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貧乏脱出マニュアル ③家の選び方#1

 人間の三大欲求は食欲・睡眠欲・性欲の三つである。食欲については本マニュアルの①で触れた。あと二つも良い生活を送る上ではとても大事なのだが、どこに住むかでかなり状況が変わる。今日は住環境に絞って書きたい。性欲は相手次第なところもあるので本マニュアルでは触れないが、とりあえず睡眠する場所が変わるだけで生活の質はかなり上がる。衣食住とも言うが食の話しかしていなかったし、食の環境についても住環境が整わないとどうにもならないことが多い。にもかかわらず②では精神面に少し入り込みすぎた気がするので、今回は実用性に寄せて書いていきたい。

 また結論を先に書くが、「とりあえずレオパレスに住んで金をためよう」である。この名前を今出すとガイア的な怒りが降り注ぐ気もするが、怒る人はまず全部読んでいただけるとありがたい。当然レオパレスに住み続けるのは運営会社には申し訳ないが下の下なので、お金をためてからどうするのかは次回記載する。

前提

 家の選び方は環境によって大きく異なるので今回は前提付きで話す。同じ貧乏でも前提条件が変わると大きく状況が変わる。仕事の有無や環境、現在の収入と備蓄、実家との関係性、パートナーがいるかどうか、どこを活動拠点にしているのかなどなど。

 私個人の話をすると、高卒で家を出てから住み込みの仕事もしたし、安アパートも次々と住んできた。仕事が変わるときにあちこち引っ越していたので、大きく損をしてきた分、安い家選びの経験は色々と培えた。自分の環境に近いところについては想像がつくので今日の記事はそのレベルで書く。しかしながら、闇金の借金地獄で動けなかったり、病気でどうにもならなくなったりといった「詰んだ」状況については正直想像がつかない。私の想像が及ばないところについては申し訳ないが限界ということで、勘弁願いたい。個々の事例については相談いただければ時間と知恵の及ぶ限りでは話はできると思う。

 よって、この記事自体は「一人暮らしはしてみているもののお金が全然たまらない」であったり、「実家の環境から抜け出したくて準備はしているけど何をしたらいいかわからない」上で、とりあえず定職には就いている層向けの話を書く。

 このレベル以上に困ってる方は正直自助努力だけでは厳しい。働けるのであれば、2019年2月時点では自動車関連の期間工をやって寮に住むのが一番間違いが少ないしお金にもなると思われる。仕事はきついが割は良い。働けないのであれば公的扶助なども検討してみるといいかもしれない。他にも、例えば一時的な資金貸し出しの制度としては下の例がある。

 働けなくてどうにもならない!住む場所もなくなる!という話であれば、ケースワーカーがいる医療機関で相談をしてみるのが割と安全かもしれない。しかし、当たりはずれもある話なので、大変申し訳ないが、あまりはっきりしたことは書けない。いきなり市町村窓口に生活保護申請に行くよりはハードルも低いと思われる。

妥協ラインについて

 前置きが長くなった。家賃が安い物件は全体的に難ありだ。難しかない。「駅チカ築浅鉄筋コンクリート隣人はまともの閑静な住宅街」のような物件を借りたければ「金を払え」としかならない。良い家に住むために、良い仕事をしてお金を稼いで、をおいおいやっていけばよいが、まずは当座の話である。とりあえず貧乏人が引っ越しをするのに必要なお金は単身なら40万がミニマムのラインである。これ以上お金をケチると問題が起きるのでお勧めできない。

 基本的に条件を金を払わずに満たすのは無理筋である。不動産は本当に市場原理で動いており、不当に高いことはあっても不当に安いことはまずない。条件を満たしている安い物件は必ず何かの裏がある。最近有名になってきた話としては、家賃が安くてもガス代の基本料が高く、そこで上乗せされるパターンなどがある。あるいは近隣におかしな人が住んでいる可能性もある。もし条件が良すぎて心配になった場合は、住む予定の家を雨の日と夜の日にチェックするとよいだろう。家の中に入れれば良いが、入れなくても周りを一通り歩けば見えてくるものがある。

 話を戻すと、安く済ませたいのであれば、絶対に譲れない条件以外はすべて妥協する必要がある。真っ先に捨てるべきは「駅までの距離」である。自転車に乗るなり歩くなりすれば済む話である。なぜこれを強く言ってるのかというと、安くてそこそこな物件は駅の近くにはまずないからである。駅チカの格安は他のところ以上に訳ありだ。

 私の個人的なこだわりのポイントは「湿気がないこと」である。カビが多いと体調を崩すのがまず一つ。冒頭にも書いたが、よく寝れるための話として、他のことは割と調整してどうにでもなるが、湿気に関して換気しても抜けないような家だと睡眠の質が損なわれて、健康に悪い。古い木造で湿気が酷いところは色々恐ろしいことが起きるのだ。私の昔住んでいた家賃3万しない住居はナメクジが湧いただけにとどまらず、しまいにはキノコが生えてきた。ナメクジを素足で踏んだ衝撃を皆さまには味わってほしくない。

 職場の最寄り駅までの時間を見て、どれだけ時間を有意義に使えるかと、お金とのトレードオフで物を考えるべきだが、もう一点貧困層にとって大事なことを書いておく。「コンビニの近くには住むな」これはとても大事である。住んだら最後お金は無くなる。営業時間が長いスーパーや、ドラッグストアの近くが理想である。

初期費用の話

 実はまともな物件なほど初期費用は高くなる傾向がある。これは店子をしぼるためにやっていて、「敷金をまともに払えない奴は客じゃない」をしてきているのだ。ある種の見せ金を払えるかどうかでゾーニングをしてきている。当然お金がないとそんなものは払えないので、今日の記事ではそのレベルのところには入れないものとして記載をする。お金をためてからどうしたらいいかは次回書く。

 「初期費用が高いからといっていい物件とは限らない」という地雷には注意したほうがいい。更に言うと、状況がよくなった場合は引き払うことを想定しているのであれば、敷金は少ないに越したことはない。安い住宅ではほぼほぼ敷金は帰ってこないものと思ったほうがよい。訴訟すれば帰ってくる、みたいなことを言ってる人もいるが、あれは金持ちの道楽で、貧乏人にそんな暇はない。

 また、もう一つお金がかかる話があって、それは引っ越しだ。先に知人に引っ越しを手伝わせるなというのを書いておく。ちょっと考えるとわかるのだが、手間賃を払って食事を用意してレンタカーを借りてとやるとそんな安くならない上に借りもできるし、物がなくなったり事故が起きたりというリスクが高くなる。大物の家具がある場合は業者を使うべきであるが、数が少ない場合は処分して買いなおしたほうが安く済んだりもする。

 ざっとだが、家賃4万強の家を借りるのに必要なお金は、敷金礼金家賃2か月分仲介手数料保証会社、場合によってはクリーニング代や鍵交換の先払いがそれぞれ1万ずつ、30万といったところだろう。これにガスやネット等の各種初期費用や消耗品代が5万、引っ越しになんだかんだ5万前後というので40万というのが冒頭の見立てだ。何かしらはみ出るので、最終的には40では足りなくなるが、40万というのはとりあえず家から家に移ることができる最低限の金額として見積もってある。

貧乏人はレオパレスに住め

 「壁を叩くと2件となりに聞こえる」などネットでさんざんなことが言われているレオパレスだが、実は私も住んだことがある。壁の薄さについては完全に書かれている通りであった。天井も薄いので殺人的なほど上の足音がしていた。お勧めかといわれるとそんなことは全くないのだが、期間を区切るのであればそんなに悪くないと考える。環境を変えて、給料を上げて次を探すのに使うのは全然有りだ。低価格帯にしては良心的なほうだし、質も低いは低いが分散が小さく等しく低いので、想像以上に悪いことはないだろう。あまり使いたくない言い回しだが、「同じ値段払ってもっとひどい家はいくらでもある」

 家具がついているのもあり、一人暮らしに慣れていなかったり管理しきれなかったりという人間には都合の良いシステムだ。物件によってはネットワークも無料でついている。エンジニアでレオネットをなんとも思わず使う人間とは友達になりたくないが、遊びでつなぐ分には十分だろう。更にいうと2019年現在レオパレス自体の評判が悪いので、ディスカウントもある程度されてることが予想できる。

 オール電化されていてIHヒーターしかなく調理が面倒くさいことや、エアコンが時間で勝手に切れることなど、色々問題も多い。しかし環境を変えて1年で出るにはとても良い場所なので、頑張って100万をためて次に行く、というのを目標にするということで今日の記事は終わりにしたい。

 金をためた後の家探しの話は次回に書くつもりだ。どうやって金がたまるような良い仕事にシフトするのかについてはまたおいおい書いていきたい。


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