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Vol.2「SDGsアウトサイドイン」の熱狂を生み出す新事業創出49の開発秘話

「SDGsアウトサイドイン」ビジネスゲームの基本ルールは、極めてシンプルです。しかし、その裏側には、アジャイル型の構想が秘められていますので、リアル研修の場が熱狂するその一端をご紹介しましょう。

➀新事業の種を生み出す、秘話_1
 各チームが固有に保有する企業としてのアセットとビジネスを産み出すのに必要なソリューションを組み合わせて、新たな事業を生み出すロジックには、一般社会と同じように、常識では考えられない組合せと実在のアイディアを組込んでいます。

➁事業を認知・拡大する、秘話_2
 新事業創造後、プロモーションカードを使って事業を認知・拡大します。その事業に適したプロモーション方法を選ぶことで初めて利益が得られるように設計されていますが、実は、ゴールセッティングを変えることもできます。
この①、②を繰り返すことで、資金を獲得するという経済価値と、より上位概念の社会価値、環境価値を獲得することも可能で、ファシリテーションの手法によって、より高度な学びを提供しています。

社会で起きている課題に目を向け、解決策を考えながらアセットとソリューションを組合せ、新しい事業と価値を創造していくのです。
※49枚の社会課題は、すべて実際の事例です。

 SDGs目標11:「住み続けられるまちづくりを」で、東日本大震災のがれき処理の事例をご紹介しましょう。

 ☛社会課題の概要:以前の震災では家屋等のがれきが大量に発生し、処理には莫大な費用と時間がかかってきました。その理由は、集積所のがれきは内部に熱がこもり、自然発火による火災が多々発生し、且つ危険性もあったためです。
 ☛事業創造による解決策:「東松島方式」では、自治体と民間が連携し、がれきの97.6%をリサイクルした分別処理法を導入しました。震災直後、解体と同時にがれきを細かく分別することで金属など有価物をも売却できました。廃タイヤは発電用の固形燃料に加工もしました。国連で採択された都市計画「仙台防災枠組2015-2030」に沿って災害リスクを減らす新手法を開発したのでした。がれき全体の焼却量や処理費用・時間を削減する戦略を掲げ、且つ、木材を腐葉土にできる微生物の研究を地元大学と進めるリサイクル事業では被災者を雇用するビジネスモデルまで実践しました。

 この、橋本道路さんの知的秘話ともいえる解決事例は、「企業のアウトサイドイン事例」に具体的に記載しましたので、ぜひ、読みとって、それぞれの地域の備えに活かして頂きたいと思います。
https://outside-in.jp/case/hashimoto-road/
日々、国内外を問わず報道される台風等による洪水や土砂災害の数々。
「地球温暖化には、もはや疑う余地がない」と断定したIPCC第5次評価報告書(2013~2014に発表。IPCC=気候変動に関する政府間機構)から10年余り。今ではと言うか、ようやくと言うべきか「地球温暖化が原因」と公言される状況ですが、社会課題49の事例の本質秘話に学んで、「想定外」という言葉を使わない社会課題解決を成し遂げるビジネスモデルを創出したいものです。

■次回テーマ:「SDGs&ESG ダイジェスト年表」、「SDGs未来年表―脱炭素を目指しての取り組み」を作成して奮い立ったこと
サステナビリティ・プランズマーケッター 近江美保

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