メキシコの家族計画、現在

最近チュニジアの事ばっか書いていましたが、さすがにそろそろ食傷気味、
そしてネタ切れ、という状況になってきたので、今回は昔の事を思い出して、メキシコ編で参ります。

チュニジアへ来て間もなくの頃、メキシコ時代に色々助けてくれた家族に移住の旨を連絡した所、一家の父が
『リョウコ、娘にはもう生後9ヶ月の子供がいるんだよ』
と衝撃的な近況報告をしてくれました。

ここで https://note.mu/outou_ryo_ko/n/n8789cd129624?magazine_key=me3dea126bc01  写っている彼女はまだ12歳、現在は22歳くらいですが、連絡したのは去年の年の瀬くらいで、その時点で9ヶ月と言っていたので出産時は20歳くらい、妊娠時期を計算すると19歳くらい・・・?
と考えると頭がクラクラしてきました。

彼女に最後に会った時は17歳、お金持ちの箱入りお嬢様なので、
どこへ行くにも親と一緒、彼氏はいたかもしれないけど、親密交際が出来る程出歩いてたようには見えなかったのに・・・時の流れってオソロシイ、
と思ったと同時に、あんなに大事にされてて親にもベッタリだったのに、
一体何があったんだろうか?とも思いました。

在りし日のお嬢様。
キンセア二ェーラという、女の子が15歳になったら行う、
ラテンアメリカの成人式みたいなお祝いの日の一枚。

気になったのは、父親が『もう子供がいるよ』とは言っていたけれど、
“結婚した”とは言ってないので、多分未婚の母なんだろうな〜・・・・
と思うと、何とも言えない気持ちになりました。

若年出産、というのは別にメキシコに限らず日本でも現在よくある事なので、そんな驚くことか?と思われることでしょう。
メキシコはラテンの国なので、基本的に恋愛に関してはみんな早熟だし、
ある意味意識が高い(という言い方が適当かどうか?)のです。

殆どのメキシコ人は恋人がいたし、いないほうが珍しい、という状態。
日本のように相手に対して条件を付ける事が殆んど無いので、
男女ともどんなに太っていても、イケてなくても、相手がいるのが当たり前、なのです。
毎日必ず会うし、出かける時はいつも一緒、恋愛第一!・・・なのですが、
それはつまり恋愛意外の娯楽が少ないからそうなるのです。

実際、娯楽のない田舎に行けば行くほど若年結婚率は高く、20歳そこそこで
当然のように子供二人をかかえているのが普通。
ある統計によると、北部の田舎の方では、16歳までに初産を終え、
18歳までに二人目を出産する率が60〜80%・・・と、
当のメキシコ人すら驚愕して教えてくれるような状況だったりします。
(だいぶん前に聞いたことなので率の明確な記憶がなく、曖昧にしてしまいましたが、かなりの高確率だったのは確か。)

最後にいた街では、高校の課外授業で日本語を教えていましたが、
街一番の金持ち学校なのに、トイレに行くと使用済みの妊娠検査薬が捨てられてたり、保健室では申し出るとコンドームをくれたりと、ある意味本当に意識高いんだな、と思う様な実情も目の当たりにしました。

で、若年で結婚するということは当然の如くデキ婚なわけで、
そしてデキて結婚するわけだから当然失敗も多く・・・
若くてシングルマザーなんて特に珍しくもないので、社会問題になる訳でもなく、普通に受け入れられているのがメキシコ社会。

ところがある日、知り合いから衝撃的な事を聞いてしまいました。
“若くして妊娠するのは当たり前になってしまってるんだけど、デキたからの結婚を許すと絶対に離婚するから、最近は結婚させないで親の養子として育てるのよ”と。

・・・・凄い、もう若いデキ婚=100%離婚、なんだね、その発想は。
この辺が冒頭の娘の出産を聞いて、複雑に思った原因です。
彼女の妊娠の理由がわからないので、どういう考えで未婚を選択したのかはわからないのですが、少なくとも予定外ではあったんだな、と察しがつきます。

メキシコは家族社会なので、そんな事になっても世間体とか建前で隠したりする事はなく、多分両親はこれ以上はないくらい、娘をかわいがる以上に孫をかわいがってるであろう事は簡単に想像できるので、その辺は恐らく大丈夫でしょうが、娘は元気にやってんのかしら?とそちらの方が気になります。

トイレに捨てられてた妊娠検査薬も、多分家では出来ないから学校でやったんだろうし、どことなく悲愴感があって、大丈夫なのかなぁ・・・と心配したのを覚えています。

こんな所で書いてないで、普通に聞きゃあいいじゃんというご意見もあるでしょうが、なんとなく聞きづらくて、突っ込まないで終わったまま、今は連絡が途絶えています。
メキシコ人は基本みんな子供好きだし、多分みんなで可愛がりまくって幸せに楽しく暮らしてるでしょうが、赤ん坊を取り巻く一家と母親である彼女自身の状況が、以前と変わらず喜ばしいものであって欲しいな、と願うばかりです。

出会ったばかりの頃の彼女。
こんな風にあどけなく笑っていた少女だったのに、もうママとは・・・。子供と一緒に元気でいてくれるといいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?