橋本直樹「臍帯」ネタバレあります

映画の感想文です。

劇場で観ることを基本にしていましたが最近はAmazonやNetflixを利用することが増えました。

劇場で観ると直ぐにもう一度観たくなる作品に出合うことがあります。

私は三回が最多です。勿論、Amazonなどで複数回観ることにもなります。

「臍帯」は劇場で二回観ました。

心が動くポイントは各人各様ですが「臍帯」の見処は最初と最後なのではないでしょうか。

ネタバレあり

すべてにおいてシンプルな作品です。監督も「商業ベース」にはのらないと発言していた記憶があります。

出生と同時に捨てられた女の子が、産みの親を探し出す。母は漁師の間に女児をもうけ小さな漁村で幸せに暮らしている。
そして「復讐」のために娘(異父姉妹)を拐う計画を立てている。

最初は主人公の女性が偵察を兼ねて雨の中家の近くの木陰から幸せそうに振る舞う家族を見つめるシーンです。

雨の中傘をさして「怒り」とも「羨望」ともつかない目で「幸福」を凝視する主人公の姿が印象的です。

カット数は少なく台詞も冒頭から十五分位(体感です)はありません。

同級生と勉強するために娘が家を出たところを車で拐って古い倉庫に監禁します。

母の一番大切な娘を精神的に壊すために苦痛を与えます(詳細は割愛)

そして壊れた娘を母に返します。

ラストシーン(割愛)

私はここで落涙しました。

ありきたりと言えばありきたりのストーリー。

筋書きで感動しているわけではないように思うのです。

個人的な琴線に触れるのでしょうか。

監督と演者の力なのかもしれません。この作品をどれだけ見た方がいるのか分かりませんが、感動する人と単につまらないと感じる人にハッキリ別れると思います。

自分の感性に自信がないので「お薦め」はできませんが好奇心が旺盛な方は見てください。

暗い話ではあります。