さようならの夢

何者でもないきみは
迷走と妄想に足をすくわれて
めった刺しで自分を瀕死に追い込み
挙げ句に涙を流す

歯を噛みしめたきみに
世間は容赦なく烙印を圧した
心もからだも沈潜させた
当たり前のこと
きみには無関心

前向きに転倒したきみは
みとめられてはしゃぎすぎ
堰き止められた虚栄が発破
量子レベルの器から饒舌を招き
昔話で盛り上がるきみはまだ二十八歳