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MCUの“スーパーヒーロー疲れ”への処方箋を考える話②〜提案編


 前回までのお話 〜 今や映画界において無視できない存在となったMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)。だが、昨今取り沙汰されている“スーパーヒーロー疲れ”で人気も下降線を辿ることに。これまでアメコミ好きが高じてMCUの魅力を満喫してきた50代間近のおっさんが、いわゆる“スーパーヒーロー疲れ”の原因を探り、その次は解決策を提案(もとい妄想)して最良の治療法の処方箋を出していこうと頭をひねる。

 というわけで今回は“スーパーヒーロー疲れ”の処方箋を提案してゆく。初めに断っておくが、あくまで個人の主観ですからね。何の責任も負わない、お気楽なただの戯言なのでそのあたりは暖かい目でご覧下さい。
 では早速!!私が出す処方箋は3つ!!

①作品世界のコンパクト化を図る
 これはコミックの歴史と重なるところがある。MARVEL コミックの歴史は1939年まで遡る。キャラクターたちの歴史も長く、エピソードも膨大なため、これまでMARVEL コミック誌も新規読者を獲得するために設定のリセットやキャラクターのリニューアル等を行ってきた。要は歴史が長い分、コミックの世界が広がりすぎて収拾がつかなくなったのだ。同じくMCUの歴史も長くなった。第1作「アイアンマン」が公開されたのが2008年。その間にNYの路地裏から宇宙の深淵に至るまで様々なストーリーとキャラクターが描かれ、さらにはマルチバースまで登場し、新規ファンには手をつけにくい状況が現在である。それはそれで面白い。だが、これからもMCUを末長く続けたいならば、新規ファンの継続した獲得は必然なわけで今のところMCUはその戦略が失敗しているようだ。ではどうしようか。まずMCU世界をコンパクトにしよう。例えば、思い切ってコズミック(宇宙)系のストーリーラインから一旦手を引くのはどうだろうか。あくまで地球での出来事のみにフォーカスして、地に足がついたヒーローの魅力を表現するのに振り切っても良いと思う。コミック誌はネタの宝庫だから、色々拝借できるネタもたくさんありそうだし、作品世界のコンパクト化を図りつつ濃密な魅力をアピールできると思うのだ。

②TVドラマはあくまで副次的な立ち位置に留める
 MARVEL肝入りで展開されてきたはずのTVドラマシリーズが不調なようだ。そりゃ映画も見てドラマも見ないとMCUの物語についていけないのは、マニアなら涎タラタラかもしれないが、ライトなファンには少々重たい。さらに新規からしたら、どこから見たら良いんですかね?とそもそもMCUの扉を開けることすら躊躇う原因になってしまう。ではどうしようか。TVドラマの制作は続けるにしても、あくまでそれはMCUメインストーリーにほぼほぼ絡まない程度の立ち位置にするのだ。あくまで「外伝」「語られなかったお話」。ドラマなんか見なくても全然MCUのメインストーリーには関係ないですよという明確な指針が欲しい。今のMCUのドラマは、次のアベンジャーズになり得るヒーローを試しに登場させているように感じてしまい中途半端感が否めないのだよ。いっそのこと映画では出来ないような実験的な作品をもっと撮っても良いと思う。「ワンダヴィジョン」はそんな良作だったし。試しに「BOYS」みたいなゴリゴリのR指定の作品とかでも良いと思う。コミックでも大人向けのハードなシリーズとかが人気あったりするし。

③いわゆるBIG3を扱いだけは、007方式で継続させる
 MARVELコミックの人気キャラといえば「キャプテン・アメリカ」「アイアンマン」「マイティ・ソー」のいわゆるBIG 3である。残念ながら、MCUでは「エンドゲーム」でそのうちの2人が去ってしまい、次なる人気キャラがなかなか現れていない。そりゃそうである。どう転んだってUSエージェントはキャプテン・アメリカになれない。アイアンハートはアイアンマンにはなれないのだ。そうでなくてもコミックとは違い、演じる俳優はしっかり歳を取るのだ。ではどうしようか。
 私が提案するのは映画「007」のように演じる俳優の定期的な交代を視野に入れて、人気キャラクターの継続登場を行うことだ。現在演じている俳優が年齢を重ねて人気キャラが演じられなくなるのは年月とともに避けられない。そういった理由でこれまで人気を培ってきたキャラクターがスクリーンから姿を消すのは勿体無いではないか。
 バットマンだって、スーパーマンだってこれまで様々な俳優が演じてきた。ならばMCUも同じことが、もっと上手くできると思う。単なる突然の交代劇というよりもストーリーラインに組み込んでも良いし、マルチバースに絡めて、定期的に違うユニバースを描くことによって新鮮な話が作れるかもしれない。ここでもコミック誌はネタの宝庫だから色々と拝借できるだろう。

 とまぁホント好き勝手書いたが、私の想いはただ一つなのである。

MCUをずっとずっと継続してほしい!!

 現在の”スーパーヒーロー疲れ”は、これだけたくさんの映像作品が巷に出回っている以上、避けられないことなのかもしれない。だが、元々の原作であるコミック誌はかれこれ100年に届こうかという刊行年数なのだ。コミックだって決して順風満帆だったわけではない。人気低迷、経営不振などを乗り越え、新しいアイデアと魅力的なストーリーを考え出し、ライバル会社と渡り合ってきたからこそ現在があるのだ。
 MCUの出現は映画界に大きな影響を与えたし、ユニバース物として稀有な成功を収めてきた。これまでのような大きな成功が望めないとしても末長くMCUが続くことを願ってやまない。

                        ではではTo be continued……

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