_必見_新型コロナウイルス対策_私たちにできることとは_正しい予防法をスタンダードプリコーションから考える___1_

【必見】新型コロナウイルス対策。私たちにできる予防策は?正しい予防法をスタンダードプリコーションから考える。

ハイライト
・風邪の35%を占めるコロナウイルスの亜種
・すべての患者・医療従事者すべてに適応する感染予防策:スタンダードプリコーション
・手洗いの最適タイミング、スマホ・タオルを介した感染予防法について

画像1

脅威を増す新型コロナウイルス📡

新型コロナウイルスについてのニュースが連日報道されています。中国当局も「状況は深刻で複雑だ」と発表するなど、かなり恐怖感をあおる報道が続けられています。

十分に研究が進んでいないウイルスが世界で同時に広がることは、”未知との戦い”となることを意味するため、非常に危険度の高い状況であることは事実です。

しかし、先人たちが残した知恵と研究者たちの努力は素晴らしい。わかっていることもありますし、有効だと考えられる対応策もしっかりあります。どうやら、新型コロナウイルスに有効な薬も存在しているようです。


そんな状況下で私たちにできることは、

「正しい知識を知る」

「対策を実行する」

たったこれだけ。至ってシンプルです。


過度に不安や恐れに悩む必要はありません。アナタは今すぐ知識を身に着け、行動することができます。この記事を読むのに必要なコストは、カップラーメンを作るよりも短い時間です。しっかり対策して、健康を守りましょう!


そもそも、コロナウイルスとは?👾

画像2

コロナウイルスって難しい名前がついていると、すんごく恐ろしいウイルスだと思えてしまいます。しかし、コロナウイルスは流行期の風邪の35%を占めるほど、自然界にたくさんいるウイルスです。

ちょうどこの時期の3人に1人以上がコロナウイルスに感染し、風邪症状を発症しているというワケ。アナタも従来のコロナウイルスにかかったことはあるかもしれませんよ。

ただし、従来のコロナウイルスとは違うコロナウイルスが流行したことがあります。SARSMERSです。

SARSの致死率は9.6%、MERSの致死率は34.4%。これらのウイルスは致死性が非常に高く危険なウイルスです。今回の新型コロナウイルスの致死率は3%ほどと考えられているので、SARSやMERSほどの致死性は持たないようですが、感染予防は必須であることは間違いありません。

とはいえ、今は情報社会ですから他国の感染症の情報も各国共有しながら、連携して対応を進めてくれています。WHOの報告によると、SARSに感染した人は8,069人、MERSに感染した人は2,494人に抑えることができました。つまり、素早い情報共有と適切な対策によって、致死率の高いウイルスだとしても、被害は最小限に抑えられているのです。

私たちは、頑張って予防をする必要はあります。しかし、過度におびえる必要はありません。各国、必要な努力をしてくれています。

基本的なウイルス学的特徴は風邪の原因ウイルスと同じですから、予防策は普通のことを普通にすることが重要なのです。

まとめると、
・コロナウイルスはありふれた風邪の原因ウイルス
・新型はSARSやMERSのような危険種の可能性アリ
・各国の対応により、今のところは大規模パンデミックを抑えられている
・対策は、普通の風邪と同じものでOK
・医療業界でも行われるスタンダードプリコーションをシェアします

今回は、普通の予防策として最も重要な”スタンダードプリコーション”を中心に紹介していきます。


医療業界では常識。

スタンダードプリコーションを学ぼう🛡️

それは、誰でもできるカンタンな方法。

画像3

スタンダードプリコーション:標準予防策とは

感染症の有無にかかわらず、患者・医療従事者すべてに適応する感染予防策のこと。手洗いの他、手袋、マスク、ガウン、器具に及ぶ様々な項目に基準が設けられています。

定義の通り、スタンダードプリコーションは医療従事者だけでなく”患者”も積極的に利用すべき感染予防策として知られています。

新型コロナウイルスを始めとして、感染症には潜伏期間があります。発症するまで誰が原因ウイルスを保有しているか、本人も分からないのです。

スタンダードプリコーションは、どんな細菌やウイルスに対しても一定の効果を発揮する予防策です。いつ、新型コロナウイルスが爆発的に感染者を増やすかわからない。そんな状態でもスタンダードプリコーションを実施しておけば、感染症の広がりをガッツリと抑えることができます。


理屈は分かった。だけど、何をすればいい?🙏

スタンダードプリコーションにはマスクやゴーグル、フェイスシールドなどの防護具などについても設定されていますが、最も重要なのは”手指衛生”。つまり、「手洗い」です。


手洗いの注意ポイント☝️

手洗いについて、東京都感染症情報センターが推奨している動画。ガチャピン・ムックと侮ることなかれ、ちゃんとポイントを抑えた手洗い法です。小さなお子さんがいる方も、これを基準に見ておくと良いでしょう。

画像4

Ataee (2017)より引用(*1

手の洗い残しが起こりやすい場所はこの写真の通り。赤色が一番洗い残しが多い場所を指し、紫色がその次に洗い残しが起こりやすい場所です。

・爪付近
・指先
・親指
・指の間
・手の裏側の小指

これらの場所は洗い残しが多い場所です。

親指や小指に関しては、ちゃんと手で包み込むようにして洗わないと汚れや細菌をしっかり落とすことができません。注意ポイントです!

画像5

Ataee (2017)より引用(*1

さらに、青の矢印で示したように、石鹸の泡が洗い残しが多い場所にはしっかり触れていないことが分かります。指先は意外なほど洗えていません。写真で見ると一目瞭然ですね。


手洗いでなくアルコール消毒を検討している方もいると思います。確かにアルコール消毒は有効ですが、手の汚れに潜むばい菌やウイルスに対しては効果が薄いのです。さらに、アルコールに対して耐性をもつウイルスなども存在します。

したがって、アルコール消毒のみにするのは危険です。もちろん、急いでいるときや、手が汚れていないときなどはアルコールの方が便利な状況もあります。どれか1つの方法に依存しすぎないよう注意しましょう。


いつ手洗いをすればいい?

画像6

手洗いはとにかく頻繁にすればいいというものではありません。

手の洗いすぎは手荒れを引き起こします。手荒れは皮膚のバリア機能にダメージを与えていることにほかなりません。バリア機能にダメージを受けてしまったら、感染の可能性は逆に高まります。

したがって、”適切なタイミング”に手洗いをすることが重要です。

私たちが手洗いをするタイミングは大きく5つに分けられます

1 : 子どもや他人に接触する前
2 : 誰かと接触した後
3 : 糞尿や嘔吐物、鼻水のついたティッシュなどにさわった後
4 : 患者のいたベッドや布団に触った後
5 : 公共交通機関で誰かが触った場所に触れた後

1だけは、相手に病原体を移さないようにする対策です。

自分を介して誰かに移った病原体が、自分の大切なヒトを苦しめる可能性は十分にあります。他人のことかと思わぬことなかれ。しっかり予防していきましょう。


見逃しがちなポイントって?👀

画像7

手をしっかりと”清潔なもの”で拭くことが重要です。

『濡れた手の細菌の量は、乾いた状態の10倍』だと2017年の研究(*2)でも示されています。新型コロナウイルスは細菌でなくウイルスですから、この研究が適応できるかはわかりません。しかし結局のところ、新型コロナウイルスだろうが風邪だろうが、インフルエンザだろうが、かかっても何一つメリットはありません。しっかり手を乾かしましょう。

ここで、気を付けるポイント。

「使いまわしのタオルは使わないように」しましょう。

タオル上で病原体が異常に繁殖している可能性が高いです。

オススメは使い捨て出来るペーパータオル。これなら使い捨て出来ますし、大して高いものでもありません。かつ最も清潔に使えるでしょう。洗う手間も省けます(笑)

タオルを媒介にして家族全滅というのは悲惨すぎます。

ゼッタイに対策をするべきポイントですよ。


もう一歩進んだ感染対策🧭

画像8

アナタが今持っているスマホ。特に公共交通機関の手すりやつり革に触った時のスマホは特に感染源となりやすい状態です。

しかし、スマホを普通のアルコールや有機溶媒で消毒すると、思わぬ故障の原因になる可能性があるので避けるべきです。画面に傷をつける原因にもなります。

したがって、UVランプによる殺菌は推奨できる方法です。

汚れがついていると効果が落ちるので、布で拭いたあとUVランプを使うことで、効率的に殺菌できます。


新型コロナウイルスに効く薬はある?💊

日本でも承認されているカレトラ配合錠という薬が新型コロナウイルスに有効だったという報告があります。

カレトラ配合錠はもともとHIV感染症に対する治療薬として承認されました。HIVも新型コロナウイルスと同じウイルス。ほかにも、ヒトパピローマウイルス(HPV)にも有効だとされています。

ウイルスの増殖を防ぐカトレラ配合錠は新型コロナウイルスを打ち負かすのに理論的にはポジティブな証拠がいくつかありますが、まだ大規模に使用できるようなデータは揃っていません。今回の報告も、北京大学の局長が自分で使って治ったと報告しているだけです。

したがって、カレトラ配合錠は新型コロナウイルスに対して有効な可能性はありますが、まだまだデータ不足

依然として感染予防策がもっとも重視されるべき方法であることに変わりありません。


どんなに万能の抗生物質も、
どんなに最強の咳止めも、
どんなに最強の解熱剤も、
予防できたら必要ありません。

手洗いのコストなんてたかが知れてます。抗生物質1錠飲むよりよっぽどコストは低いんです。やるべきことは...


まとめ🔎

今回はスタンダードプリコーションの中でも特に重要かつ、私たち誰もが行うべき”手洗い”にフォーカスして情報をシェアしてみました。

新型コロナウイルスは確かに怖い病気ですが、過度に恐れる必要はありません。まずは手洗いを適切なタイミングで実施し、感染源をシャットアウトすることができれば、感染リスクを劇的に減らすことができます。

今回の予防策は、新型コロナウイルスのみならず、インフルエンザや普通の風邪、肺炎などあらゆる感染症に対して有効な方法です。日常的に実施してもメリットしかありません。

ぜひ実施して、アナタと家族の健康を守りましょう!




引用

1.Ataee, Ramezan Ali, et al. "Bacteriological aspects of hand washing: A key for health promotion and infections control." International journal of preventive medicine 8 (2017).

2.Ataee, Ramezan Ali, et al. "Bacteriological aspects of hand washing: A key for health promotion and infections control." International journal of preventive medicine 8 (2017).

3.Loveday, Heather P., et al. "epic3: national evidence-based guidelines for preventing healthcare-associated infections in NHS hospitals in England." Journal of Hospital Infection 86 (2014): S1-S70.

4.Sax, Hugo, et al. "‘My five moments for hand hygiene’: a user-centred design approach to understand, train, monitor and report hand hygiene." Journal of Hospital Infection 67.1 (2007): 9-21.



私の記事は、ほとんどが無料です。 それは、情報を皆さんに正しく、広く知っていただくため。 質の高い情報発信を続けていけるよう、 サポートで応援をお願いします。