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休みの日は休む

デジタルハリウッドSTUDIO山口が閉校し、6年ぶりに仕事の予定がない日曜日を過ごしています。

「6年ぶり」というのは誇張し過ぎですが、この6年間は日曜≒平日でした。

久々に何の予定もない日曜を手に入れたので、午前中は山口情報芸術センター[YCAM]で映画を鑑賞、午後にこのnoteを書いています。

映画版「Afternote」お薦めです。

独立すると休日の定義が曖昧になる

私が敬愛する立石裕明さんの講和のなかに、実家の旅館の女将である母親に労働時間を尋ねた際のエピソードが出てきます。

ホテル経営者時代に、ふと「経営者の労働時間は どれくらいだろう」と考えました。母親に、「労働時間はどれくらい?」と尋ねると、当然のように、「朝起きたら仕事、終わったら寝る。その間が労働時間」 と。「それなら、いつ休むの?」と聞くと、「今、座って休んでいる」と。

資金繰りの把握が 「業務効率化」への第一歩(生活衛生だより)

ほとんどの小規模事業者はこんな感じではないでしょうか。

個人事業主として独立した当初は、昼夜を問わず・土日祝日返上で働くのが当然だと考えていました。

当時は今よりも若く、意欲も旺盛でした。

また、自分が動かなければお金が入って来ないので、仕事をしていないと不安になるという側面もありました。全般性不安障害という症状だそうです。

SNSなどで「フリーランスは自分の好きな時間に働ける」といった言説をよく見かけますが、実際は「夜中や土日祝日に働いてでも納期は死守してね」と言われ続けるのがフリーランスというものです。

仕事はできる人のところに集まる

手持ちのタスクが増えてくると、土日祝も稼働しないと捌けないということも起こり得ます。

特に、複数の案件が並行して走る制作会社のディレクターなどは、手持ちの仕事がすべて片付くということはほぼありません。

手を止めるとタスクが溜まる一方なので、時間があるときにやっつけてしまいたい衝動に駆られます。

しかし、仕事というのは面白いもので、できる人のところに集まります。

つまり仕事ができる人は、仕事をこなせばこなすほど、どんどんタスクが増えていくのです。

かくして休みの日も仕事をするのが常態化し、オンとオフの区別がつかなくなって、つい延々と仕事をしてしまいがちになります。

ただ、事業者を長くやっていると、メリハリがない働き方は長くは続けられないということが分かってきます。

仕事を「しない」時間をいかに確保するか

長く続けられないのは、以下のような理由からです。

心身の疲労が回復しない

休日は心身の疲労を回復させるための大切な時間です。

しかし、休日に仕事をすると十分な休息が取れず、慢性的な疲労やストレスが蓄積されます。

集中力や生産性が低下し、健康を損なうリスクが高まります。

プライベートの時間が減少する

仕事とプライベートのバランスは、生活の質を高める上で非常に重要です。

休日に仕事をすると、親しい人と過ごす時間や趣味に費やす時間が削られ、充実した生活を送ることが難しくなります。

自己満足感や心のリフレッシュが不足し、仕事への意欲が低下します。

長期的なモチベーションが下がる

休日に仕事をすると、一時的には仕事が片付くかもしれませんが、長期的には仕事に対するモチベーションが下がる可能性があります。

仕事と休息のメリハリがなくなることで、やる気を維持するのが難しくなり、バーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こすリスクが高まります。

プロは持続を旨とすべし

プロの仕事とは、目の前のタスクを早くやっつけることではなく、継続的に結果を出し続けることです。

長く継続するために、自分に過度のストレスを与えないように、働くときは働く/休むときは休むといった切り替えが大切です。

また、パートナーやクライアントへの連絡についても、緊急の用件以外はできるだけ稼働日に伝える配慮をしたほうがよいでしょう。

最近のメールやチャットは日時を指定して予約送信できるので、私はなるべく相手が稼働している日時に届くように調整しています。

一緒に働く人たちにもメリハリがある働き方をしてもらったほうが、より良い結果を生むことができるからです。

それに、自分も休みの日に返信を気にしなくて済みます。

働き方改革の時代ですので、みんながストレスなく働けるコミュニケーションを心がけたいものです。

「お休みのところすみません」などと言っている場合ではありません。

お休みの日は休んで、休ませてあげましょう。

では。

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