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敗金主義者の発見

 お金がない。お金がなくて苦しい。年を明けてもこの現実は変わらない。だから、儲け話や明るい話をするにはホラを吹かなくてはならない。これから書かれる話はその類の話だと受け取ってもらえたら幸いである。

 まず、初夢を見た。その初夢の内容を鮮明に覚えている。私は砂糖の島にいて、空には砂糖の雲があり、時折その雲から砂糖の雨がふった。青い海に砂糖の島は浮かんでいるのだが砂糖の雲(そう、綿菓子のような)から砂糖の雨が降らなければ端から溶けてしまい、砂糖の島は小さくなっていく。反対に砂糖の雨がたくさん降れば砂糖の島は大きくなっていった。私の他にも人がたくさんいて砂糖によって生かされているようだし、私たちは海に落ちれば溶けて無くなってしまうようだった。彼らは常に砂糖の雨が降るのを祈り続けていた。彼らにもヒエラルキーがあるようで力のあるものは島の中心に、弱いものは島の外側に住んでいる。当然、雨が降らなくなれば弱いものから溶けてなくなる。私は弱いものに声をかけてみた。皆で声をあげて島の中心に住めるようにしてみたらどうだろうと。すると弱いものはこう返してきた。

「中心にいるものが言うんでさぁ。雨は島の真ん中に多く降るから、ふり続ければ自ずと島の端まで砂糖が行き渡る。何も心配するなと」

 私は島の中心の方に目を向けた。確かに高い山が見えるが、そこではせっせと
溢れゆく砂糖をブルドーザーで戻していく白い服を着た働き者達の姿が見えた。私は弱いもの達にかけたように白い服の彼らに声をかけてみた。

「島の周りにいるような奴は頭が弱いのさ。よく働けばたくさんの砂糖を山の上の連中がくれるんだから。そうすれば生活は安定するって方式さ。1日15時間も働けば安心して暮らしていける」

山の上には高すぎて登っていけなかった。私は彼らの最後の言葉が少し気になりながら目が覚めた。

「それに、これは人の力ではどうにもできないんでさぁ。」
「これは人智を超えた法則なんだ」

 さて、皆さんはどう考えるだろうか?
 次回は私の考察を書いて行こうと思う。今回はここまで。


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