文化的活動と非文化的行動
少し前になりますが、10月の上旬頃、日本大使館主催で日本映画祭なるものが開催されたので行ってみました。
映画祭、といっても、週末の3日間だけチュニジア中心地区にある文化会館を借りて行われた小規模なもので、入場は無料。
毎年一回この時期にあるらしく、今回は私が移住してきて初めての上映会になり、どんな感じなのか興味があったので全日参加してみました。
今回のラインナップは
・武士の献立
・テルマエ・ロマエ
・誰も守ってくれない
・クレヨンしんちゃん
・幼獣マメシバ
の5本。
クレヨンしんちゃんあたりはチュニジアの子供対象に上映されるのですが、どういった面々が来るのか興味津々で行ってみた所、
こんな感じでした。
上映後に熱心にアンケートに答える人々
以前の上映会などは、
『事前の告知を殆どしないから、人なんか全然来てませんでしたよ』
というのは元家主トモコ女史の弁。
今回も別に来場数は多くはないのだけど、まぁチュニジアだし日本映画だし
こんなもんだろうな〜、というのが正直な感想。
確かにさほど人は多くない
けれど来る人はそれぞれに日本映画への思い入れがあるらしく、
ほぼ全回顔を見る人もいれば、
「日本文化のイベントって、他でもどこかでやってないのかしら?」
とわざわざ私に聞いてくるご婦人もありで、規模とかではなく、
それぞれが楽しんでるから意図としては成功だったのではないかと思います。
肝心の日本映画に関しての反応は、みんな思ってた以上に静かに見ていて、
途中で腹ヘリのためバリバリお菓子食ってた私の方が、よっぽどうるさいくらいでした。
劇の終末にはみんな拍手をして、そして最後のクレジット部分はみんな立ち上がって帰ってしまうので途中でぶった切る、と昔の日本の映画館を見てるようで、やっぱ外国だねと思うような感じでした。
時代劇(武士の献立)から現代劇(誰も〜)、コメディ(テルマエ)、アニメ(しんちゃん)、カルト作品(マメシバ)とセレクトが多岐に渡るので、
どういう基準で選んでるんですか?と最後に関係者の方に聞いた所、
『版権があるので、基本は版権が切れてるものから選びます』
となんか意外な答えが返って来ましたが、
『お子さんにも来てほしいのでアニメは入れるようにして、偏らないように決めています』
とも言われ、やはり日本文化布教的な趣はある様。
但し当然の如く字幕になるので、仏語を入れるのかアラビア語を入れるのか、
どっちかなーと思っていたら、基本は仏語でクレヨンしんちゃんのみアラビア語でしたが、未就学児はアラビア語すら読めないので、退屈過ぎて途中で帰ってしまう子もいましたが。
お子さまの姿もチラホラ
外国の、チュニジアから見ればマイナーな国の日本の映画を見たい、と思うだけあって、集まる人々はやはりそこはかとなく教養や知性を感じる人が多く、毎日無作法無礼なチュニジア人に“ニーハオ、ニーハオ”言われまくり、
ギリギリしてる私からしてみれば、ホッと一息付けるような週末のひとときでした・・・が。
映画を見終えて会場を出ると、会館のど真ん前で殴り合いのケンカをしてる
馬鹿チュニジア人共に遭遇・・・・・。
ゆったりした気持ちも一瞬で吹っ飛び、
『ホンマいい加減にせえ、野蛮人めが!』
と吐き捨てるような気持ちで帰路につきました。
文化的なことを楽しむ人もいれば、すぐに頭に血が上り、人と殴り合う事は
日常茶飯事、という連中もいるのがチュニジアなのでございます。
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