永遠普遍の名曲さ!

またもや少しのご無沙汰です。
最近日本語教師の仕事がにわかに増えて、突然忙しくなってきました。
暇過ぎてただ動画見て笑って暮らしてた毎日から考えると、
全く有り難い話なのですが。
今となってはどちらが幸せだったかを考えると、むむむ・・・と
考え込んでしまいます。
人間とは、かくも贅沢な生き物か。

さて今回は、またオタクくさいタイトルで始まりましたが、
実際はそんなオタク話でもなく。
今年で日本語教師をやって8年くらいになりますが、
ある課の時に授業で必ず使う曲があります。

それがコレ

いっぽんでもにんじん  ⇒  https://youtu.be/eOfaBZ1LohA

リアルタイムで見たことがある人は同年代と思われますが、
ガチャピンでお馴染みのポンキッキが、まだ“ひらけポンキッキ”という番組名だった初期の頃にかかっていた名曲です。
だいたいどの位の年齢の人まで知っているのか知りたい所ですが、
今はYouTubeで普通に残っていて見るのは難しくないから、一般的に浸透してるかな〜と思っていたのですが、チュニジア日本語教師の先輩であるゼニくん(20代後半)に聞いたら知らない、と言われ、やはり・・・でジェネーレーションギャップを感じた次第。

歌はなぎら健壱氏、合いの手をガチャピンがやっている、
という事を知ったのはもちろん大人になってから。
40年くらい前の曲なのですが、単純な絵と動きだから、あまり時代を感じさせない・・・というか、初見で見たらいつの時代のものかと断定できないって、ある意味凄い。

この歌はご覧の通り数詞の歌なのですが、日本の数詞って外国から見ると、
本当に一生理解できない思想の範疇にあると思います。
一つ一つに各々の数詞が存在していて、しかも数によって
いっぽん
ほん
さんぼん・・・・
などのように数詞自体が変則活用し、

いっぽん の時もあれば、

ひとり の様に、数字自体が音読みになったり訓読みになったり。

この事については、
『いちの時と、ひと(つ)、に使い分ける時とで、どういう決まりがあるんですか?』と生徒によく聞かれますが、
『私達も理由がわからないので、決まりはありません、覚えるしかない』
と、生徒からしてみれば『そんな殺生な〜!』的な答えしか出来なくて、
『スマンねホント・・・』といつも申し訳ないような気持ちになるのです。

考えたらこの曲も、そのクソ意味のわからん数詞を子供にも分かりやすくするために、作られた曲なんだなぁと改めて分かります。
何しろ『いっぽんで〜も、にんじん♪』という様に数詞と名詞だけで
歌詞が出来てる訳だから、単純すぎるのに奥が深い。
そして単純すぎるから外国人のための教材にも使えるのだけど、
単純過ぎて逆に訳が難しくてわかってもらえない、ということもしばしば。

『でも』を『but』と受け取ってしまうので、『だからぁ?!』と思うようなのですが、つくづくホント日本語って難しいわ、と改めて日本語ニュアンスを伝えることの難しさを思い知るワケです。

日本人も子供の頃から反復していつの間にか覚えている数詞なので、外国人で、しかも日本に在住してない人が、数詞を制覇するのはほぼ無理な話です。
別に数詞に限らずとも、基本的に無駄に難しい、そして日本でしか通じない
言語なのに、それでも日本語やりたいと言って始める人が後を絶たないのは、
漫画、ゲーム、音楽などの影響もあるのでしょうが、日本語には不思議な魅力があるのでしょうね。

そういう人達がいるから私も外国で暮らしていけるので
『よくやるよ、ホントありがとう』
と思わずにはおれない毎日です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?