声の科学

声の科学:増える声の病気を打ちのめす!声をカイゼンする3つのテクニック

画像1

声は、言葉より雄弁に感情を語っている

私は、声を聴けばその人がどんな感情かわかります。

と、言うと大層なことに聞こえますね。ヒトは、顔の表情や言葉を取り繕うことができます。しかし、体の動きや声の高さや速さ、つまり”ボディランゲージ”を自分の思い通りに制御できることはできません。

したがって、声を聞くことができれば、だれでもその人の感情を推測することができます。

アメリカの心理学者:アルバート・メラビアンによると、好意や反感などの話題についての受け止め方は

話の内容などの言語情報 = 7%
口調や話の速さ = 38%
見た目などの視覚情報 = 55%

と言われています。

自分が思い通りにコミュニケーションをとるために、言葉や見た目をごまかすことは結構簡単です。一方、”声”は意識をしていなければ変化させることができません。

コミュニケーションで自分の望まない印象を相手に与えないためにも、声をコントロールすることは重要です。

・声の病気が増えている!という話
・大切な”声”が意外と消耗しているという話
・声を最高の状態に持っていく3つのテクニック

今回は↑の3つの情報をシェアしていきます!この情報を使って、自分の声をカンタンかつ効率的に回復させるヒトになりましょう!


増出している「声の病気」とは?

画像2

近年、声の病気は増えています。

・フェスやライブの盛況による、騒音環境での会話
・歌手やアナウンサーに加えて、テレフォンアポインターや配信者など、声を使う職業の増加
・カラオケやスポーツなどの趣味の拡大

などなど、さまざまな原因で、声帯ポリープ声門下狭窄緊張性発声障害など、声の病気が増加傾向にあります。

さらに、過度のストレスが原因で起こる心因性の発声障害などもあり、声にかかわる病気の数は意外と多いのです。

恐怖をあおるような感じになってしまいましたが、もっと身近に考えてみると、カラオケ後や、飲み会後に声がガラガラ。次の日も声が出にくくなってる・・・といった状況は多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか?

画像3

好みや反感といった感情に対して、声は言葉の5倍以上重要なコトなのですから、声のダメージを放っておくことはデメリットしかありません。逆に、声のダメージを誰よりも早く回復できれば、印象を悪くするリスクを一気に減らすことができます。

特に女性は、男性に比べて声の問題が出やすいことがわかっています。咽頭の構造が男性よりも弱いことがその原因です。声を使う女性は特に必見の内容ですよ!


声の専門家にも推奨できる!

テクニック1:とにかく潤せ!ハイドレーション法

画像4

ハイドレーション法とは、”水分摂取””加湿”の2つから成り立つ方法です。

110人の声を使う仕事に携わるヒトに協力してもらった実験では、水分補給を行うことで73%も発声データが改善することが示されています。
カラオケ歌手を使った実験では、こまめな水分摂取によりボーカルの疲労が軽減することが示されています。
加湿を行うことで水分補給との相乗効果があることを示しているデータもあります。

水分不足は、枯れた声になる確率を1.7倍に引き上げます。たかが水と舐めていると足元をすくわれますよ!

水分を摂ることで声がカイゼンする理由は、気道の粘膜乾燥を改善することで、声帯の粘性が変化し、より振動しやすくすることです。これらの相乗効果により声を出す抵抗が少なくなり、声が出しやすくなります。

水分補給なんて誰でもやってるわ!と思うかもしれませんが、研究チームが推奨する水分摂取量は1日あたり8~10杯です。意外と足りない人が多いのではないでしょうか?

乾燥するこの季節は、まず部屋の加湿。そして、たくさんの水分摂取が必要です。水分摂取で気道の粘膜に潤いを上げることは、感染予防にもなりますから、ぜひぜひチャレンジを!


テクニック2:いきなり声を使い始めるな!ウォームアップ法

筋肉がこわばったまま運動させると、損傷の可能性が高まり、ケガや障害を引き起こしてしまいます。運動の前にウォームアップする事で、ケガや障害のリスクを減らすことができます。

声のウォームアップってなに・・・?という人のために動画を用意しておきました!この方法なら短い時間で、お手軽にウォームアップして、声を最高の状態に持っていくことができます。

*注意点:ウォームアップは本番の15分以内にやらないと効果がないということ!ウォームアップを行う際は、時間に注意しましょう!


テクニック3:習慣を見直そう!グッドハビット法


2010年に行われた研究によると、

睡眠時間が6時間以下の場合、

『声枯れが出てしまうリスクは1.7倍に爆増する』

ことが示されています。睡眠不足が体に悪いってことは誰でもわかることだと思いますが、声にまで悪影響を与えるというのは意外ではないでしょうか??

なかなか眠れない・・・というヒトは、まずこちらの方法から試してみてください。

ほかにも、喫煙で気道が3.3倍乾燥しやすくなるなど、日ごろの生活習慣は、確実に声に影響を及ぼすことが明らかになっています。


まとめ

アナタの声をカイゼンする3つのテクニックはいかがだったでしょうか?

声を使う仕事や、接客業の方のほかカラオケに行く機会がある人など、だれでもできる声のカイゼン法をまとめてみました。

女性ならメイクをしますし、みんな表情を作って生きています。服装にも気を使って、たくさんの言葉を勉強して知っています。

でも、”声”についてちゃんと勉強している人は意外と少ないですよね?

あの人に”良い印象”を与えるために、ほかの人とはちょっと違った視点から印象づくりをしてみてはいかがでしょうか??

きっと、差がつきますよ ♪



-----  おしまい -----

このnoteは、世界中の論文を読み漁ることが趣味の私が、普段の生活や健康、美容などについて、根拠に基づいた意思決定をするための知識を提供していくnoteです。

それ、もう根拠あるよ?

ということで無駄に悩む必要はありません。

アナタの時間を、もっと楽しいことや自分の興味のあることに使うための情報を集めて書いていきます!

【ツイッターについて】

ツイッター(https://twitter.com/hagakun_yakuzai)にて投稿の更新情報などを発信しています。フォローしておけば、僕の記事を逃さず読む事ができます。

連絡・相談等もツイッターまでお願いします。

【サポート・スキ・フォロー・コメントについて】

全部、大募集してます!僕のnote続けるモチベーションはこの4つだけ!

♡をタップすると今日の運勢が占えるようになってます!

帰りがてら押して行ってもらえると嬉しいです。


引用

Hunter, Eric J., Kristine Tanner, and Marshall E. Smith. "Gender differences affecting vocal health of women in vocally demanding careers." Logopedics Phoniatrics Vocology 36.3 (2011): 128-136.

Yiu, Edwin M-L., and Rainy MM Chan. "Effect of hydration and vocal rest on the vocal fatigue in amateur karaoke singers." Journal of Voice 17.2 (2003): 216-227.

Verdolini-Marston K, Titze IR, Drucker FG. Changes in phonation threshold pressure with induced conditions of hydration. J Voice 1990; 4:142–151.

Behlau, Mara, and Gisele Oliveira. "Vocal hygiene for the voice professional." Current Opinion in Otolaryngology & Head and Neck Surgery 17.3 (2009): 149-154.

Ferreira, Leslie Piccolotto, et al. "Influence of abusive vocal habits, hydration, mastication, and sleep in the occurrence of vocal symptoms in teachers." Journal of Voice 24.1 (2010): 86-92.

私の記事は、ほとんどが無料です。 それは、情報を皆さんに正しく、広く知っていただくため。 質の高い情報発信を続けていけるよう、 サポートで応援をお願いします。