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Our Music:Tatebayashi 制作ノート #10

「Our Music:Tatebayashi」は7/24に#10を配信し、LINE NEWS での動画配信は一区切りになります。
そして7/25より、ドキュメンタリー内で制作をしていた楽曲が各種配信サービス、Bandcamp、カセットテープでリリースされます。

今回は、VIDEOTAPEMUSICと天野大地の対談形式でお送りします。

楽曲が完成

天野
ついに楽曲が完成。タイトルは「Spring Fever」とのことですが、タイトルに込めた意味は?

VTM
「スプリング・フィーバー」という言葉は自分にとってはロウ・イエの映画のタイトルのイメージが強いのですが、最近たまたまロウ・イエの映画を見返して言葉の意味を調べたんですよね。春がきた高揚感で浮かれている状態と、日本で言う所の5月病的なダウナーで憂鬱な状態のどっちの意味もあると知って、なんとなく制作していたときの気分にぴったりだなって。
ちょうど暖かくなってきた時期に館林に行って、滞在制作して、すごく楽しい一方で、徐々に増えていくコロナの感染者のニュースとかも見て今後の撮影も含め生活がどうなっていくのか不安も入り混じった複雑な気持ちだったので。

天野
たしかに編集してても、最初の方は楽観的な空気が伝わってきました。
RwyLくんが渋谷のOrgan Barでライブやりますという話があって、ライブができるってことがまだ当たり前だった時なんだなと。

VTM
本編で使ってないけどRwyLくんとy4くんのOrgan Barでのライブには実際に行きましたね。
ライブは3月の後半で緊急事態宣言より前ではあったけど、自分のライブやDJ予定はすでに全部無くなったタイミングだったし、オルガンにもお客さんとか来てるのかなみたいな不安な感じは個人的にありましたね。

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VTM
今回制作した曲は7月25日に「Spring Fever EP 」としてリリースすることにしました。

天野
おめでとうございます!
EPには何曲収録されているんですか?

VTM
配信は2曲だけですが、カセットテープはだいぶ曲数が増えて7曲入りですね。
もともと、本編でも使われてる「Spring Fever」のオリジナルバージョンとそのセルフリミックス(April Pond Mix)の2曲だけ配信する予定だったんですが、何かしらフィジカルというかモノにしたほうが館林のお店などでも置いてもらえたりするのかなと思って、レーベルのカクバリズムとも相談してカセットテープも作ることにしました。(※館林での販売店は記事の最後に)
そうするとカセットテープは60分テープ/30分テープという感じで尺が決まってて。だから2曲だけだとテープの尺がいっぱいあまっちゃう。なのでもうちょっと曲数は増やしましょうという話になりました。
テープ用に追加した曲も、何かしら今回の滞在制作や館林にまつわるイメージの曲をこのために新たに用意しましたね。「Spring Fever」1曲じゃ表現しきれなかった部分を補完していく感じで。撮影の合間にリサイクルショップで買ったレコードだけをサンプリングしたトラック(「Round and Round」)や、台湾料理の蔡の店での話や、ちょうど同時期に中止になった台北でのライブのことを考えながら作った曲(「Memory of Taipei」)とか。

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天野
車の中で聞いてみたけどどの曲も良くて、 特に「狸のクンビア」にびっくり。
なにをどうやったらたぬきを叩いた音がこうなるかが想像できない。

VTM
「狸のクンビア」は本編でも出てくるたぬきの像のおなかを叩いた音をパーカッション的に使ってリズムを組んだ曲ですね。
クンビアというのは、南米のコロンビア発祥の音楽の1種で、これは完全に僕の主観なので共感する人はいないかもですが、前からクンビアはたぬきっぽいなって思っていたんですよ。たぬきのかわいらしいけど人を化かしたりする妖怪っぽい感じが、陽気でもっさりしつつもどこか呪術的でトリップ感あるクンビアのイメージと結びついちゃって。たぬきも、クンビアのリズムも、フォルムが丸っこくて鋭角じゃないイメージがするんですよね。あとは哀愁あるコード感や、村祭りっぽさとか、クンビアとたぬきは絶対相性良さそうだなと思って「狸のクンビア」というタイトル案だけは長年あたためてて…笑

天野
たぬきの曲でわかったけど、VIDEOさん、たぬきを追い求めていましたね、撮影の時。

VTM
ロヒンギャのことだったり、工業団地があったり、つつじが岡公園や城沼があったり、事前に館林ってこういうところかなって調べていた要素以外に、実際に現地で気になった要素として「やたらたぬきの像が多いな」というのが印象的だったんですよね。事前の情報を抜きにした純粋に気になった部分だったから、そのまま曲に活かしたいと思いました。

天野
たしかにたぬきがありましたね。気になりだしたらそこかしこに。

VTM
「なんでだろう?」と調べたら、館林が分福茶釜ゆかりの地だったこともあり、観光の名物だったんですね。
図書館で昔の館林の資料をみたら駅前に分福茶釜のネオンがあったとか、観光地としての館林を考えた時に結構たぬきって重要なんだなってことに気づいて、行く前に意識していなかったからこそ滞在する中でなんでこんなにたぬき推しなんだろうっていうのが妙に面白くなっちゃって。

天野
夕暮れ時のつつじが岡公園で、たぬきのお腹を何度もたたいて良い音がでる下りが好きで、ゆったり時間が流れている感じがしました。

VTM
そうですね笑
たとえば自分が子供の頃から館林に住んでいたら、実際にたぬきのお腹を叩いたり、たぬきのところに宝物埋めたりしそうだなとか、自分が子供の気持ちで街の中にあるもので遊ぶとしたらこんな感じかな、みたいな感覚でやってました笑 ポケモンみたいなのがリアルに街にいっぱいいるって感じで。

館林での撮影

天野
今回、もう一回撮影いくのができなくなって、現地での時間を確保できなくなってしまった。
理想的な時間のかけかたはできなかったけど振り返っていかがですか?

VTM
でも4月にもう一回監督と2人だけで行けて、その時に結果として人と合わずにゆっくりすごせたのは、慌ただしくいろんな人を取材した3月の撮影とはちがう街の側面を見れて良かったです。

天野
あれがあるのとないのでは全然違ったっって言ってましたね。
この街でひとりで過ごす時間も大事というか。
#7(4月に館林を訪れたエピソードを収録)を見てみると、最初の1分間は何も話してない。
その感じが好きですね。

VTM
あれがリアルな日常の時間感覚という感じはしますよね。

天野
僕もわざとこういう風に編集してました。
一回目の滞在は刺激的で有意義な一方で、その街で過ごすとどういう気分になるのかなはまた別の視点。で、4月にはそれがあった。

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VTM
本来の予定通りもう一回館林に撮影に行けてたら、天野さんはどこ行きたかったですか?僕は多々良沼や分福茶釜の発祥の茂林寺に行きたかったですね。1回目の滞在では海外の人がいっぱい住んでいるという側面などに触れることができましたが、観光地としての館林はもともとどういった部分を名物として押し出していたのかという要素をもうちょっと見たかったですね。館林の街の歴史も含め。

天野
僕は子どもたちにも話を聞いてみたかった。高校生とか、若い世代とかにも。例えば海外の人が多いことや、街そのものについて、若い子たちは 今どう思ってるのかなとか。

VTM
それいいですね。子供だったりお年寄りだったり、自分たちと違う世代の館林の人にこの街がどう見えているのかは気になりますね。
退屈に感じているかもしれないし、僕らの気づかない楽しみを見出しているかもしれない。

天野
VIDEOさんは以前に「暇になってからが勝負」っておっしゃってましたね。
時間を持て余している人はどういうところいくのかな。
RwyLさんもメルさんもいろんな思いを経て館林を好きになった人だけど、この街を出たいと思ってる人もいるかもしれない。

VTM
観光名所を回ったり、事前に準備したリストを消化しているうちはその街のことはまだ何も見えてこないと思いますからね。生活者の目線で気づく良い面も悪い面もあるはずだから、まだまだ自分には気づけていない側面はたくさんあるはず。

天野
極端な話、館林が嫌いな人にも会ってみたかったですね。

VTM
わざわざ楽しくない部分を映したいわけじゃないけど、もうちょっと違う見方ですよね。

天野
そうですね。
楽しい部分っていうので思ったのは、 撮影しにいく前に、とにかく楽しもうって決めて、 行ったんです。
現場の空気感という意味で、自分たちが楽しくないと、見てる人にも楽しさって伝わらないかなと。

VTM
館林の魅力を紹介するみたいなのはさすがにおこがましすぎるし、自分はあくまで教えてもらう側というのは忘れないようには意識しましたね。決して楽しい観光ビデオをつくりたいわけでもなければ、ましてやダークツーリズムをしたいわけでもないし、でもあまりに客観的になりすぎてもつまらないから実際に自分が驚いたり新鮮に感じた部分にはあくまで素直でいたいというか。そのバランス感覚が一番神経を使う部分ではあるんだけど。

天野
それはすごく思います。少し離れた場所から「この街はこうですよ」と言うような目線ではなく、旅の中で出会う物事に自分たちがどう感じたかを重点的にカメラに収めたかったというか。主観的であるという意味では、例えば会話の途中でも、感じたままにカメラが自由に動いて周りのものを撮りはじめてもいいかな、とか。もちろん主観と客観の2者択一ではないので一概に言えませんが、それでも今回の映像は「僕らが見た館林の記録」というのが主軸にあるなぁと、見返していて思いました。
VIDEOさんには企画の段階から半年にわたってご一緒させていただきました。本当にいろいろありましたが、こうして完成した楽曲を聴くと、同じ作り手として、そして館林に住んでいた人間として本当に感慨深いです!


VIDEOTAPEMUSIC “Spring Fever EP”
品番:KAKU-129
発売日:7月25日(土)
形態:カセット/デジタル

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-配信-
1.Spring Fever
2.Spring Fever (April Pond Mix)

配信サイト/  https://ssm.lnk.to/SpringFever


-Bandcamp-
1.Spring Fever
2.Spring Fever (April Pond Mix)
3.Memory of Taipei
4.狸のクンビア
5.狸のクンビア Dub 
6.Spring Fever Reprise

https://kakubarhythm.bandcamp.com/?filter_band=2585269026


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-カセットテープ-
販売価格:1,300円(税込)
※ダウンロードコード付き

A
1.Spring Fever
2.Spring Fever (April Pond Mix)
3.Round and Round
4.Memory of Taipei

B
1.狸のクンビア
2.狸のクンビア Dub 
3.Spring Fever Reprise

販売店 / 
カクバリズムデリヴァリー http://kakubarhythm-deliverly.com/
BAR PROCEED(館林)、SUGAR HILL CAFE(館林)、蔡の店(館林)、Funky Sound BAR さぼ〜る(館林)、BAR FAT CATS(館林)、他随時追加予定


「Our Music: Tatebayashi」playlist


動画は LINE NEWS 「VISION」にて配信中
https://news.line.me/issue/oa-vi-ourmusic/byhgtc1ik4jz



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LINE NEWS 「VISION」で公開中の「Our Music: Tatebayashi」の制作ノート。 館林の人やお店や音楽など、本編に入り切らなかったことをVIDEOTAPEMUSICと天野大地が語ります。 ※本アカウントはクリエイター個人が運営しています
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