記憶問題

加齢以前から人の顔と名前を覚えるのが大変苦手だったので、さらに大変なことになっている。
小さい時、既に人の顔を覚えることが大変苦手だった。幼稚園で父の日にお父さんの絵を描いてプレゼントしましょう、と言われたが、ほぼ全く思い出せず、他の子たちが描き進める中一人で困っていた。この時どう切り抜けたかもよく覚えている。「まず、男の人だからズボンだ。白衣を着る仕事だから白衣。ネクタイとかもしてる。顔は痩せてて細長く、髪は短い。メガネはかけてない」こんなふうに構築してとりあえず絵は仕上げた。
高校生の頃、ふと母の顔を頭の中で思い浮かべられないことに気がついた。顔の見分けが付かない訳ではなく、本人に会えば本人だと判断できる。写真でも同じことが言える。けれど、頭の中で思い浮かべる事はどうにもできず、「なんで？」とちょっと不思議だった。
そんな私であるので、現在あまり会った事のない人から「こんにちは」と言われても誰だか分からない。それは老化以前から抱えている特性だししょうがないと諦めている。