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チュニジア、雨のち晴れ

先週の約一週間、チュニジアはひたすらに雨が降っておりました。
何でも現在が雨季とのことなのですが、一日中雨が降る日が何日も続く・・・というのは日本では当たり前のことだと思うのですが、
中南米では雨が一週間降り続けるというのは皆無だったので、
久し振りの毎日ベチョベチョ感に面食らいました。

しかもこの時期・・・雨季が冬って何だそりゃ!と最初は震えましたが、
大陸変わるとこうなるのか〜、と
改めて認識したのは去年のチュニジア到着時のことです。
中南米は夏が雨季、冬には降らないので、降ったとしても暑さが和らぐ様な、そんなホッとした気持ちになるので不快には思わなかったのですが
(但し量が凄い時は多々ある)
冬に降られると寒すぎて絶望感が増して来ます。

北アフリカに位置していて、砂漠もあるよ、というと基本暑い国、
と思う方もいるかもしれませんが、どちらかと言うとヨーロッパ寄りなので、冬は寒いのです。
まぁそれは来る前からなんとなく予測はしていたのですが、誤算だったのは、貧乏な国なので冷暖房は整っておらず、各建造物はどこも造りが悪く、
欠陥住宅の上すきま風は当たり前なので、家の中で暖房をつけていても殆んど効果なし、というのが実状です。

冬は街全体が暗いし、夏とは反対で基本どこでも寒いし、そんな時に雨が降る中歩いていると、雪中行軍演習中かのようなどんよりした気持ちになって来て
『私は国を間違えたんだろうか・・・いやいや、でもそれもその内慣れるのかもしれないし。。。寒』
と10年振りにコートを着て悶々と考えつつ、毎日仕事場まで歩いております。

さて、そんなベチョベチョな毎日が明けた翌日、勤務先の一つである日本人補習校の遠足があり、チュニスから車で1時間くらい離れた郊外にみんなで芋掘りに行きました。

以前ここで  https://note.mu/outou_ryo_ko/n/n43bace4c7f1e?magazine_key=me3dea126bc01 “チュニジアにゼリーはない”と書きましたが、実はさつま芋も一般的には流通していないのです。
多分芋が甘いなんて許せん!的な感じでチュニジア人受けが悪いからあまり需要がないのでしょうが、レストラン等、購入希望者も多少いるようで、
そんな人々のために卸しているとの事。

遠足参加者は生徒とその親、そして講師陣のメンバーはみんな日本人。
久々に食せるさつま芋にウキウキしているのは大人のみで、やはり子供達は皆でどこかに行けるのが楽しくて仕方ないようで、始終みんなハイテンション。
私も行事的な遠出をするのは初めてだったので、どんなもんだろな〜と思っていましたが、大型バス貸し切りだったので、車内でみんなでゲームをしたり、久々の日本的行事が逆に新鮮でもあり懐かしくもあり、という感じでした。

さて1時間半かけて着いたのはこちら。

チュニスを1時間半しか離れてないのにもうすっかり田舎な風景ですが、
その分空気はきれいで毎日都会の汚いものばかり見ている私には、
心洗われるような光景でした。

肝心の芋掘りは、子供たちに芋を掘らせるのは大変だから、という事で、持ち主のおじさんがクワで掘ってくれて、それを各々が好きなものを取るという形だったのだけど、そのうちお子様たちは掘ってもらうのに飽き足らず、自分らで素手でモリモリ掘り出しておりました。

実際は子供に好きな様にほじくり返されては困る、

という事で持ち主自身が掘り起こしてたんだけど、
クワ使うから芋ガッツリ割れておったよ。

大事にしてんだかしてないんだか。

突如として素手で掘り起こす子供達・・・。
一応みんなチュニスの都会っ子だからか?
土いじりが珍しくて楽しいらしい。

手ぇ汚れんのによ~やるな、と最初は見ていたのだけど、途中から手伝うことになってしまい一緒に掘っていると、なんか楽しい・・・・。
土が粘土質でねっちりしていて、雨のせいで程よい湿気もあり、触っていても気持ちよくて、終いには一緒になって一生懸命掘っている私がおりました。

仲介をして下さったお母さんによると、ここの畑は完全有機で農薬も使っていないそう。
実はチュニジアの野菜は、日常的にオーガニックだったりするのです。
というのも農薬は高いので使わずに栽培するのが通常で、農薬を使って虫がいなかったり形が美しく整っているものの方が高い・・・という、
先進国から見れば本末転倒な話なんだけど本当の話。

なので市場に並んでいる野菜は、形がいびつな物も所謂B級的な物も普通に売っているのですが、その分味が濃いので、塩コショウだけで充分料理が美味しくなる、という、先進国人から見れば感動的なことも多々あります。

同じ農家で作られてたブロッコリー。
立派でとてもきれい、これで200円。安い、けどチュニジアでは割と高め

余計な手は加えず、旬の物を旬の時に食べるのが普通なので、市場に行っても通年で買える食材は限定されているのですが、でも人の生活って元々こういうもんなんだよな〜とここへ来て初めて認識しました。

不便だったり、遅れすぎてて閉口することのが多いチュニジアですが、進んでいない分こんな素朴な生活が送れるのも、ある意味幸せなのかもなぁと思ったりもします。

家に帰って食べたさつま芋は、日本に較べれば糖度の低い味でしたが、
それでも久し振りに口にし、尚且つ素朴でほんのりの甘みとさつま芋自体の味で、懐かしい様な目新しい様な、芋と同じくほっこりした気持ちで頂いたのでした。

さつま芋1キロで100円・・・って、激安!!
調子乗って5.5キロ(500円払)購入しましたが、
もう3分の1しかありません。まだ一週間経ってないのですが。

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