【散文詩】世界の土踏まずと扁平足

落とし穴に繰り返し嵌まる
地に着く面積は広いのに地に着けない扁平足
俊敏さは土踏まずの華麗な旋回

世界は悪意と理不尽の織物
抱え込みたい私有の歌姫は欲望の投影
口遊む旋律は公的な無主

模倣の冪乗に起源を問う愚かしき固有名
滑らかな融合に没我の享楽それは死若しくは僭主
多様性の罠に再帰性を忘却する

爛れた世界はあらくれた黴