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敗金主義者の発見 〜考察〜

 一富士ニ鷹三茄子、初夢を見てもお金が入るわけではない。しかし、それがお金と関係していないとも言いがたいのが今回の話である。
 さて、砂糖の島にいる夢を見たことは前回書いた通りだが(これを初めて見た方は前回の話を見ていただきたい)、今回はその考察をしていきたいという試みである。砂糖の島には砂糖の雨が降り、そこの住人の生命を支えているという世界観なのであるが、これはおよそマネーの世界であろう。
 砂糖=マネーと考えたとして、世界にマネーが溢れていくならば島自体は大きくなり多くの人の命を支えることが出来るが、少なくなれば外縁部の弱いもの達から溶けてその世界にいられら無くなってしまう。それは恒常的なものであって、常に変動する心休まらない世界。これは二つが類似している。

そして、砂糖の量が過剰に、そうバランスを大きく失い天文学的に増えていくとするのであれば、自重で島全体が海に沈んでしまう。もしそうなるのであれば、それはまさしく「ハイパーインフレーション」であろう。
 

逆に、砂糖の量が減り続けていく現象は「デフレーション」と言える。
これはまさしくマネーの世界の話なのだ。

 さて、この砂糖世界で考えるとデフレとインフレの違いがなんとなく容易に理解できるのではないだろうか?デフレはじわじわと弱いものから締め出されていく「弱肉強食」の世界であって、砂糖の供給量が減り、砂糖が外縁部まで行き届かないとそこの人たちは世界にいられなくなる状態であり、いつ何時争いが起きても不思議ではない状態とも言える。あるものとないものの違いが明確になる世界とも言えるだろう。ちなみに「不況」というのは基本デフレ時を表す。

 では、インフレはといえば、砂糖の量が増していくわけだからその世界にいることが出来る人が増えることを意味している。人が栄養をとって活動してもなお余る砂糖は国土となって住める土地を増加させていくわけだ。これは余剰(貯金)が生み出す生存域の増加と言えるだろう。余剰の土地が無ければ人も増えない。富の蓄積こそが人類の発展を促したという観点から見ればこれがいかに発展に対して重要であるか理解できるだろう。
 しかし、過剰な、度を越した、人が持て余すようなアンバランスさで砂糖が供給されるのであれば、当然世界の破滅をもたらすのである。人はぶくぶく太って重みを増すし、重力は島自体の重さを支えきれなくなる。そうなればアトランティス!沈むほかはないのである。ハイパーインフレーションで生み出されたマネーは海に溶けてしまった砂糖ほどの価値というわけだ。海の藻屑ということで、住民全体に被害が及ぶその様相もマネーと類似しているだろう。
 

要するに、砂糖世界においてもマネー世界においても、マイルドなインフレこそ望んでも、アンバランスなインフレは全体の害悪になるということがイメージできるのではないだろうか?間違ってもデフレ状態は望まないはずだ。
 さて、これは難しいことだろうか?直感でも理解できないだろうか? 

 しかし、ここまで書いてまだ「敗金主義者の発見」ではないのである。今回は世界観の説明であって、発見自体ではない。次回はその発見自体を書いていこうと思う。その発見の結論のヒントは砂糖の島の住民の最後のセリフにあると言っておこう。
 それではまた!

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