後は「いいかげんにしなさい!」「ありがとうございました!」とオチとともに笑い声、万雷の拍手を浴びながら舞台を後にすることができます。
芸人としての幕引きを自分で選べることは幸せなことなのかもしれませんね。
ありがとうございます!