ぼくらのまちのみずのいろ

 

丸くなったおなかの中で
ちゃぷちゃぷと色水はゆれる
ちいさな水上都市が
ふたをするようにざわめくから
その水の色をおもう
ひとびとの感情を拾って
満ちるたびに変わるだろう
その水の色をおもう
きみと向き合っておなかをあけて
みせあいっこしたかった
そうしてぼくの淡さを
知っていてほしかった
ミネラルウォーターのあぶくより
ずっとずっと濁っていて
ずっとずっと光っている
ぼくのおなかの中のまちへ
遊びにきてほしかった
きみのおなかの中のまちを
ぼくにだけ見せてほしかった
おなかの中のまちのひとと
みんなでおどってしまいたかった
吟遊詩人にまんなかで
それを恋だとうたわれたかった
抽象画家に公園で
それを恋だと描かれたかった
互いの水をグラスに注いで
そのうちみんな飲み干したかった









生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。