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その あわい にあるのは

「世の中みんな嫌い、みんな死ね」そう思っていた私の手を誰かが引く。
知らない世界の、知らない誰か。どろっとした黒から引き上げられて 初めて息を吸った。

その名は社会。社会が私を救ってくれた。
「世界はなんて美しい」

ワクワクを知った。生きがいを知った。役立つを知った。家族を知った。愛を知った。
私の肺は満たされた。深く息を吸って、深く息を吐いた。

はじめて余裕ができた。
金の余裕、心の余裕。健康そして人間関係。
次は私が、「知らない世界の、知らない誰か」になる番。

あの日 救われたかった私を、私は救う。
手をあげる、声を発する、文字を綴る。


聞こえてくる。
つらいよね、悲しいよね。

届いてくる。
そうだよね、どうしようね。


届く、届く、届く。

多すぎた。
世の中はこんなにも うまくいかないのか。

「世界はなんて美しい」そう思っていたのに。
全然美しくない。


しんどい。

自分の心が こんなに揺れるんやったら
自分の「美しい世界」だけ見た方がいい。
「楽しい」だけを見つめればいい。

でも、見離せない。
これは、あの日の私。
あの日一番 救ってほしかった私を、私はこのまま見離せない。

救いたい。でも、聞きたくない。
そのあわいにあるのは どちらも「救われたい」


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2024/02/20
センジュ出版 対話型文章講座にて

「あわい」理性と感性の重なり合い

理性と感性、右脳と左脳、交感神経と副交感神経、意識と無意識、直感と概念、陰と陽、強さと弱さ、光と影、アクセルとブレーキ、目に見えるものと見えないものなどなど、私たちがそもそも生まれ持っている真逆の矛盾のあわい(間)のこと。

一見するとこの対立する二者は分かり合えないような感覚に陥るものの、でも考えてみると無意識のうちに自分の内側で交感神経と副交感神経が手を取り合って、私たちは呼吸することができている。つまり、命にかかわることを私たちは意識下に置くことができないようになっている。

https://note.com/senjupublishing/n/n24cced0ce6ad

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