夏へのトンネル、さよならの出口を観て
YouTubeやSNSで女子高生が教室でいじめっ子を殴りかかるシーンをよく見かけ、心が少しすっとした。
改めて何のアニメなんだろと調べてみたらすぐに見つかった。『夏へのトンネル、さよならの出口』
主人公カオルは、内気で少し影のある少年。彼の通う高校に東京から転校生のあんずが来た。その転校生は、周りとは一切打ち解けようとせず、クラスのリーダー格の女子に初日から目をつけられるも「喧嘩売ってんの」と顔面にグーパンをぶち込んだ。勝手に想像していた「いじめられっ子の下克上」とはだいぶ印象が違ったようだ。
カオルの住む町には"ウラシマトンネル"という奇妙な噂があった。そのトンネルをくぐると何でも願いが叶う。ただし、歳をとってしまう…と。
あんずは祖父との絆の証の幼い頃に描いた原稿と漫画を描く才能を、カオルは亡くなった妹を取り戻すため、ウラシマトンネルの観察を重ねていき、次第にただの協力者同士から変化していく-
あんず描いた原稿を読んだカオルは、彼女の非凡な才能に気づき、共に時間をかけることを躊躇し始める。そんな中、妹の死からおかしくなった父が突然再婚者を連れてきて、町を離れると言い出した。耐えられず、カオルはトンネルを進む決心を固めた。
約半日も進み歩いた先で、ようやく最愛の妹カレンと再会を果たす。幼いながら、周囲の幸せを喜び、笑顔の素敵なカレンは、とても愛らしくもあり、悟ったような考え方が少し気味悪くさえあった。
そんなカレンと話している時、ふと横を見ると鏡の中のカオルの姿は大人であった。そして、7年後のあんずから「私は進む」というメールが届く。カレンはカオルに「会いに行かなきゃいけない人がいるんでしょ」と嬉しそうな笑顔を向ける。そして、玄関に向かうカオルに行ってらっしゃいと言葉をかけた。悲しさを微塵も感じていないようなカレンの優しさに涙があふれた。
カオルはトンネルを逆走する。
7年後のあんずと再会し、想いを伝え、キスをする。
「7時間のキスをした」
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