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2020年7月の記事一覧

コロナに感染ける

コロナに感染ける

我ながら、巧い釣針を工作した心算に悦んでいるが、
竿を振ったその先が、大海であるか、小さな湖畔であるか、は我が靄の為に彼岸を確認できそうもない。

其は其として、昔から家の娘を守った邑々も、段々えたいの知れぬ村の風に感染(かま)けて、忍び夫(づま)の手に任せ傍題にしようとしている。            

これは、折口信夫氏による『死者の書』からの引用である。
通常、「感ける」と書いて「かまける

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