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このひと、どんなひと?

巷ではアンコンシャスバイアスが流行している。

ダイバーシティの理解といえば、アンコンシャスバイアス
と言われるくらいのヒット。
無意識の偏見のことだが、横文字で言われると、海外から輸入された感がいい具合に出て、新しいことを学んでいる気持ちになるから不思議だ。
様々な研修が出ているが、わたしの場合は、ステレオタイプによる効率向上と差別の対立として紹介している。

大学の授業では、実在の人物を見て、どんなひとか推測するワークをやっている。
まずはわたし。
目の前にいるわたしを見て、どんなひとかを想像するのである。
全員の熱いまなざしがわたしに注がれる。好奇の目に晒されるのである。
制限時間の3分はこんなにも長いのか。
こんなワーク、普通は怖くてできないだろうなぁ。
今日の学生は、関西出身だと見抜いていた。
なぜなんだ、こんなに洗練された東京人なのに!!!
中には京都出身まであてたグループもあった。
暖色系が好きで、高層マンションに住んでいる、という予想もあった。
そして年齢。

「こんなこと言って申し訳ないのですが、44歳だと思いました」

・・・ムムム。どう受け止めればいいだろうか。
茶髪の効果か?しかし白髪だらけだぞ。
若作りしているということか。
真摯に受け止めよう。
連休明けは素敵な50代の装いにしようと思う。

次に、写真だけを見て推測してみた。あらかじめお願いして了承をもらっていたふたりの写真を投影し、見た目だけで考えてみた。
かなり当たっていた。

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ひとりの写真を全員が凝視している。本人の知らないところで。
このひとはどんなひとだろうか。
男性、40歳くらい、白いメガネが印象的、ネクタイが奇抜、全体にお洒落でセンスいいから、ファッション関係のひとだろう。
経営もやっていそう。もっとほかにもいろいろやっていそう。
多趣味だろう。性格はかなり明るそう。

概ね当たっているが、やみくもに明るいタイプではないことを伝えておいた。もうひとりの写真も結構当たっていた。

では、なぜ推測できたのか。
それはわたしたちが日常生活で経験していることが頭の中に蓄積され、判断に利用されているからである。
正しい判断をした経験はさらに記憶され、効率よく判断ができるようになっているのだ。

この話をもとに、アイデンティティ、カテゴライズ、ステレオタイプ、先入観、偏見、差別というキーワードを解説した。
学生向けなので、ここまで。

大学の授業で気を付けているのは、自分の経験とうっすら関連づけること。自分の過去の経験と関連付けて深堀りするかどうかは彼ら次第。
薄ガラスのように脆くて傷つきやすい学生もいる。
土足で踏み込まないよう注意しないといけない。
こじみゼミなら傷つく練習にしろと言えるだろうが。

イクメンは、少数派だから名前がつけられている。
他との違いが目立っているのだ。
「その言葉がなくなるまで活動を続ける」と言ってた先週のゲスト・あづまこうじさん。育児とジェンダーの話はまだしていない。
連休明けは男性らしい職業と女性らしい職業を考える。従事者の比率や向き不向きを考える予定。

仲間のむーさんがいつもわたしのことを、ちゃぶ台返しと表現する。
最後の最後にひっくり返すそうだ。
意識していないが、そうなのだろう。
それを聞いてから、ひっくり返すタイミングを図るようになった。
今日の授業は6合目あたりでひっくり返した。

バイアスは効率良く仕事するための、方程式のようなもの。
いまみんなが勉強している数学や物理のように、たくさんの数式や方程式がある。
うまく当てはめれば効率よく答えを出すことができるが、社会ではその結果として排他され、差別される結果を生むことがある。

ではどうすればよいのか。残りの授業で考えていくしかないのだ。


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