いつも同じテンポで生きている

ご無沙汰しております。
冬になると冬眠したくなるのでしょうか、何となく動きも頭の働きも鈍くなっていき、遂には活動停止、というのは去年も同じでした。
そして同じ時期にまた復活、というのも去年とまた同様に。
ちなみにこの休止の間また風邪をひいておりました、本当にいつも同じテンポで生きている。
ただ今年は免疫が出来たのか、寝込んで一週間熱が下がらず、ということはありませんでしたが、風邪完治まで3週間も引きずった、日本でなら熱も出ず一週間で治ったのに。
やっぱり恐るべきチュニジア風邪。

で、暖かくなって来たので復活なのですが、チュニジアは3月に入った途端に春になってきました。
今週末など27度とか、それって春通り越して夏ちゃうん?
相変わらず中庸という言葉知らずなチュニジアでございます。

さて雲隠れしている間の目立った出来事ですが、2月の中旬頃にカバンを強奪されました。
いつも利用しているTGMという電車内のことです。

公共交通機関だけあって片道0.68ディナール(日本円30円くらい)という激安値段のために、利用するのは主に貧乏人ばかり。
車のある人は勿論電車は利用しないし、お金がある人はタクシーを使います。
なぜならそれは利用者が貧乏人のため危険だから。
電車内でのスリ、ひったくりなどは日常茶飯事で、外国人旅行客などはチンピラには格好のカモな訳です。

この駅は観光地の駅なのできれいだけど、通常の駅はスラムのように荒れ果てている。でもここからだいたいチンピラ共が乗ってくるんだよね。

で、利用者のことを貧乏人呼ばわりしていますが、頻繁に利用する私も例外なくの貧乏人で。
仕事や習い事の帰り道で夜に乗車することも多いのですが、夜の乗車なんて本当に危ない。
乗ってくるのは行く末はヤクザ者になるしかないような若いチンピラが多く、また乗車客も少数なので、女性や外国人にはとても危険なのです。

幸か不幸か夜に電車を乗ることが多くなってから約一年、特に何事もなかったので、毎回目立たない様ひっそり息をひそめつつ夜も利用しておりました。
最近では、外を歩けば無意味に「ニーハオ・ニーハオ」と馬鹿の一つ覚えを繰り返すチュニジア人共が嫌いになりすぎて、顔がわからないよう隠すくらいの徹底ぶりで武装していたのですが、それが仇になったのか功を奏したのか。

こんな感じで外出時はいつも顔を隠しておりました。
違う意味で狙われそうな感じ?

その日も夜8時過ぎくらい、人気の少ない電車に乗車しました。
始発駅でいつも乗るのですが、途中チンピラ風の若い連中がよく乗ってくる駅があり、だいたい終点手前の駅でみんな降りていくのです。
いつものようにスカーフでまったく顔がわからないように顔を隠し、窓際の席で本を読みつつ座っておりました。
車内には下品に騒いでる若い連中もいて、アジア人だとわかるとまた馬鹿にしたようにからかって来るので、ひっそりと静かにしていたのです、が。

途中、いつもチンピラ達が降りる駅が来て、連中も降りていきました。
はーこれでやっとひと安心、と思っていた矢先、
連中の一人が突然私のところまで駆け寄って来て、肩から掛けていたナイロン製のバッグを


ガツッ!

とむしり取っていきました。

あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛〜〜〜〜っ!!!!!!

突然のことに絶叫して追い掛けましたが、スカーフが邪魔で何も見えず。

結局取った連中の事は何も分からず、状況がわからないまま起きた事なので、ただ呆然とするばかり・・・・。

見えないながらもわかった事は、3人組のチンピラで、一度降りるフリをして一人が電車のドアを抑え、もう一人が駆け戻ってきて私のカバンを引きちぎって行ったという感じ。
状況が全く見えていなかったので、用心できなかったのは自分の過失ですが、見えないまま起きた事なので恐怖を感じずトラウマにならなかった、というのは、今となっては幸なのか不幸なのかよく分からない所です。

しかし本当に不幸中の幸いもあり、小銭入れ、家の鍵、携帯はポケットに入れていたので、目ぼしい貴重品はカバンの中には全くなく、入っていたのは10ディナール紙幣(約440円)のみ入れていた札入れと、習い事用のウェア(しかも私にしか価値のないもの)と骨が折れかけの折り畳み傘しかなかったので、追いかけながらも
『あ〜、まぁ大したモン入ってないし、いいか・・・・・・・』
と思ったのも事実。
ウェアは買い直さないといけないものもあるので、悔しい思いも多少ありますが、鍵を何故かポケットに入れていたのは、本当にでかした私!と心から自分を褒めました。

クソチンピラ共は10ディナールしか入ってない財布を見て、
『コレだけかよ!!!!』と憤慨したでしょうから
『ざまみろ、バ〜〜〜〜〜〜〜〜カッ!!!!!!!!』
という気持ちでダメージもなく、それに関してはもうすっかり過去の話、
なのですが・・・・・。

実は多少の弊害もありで、結局その直後警察に行くことになった私。
近くに座っていて、一部始終を見ていたコートジボワール人で黒人の学生くんが色々親切にしてくれて、もう一人の親切なチュニジア人男性と3人で警察に被害届を出しに行くことになりました。

スカーフ巻き巻きで何も見えておらず、またフランス語で説明も出来ない私の代わりに色々警察に伝えてくれて、最後は二人共家まで送ってくれて、全てが終わったら深夜12時。
ただそこに居合わせただけなのに、夜遅くまで申し訳ない、有り難いと思い、電話番号を交換したのですが・・・・。

翌日からその学生くん、毎日3〜4回の鬼電。
気持ち悪くて一度も出てないのに。
出てたらもっとかかって来たんだと思うとホント恐ろしい・・・・・。
お礼にお茶か食事でも、と思ってメールしたら、
じゃあ、いつにするかまた知らせて、でも自分は君の所へ訪ねたい
というメールが来たので、もう恐怖Maxで申し訳ないがお礼は却下させて頂きました。

カバンをひったくられた事より、この学生くんのおかげで黒人を見るとヤツじゃないか!?と思ってビクビクするので(何せ家の場所知られてるし)、事件よりもこちらの弊害の方がよっぽど恐怖に感じております。

何にせよ、何かを強奪されるとロクな事にならない、という事がよくわかった次第。
もうすぐ日本に帰るので、なんとか沈静化してくれないものか。

魔の巣窟(若干言い過ぎ)、海行きの電車。
もう2度と乗りたくないけど、近々また乗らなければならないので
どうするか思案中・・・。

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