永久保存版って永久に変わらない情報!?
先日、住宅雑誌を読んでいて、「永久保存版」の見出しを目にしました。
「永久保存版」っていい響き。
私も、「昔のアニメ作品の解説本とか本棚の奥にあるなぁ。」などと、ふと感慨にふけってしまいました。
とは言ったものの、ひねくれ者の私、これ、本当に永久保存版なのか?という思いがふつふつと。
なぜなら、この特集が冷暖房手法ついての特集だったからです。
例えば、単体映画やアニメ作品といった、既に完結している物語の解説本であれば、その内容が客観的に変わることはなく、永久保存版としての信頼をおける資料となります。
ではそれが、スターウォーズだったらどうでしょう。
スターウォーズ(以下SW)は現在も新作が造り続けられているSF作品で、映画、ドラマ、実写にアニメ、マンガ、小説と多岐にわたって物語が広がり続けています。
最新作の内容によっては過去作の設定改変なども行われる事もあります。
するとどうでしょう。過去に完全保存版として出ていた資料が時代遅れの情報となり、当時の参考資料となります。
まわりくどい例えですね。
つまり、状況によって変化し続けるものについては、当時永久保存版とついていた知識も必ずしも、今正しいとは限らないという事です。
住宅の冷暖房方式なんて最たるもので、エネルギーの転換や技術革新によるところが非常に大きいです。
それこそ、30年も前には、オール電化はありませんでしたし、25年前でもまだ、オール電化に懐疑的な風潮がありました。
だから、冷房はエアコンを使うけれど、暖房は灯油やガスが当たり前。
それが、オール電化が一般化すると蓄熱暖房器が大いに普及しました。
深夜電力の価格が激安だったこともあり、夜間のうちに大量の電気を消費して大量の熱を貯める方式。
これが効率的だったわけです。
東日本大震災以降、原発が止まると、深夜のエネルギー余剰が出なくなり、深夜の電気料金が徐々に高くなり、大量の電気を食う蓄熱暖房器は徐々に日の目を見なくなってきました。
それとクロスオーバーするように、エアコンの省エネ性能が高くなっていき、現在は「壁掛けエアコンを制する者が全館空調を制する」と言うくらい、壁掛けエアコンが多様な使われ方をしています。
正に今のトレンドであり、最も大きな流れです。
でも、もしかしたら今後のエネルギ―の転換や機器の技術革新や政策があれば、他の何かにとって代わられる可能性がないとも言い切れません。
住宅建築全体においても、居住環境、耐震、耐久などについて、10年前とは比較にならない程加速度的な変化が起こっています。
昔、家を建てたことがある方、延いては昔、建築に携わっていた方などの価値観が通用しない部分もあるくらいに。
だからこそ、我々工務店も常に勉強し続けています。
勉強している建築会社でないと、いけません。
先日もお問い合わせを頂いたお客様のメールのに、「それまで、工務店で建てる意味を見いだせなかった」との記述がありました。
そうでしょう。
家はハウスメーカーで建てるもの。
テレビなどのマスメディアに出ているモノが正しいと思われていた時代において、それが高い価値を持ちました。
でも今や、テレビを、特にテレビCMって見なくなりました。
多様な価値観の中、マス向けであることが価値ではなくなりました。
マス向けでない所にも最先端なものがある事も知られてきました。
これって、住宅だけの話じゃないですよね。
情報はSNSで取りに行く時代。
だからこそ、情報がアップデートされていきます。
永久保存版は参考までに。
その上に、今どんな事が起きているのか、家づくりも知識をつけて行きましょう。
ギャー!今日の文章は取り留めなさ過ぎですね。
次回はちゃんと解説する題材を検討しておきます。
hiroyuki
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