ここで働くということ

2022年4月3日

リーグ戦は終盤に入って、チームは当初の目標が未達になり、残りの試合、しっかり前を向けるか、何をどのように戦うか大切になってきた。

この時期、3月末から4月当初、リーグワンの各チームは契約するスタッフや選手との更新の「有無」を個別に通達される。運良く「継続」が許されるスタッフや選手はともかく、「継続無し」という通達をもらった場合はそ瞬間大きく状況が変わる。転職活動が強制的に開始する。

私自身はこれまでこのような経験は2度。10年ほど前と、一昨年前。当時の所属チームからこのような継続不可の連絡を受けた。

その連絡をもらったらとても切ない。これまでいろいろと捧げてきたチーム。チームの成績、自分の評価、自分のどこが悪いのか、去るのは自分だけなのか、チーム成績の責任は自分だけなのかなど、悶々とした日々のなか、試合の準備、選手と対峙することになる。

シーズンが佳境に入っているこの時期に水面下では継続と継続不可の人間が組織内に存在する。たいていの場合、その理由は明確には説明されない。納得行く形で通達をもらった人を私は知らない。なぜなら殆どの場合、評価が明確ではないから。日頃から定期定期で評価を重ねることをしてないから(全部がそうではないが)。

チームの成績が悪い、会社の業績が厳しい、あるいは血の入替をしたい。

私の場合、いずれも、「よく働いてくれているが長く在籍しているのでそろそろ交替したいと考えている」であった。なにより切なかったのが、実際に自分が尽くしてきたボス。監督やヘッドコーチからの説明がなかったこと。たいてい現場スタッフは、契約自体は確かに会社やチームと結ぶだろうが、実際はヘッドコーチの業務命令と評価が全てである。翌朝6時半にミーティングだと言われればその準備をする。20時までミーティングしても対応する。オフだった日が練習に変われば楽しみにしていた家族の予定をキャンセルする、そういうふう「人種」だと思ってやっている。ヘッドコーチに貢献したい。それがチームのためになるし、なにより選手のためになり、チームの勝利に近づくと。それなのに一番肝心の契約継続の局面で、スタッフ人事には多少なりともヘッドコーチの意思が絡んでいるはず。はっきりと「〇〇が出来なかったから」、あるいは「〇〇のほうがいいと考えているから」などと直接言ってくれたほうがどんなに楽か。何事もなかったかのようにこれまでどおりミーティングや練習に取り組む、マインドを保つことがどれだけ厳しく悲しいか。気を遣われているんじゃないか、みじめな数日が続く。

前置きが長くなったが、一昨年のいまごろ私が感じたことを書きとどめていたい。この業界を志望する人にとってはネガティブな印象を持たれるかもしれないが全てがそうではないが現実である。何か参考になれば幸いである。


1 嫌なら辞める選択肢もあり

現行は被契約者にめちゃくちゃ厳しい。チームとスタッフ、定期的に両者の意思を確認するなどは行われず、突然一方的に「結果」が通達され、それで終わり。交渉の余地は殆どない。更に厳しいことに、リーグワンになって契約時期が一般社会とズレが生じた(多くのチームは6月スタート5月末終わり)。3月下旬くらいに継続不可の連絡をもらったところで、学校や企業の仕事を探しても難しい。さらに私が知りうる限り、評価方法は納得できないことが多い。よくやってくれている、彼らはいつもそう言う、しかし結果は別である。辞めるのが自分だけ、残るスタッフは有能なのか、貢献したのか、そういう質問に対して彼らは答えはもっていない。でもそれも含めてそういう「システム」である。これを受け入れ従うか、我慢出来ず去るか。この環境に我慢出来なければ去る。この不安定な業界が全てではない。嫌で耐えられないとしたら別の道を選ぶことが賢明だろう。

2 圧倒的に動くタイミングの早さがものをいう

現時点では、転職や就職、移籍、について詳細にルールが決まってるわけではないため、次の所属先を探すにあたり、結局は個人的なつながりが大きい。どこかのホームページに求人チーム一覧が出ているわけはない。つまり水面下で連絡取り情報を得るしかない。「誰かいい人いない?」という電話で決まっていく。動き出すタイミングが早ければ早いほどいい。逆に遅ければ遅いだけどんどん人もチームが決まっていく。早ければ今よりいいチームが見つかったりもする。

3 変な遠慮やプライドは捨て去って連絡する

連絡しても門前払いされるんじゃないか、とか、忙しい時期だから取り合ってくれないんじゃなかとか、思いがちだ。しかしそんな遠慮は捨て去るべき。勿論リーグのルールに則ることは大前提だが、とにかく少しでも知り合いがいたら連絡する。1日、半日ですらチャンスを逃すかもしれない。向こうも探してるかもしれないが探す手段がないことに困っているかもしれない。


以上、とりとめの無い内容だが、いまこの時期、厳しい連絡を受けて先進的にショックを受けながらも、自身や家族のために気を取り直し転職活動を進め、同時に残りの大事な試合の準備をする。良いか悪いか、望ましいかどうかはともかく、この業界では、そういう状況が毎年続くのだろうと思う。

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