プロセスをコンテンツにするならどんな可能性があるか考えてみた
00:00 Studio(フォーゼロスタジオ)という作業中の様子をただ配信できるというサービスがあります。
配信ってやったことなかったんですが(めんどくさそうで)、いつもやってる作業をただ配信するだけでいいっていう楽さがとても気に入って、最近ではほぼ毎日使っています。
これによって何かいいことがすぐ起きるかは分からないのですが、いつもやってる作業に手間を増やすことなく、可能性がちょっと増える気がしてとても好きです。
できあがったモノにお金を払うというのをアウトプットエコノミーとすると、メイキングに課金してもらうプロセスエコノミーというのがあるんじゃないかという話がありました。
00:00 Studio(フォーゼロスタジオ)は、まさに作業してる様子を見せて差し入れ(投げ銭)をもらおうっていう感じのサービスです。でも、基本的には作業してるだけなので、プロや有名人とかのプロセスでない限り、ふつうの人が何かやってる作業ってそこまで見てておもしろいものなのだろうかっていう気もするんですね。
作業配信するっていうのは、差し入れをもらう以外に、自分がやりたいことを習慣化させるためだったり、一人で作業してるのが寂しいっていう孤独の解消だったりっていう意味合いもあるので、必ずしもおもしろく発信する必要はなくて、使う人の目的に合わせて使い分ければいいと思うのですが。。
今回は無名の人の作業プロセスを、もっとコンテンツとしておもしろくできないかなっていうのを考えてみました!
無名で初級クラス
はじめたての人のプロセスをコンテンツ化(=他者が見てもおもしろいなって感じさせる)するとしたら、「成長率を見せる」かなぁと思っています。
Facebookでたまに「4年前の投稿」とか出てきて懐かしくなることがありますが、あれに近いイメージです。
みじんこは2020年に初めてマンガ描きソフトClipstudio(クリスタ)を使い始めたのですが、最初はこんななんですね。2020年7月頃です。
マンガを描いてるんですが、最初はページで描くやり方がわからなかったので、画像1枚を1コマにして、たくさん画像つくってたんです。
8月頃はこんな感じに。色を入れたり、コマ割りをしたりのやり方が分かるようになってきました。
作画が安定してきて、2020年10月末くらいからこんな感じです。クオリティの高いマンガが描けることは目指してなくて、ネームが早くおもしろく描けることを目指しているので、なるべく絵の工数かけずに話をたくさんつくるっていうのを考えています。
こうして振り返ってみると、初めてやることって全然できない分、できるようになる変化がとても大きいんですよね。
有名なマンガ家さんでも、連載が進むにつれて、作画がうまくなってるのってあると思うんですが、超初心者だとその振れ幅が大きいと思いませんか。
バガボンドくらいになると、1巻から最新刊までほとんど作画に差がないんじゃないかなーと(少なくとも素人目には分からない)。
はじめてやる〇〇作業Day1、Day2と記録をアルバムで見せられるようになってたら、他の人からも頑張ってることや成長過程が見えて、おもしろいんじゃないかなって考えました。
最新の状態だけを見るとスキルはそれほど向上してないんだけど、成長率を見るとすごいなって感じるというか。クオリティを点ではなくて、変化率で見る、みたいな感じです。
あとたぶん、この振り返りアルバムがあると、自分でも「こんなにできるようになったのか!」っていうのが分かりやすいので、継続する力になるんじゃないかなって思います。
中堅クラス
ある程度の段階でスキルが安定して、変化率が下がってきた段階を中堅とします。練習のための習慣化ができるようになってきて、アウトプットコンテンツでお金をとれるようになりたいって考えてるレベルです。
この段階の場合、
1)近いうちに出すアウトプットの宣伝としてプロセスを使う
2)プロセスの背景となる思考に課金してもらう
あたりなのかなぁと思うのですが、
1はプロセスでの課金を目指すというより、これからリリースするコンテンツのウラ話や苦労、メイキングをたくさん見せて、リリースした時になるべく多くの人に買ってもらえるようにするっていう感じです。
完成したらコンペに出します!みたいに、最初から目的を言って制作していると、コンペに受かっても落ちても、プロセスがコンテンツとして楽しめるものになりやすいんじゃないかなって思っています。受かったらスゲー!ってなるし、落ちてもがんばれ!って言いたくなりますよね。
2は、たとえば物語をより魅力的にするために「キャラクターの表情を練習している」とか、「独特のセリフを創れるように頑張ってる」とか、作品のクオリティーをあげるために意識している点を思考開示するイメージです。
もくもく作業って、周りから作業者の思考が見られないので、どうがんばってるのかが分かりにくいんですよね。でも、クオリティを上げるためにどうしているのかっていうのをコメント欄とかでメモしながら作業してくれると、周りから見て「どうやってクオリティを上げようとしてるのか」っていうのがすごく分かりやすくなります。
同時に、こうして「自分の課題」を言語化することで、何も意識していないよりもアウトプットの質が上がりやすい気がするんですね。
前にプロバスケ選手が言ってたのですが、同じ練習でも「この練習はこの筋肉を鍛えてこういう動きをスムーズにできるようにやってる」みたいに意識するかどうかで、全然効果が変わるそうなんです。
ただたくさん描くぞ!っていうよりも、自分なりの配色やニュアンスがつくれるように研究しようとか、とにかく笑える話をつくろうとか、事前に意識するだけで、自分の成長率が上がるんじゃないかという予測です。
エコノミー的には、プロセスエコノミーだけでなく、アウトプットでも収入が得られるようにする準備段階な感じ。
有名・上級クラス
すでに成果物でお金をもらえ、生活できるようになってるレベルを上級クラスとします。
このクラスになると、正直プロセスは、なんであっても魅力になっちゃうんじゃないかなぁって思うのですが。。
他の人からすると
・有名人と話せる
・プロの作業プロセスを見て学べる
みたいな喜びがありそうです。
さらに追加するとしたら、「後進指導」なんじゃないかなって思ったんです。
この前、マンガサイト「アル」のライターのちゃんめいさんが、ライティングのポイントを解説しながら執筆してたんですね。ちゃんめいさんはアルのライターの中でも、ぶっちぎりの企画力と筆力の持ち主なので、ライティングのコツをライブで教えてくれるってすごくありがたいんです。
記事を執筆しながら配信しているので、「こういう時どうするんですか」「この構成はどう考えてるんですか」みたいなのをリアルタイムで質問できますよね。答える義務が配信者にあるわけじゃないんですが、リアルタイムでプロに聞けるっていうのは、これからその職業に就きたい人にとっては、とてもありがたいはず。
後進を育てる意識をもつと、業界の成長にちょっぴり貢献できるかもなので、自分の職業寿命が延びるかもしれません。(わからない)
創る人が増えれば創る人が守られる
noteや00:00 Studio(フォーゼロスタジオ)のようなクリエイター向けのサービスが私はとても好きなのですが、創る人が増えるっていうのは、同時に創り手を守ることにもなると思っているからです。
私はアートや小説、マンガを創りますが、同時にそれらに圧倒的に課金しているんですね。アートへの課金額は数百万単位ですし、小説やマンガにもお金だけでなく時間もかけています。
ほかの創り手も同じだと思うんですが、創る人って同時に消費者なんですよね。自分でそのコンテンツの魅力を知っているから消費もするし、自分でもやりたいって思うんじゃないでしょうか。
創る人が増えることは同時に消費者も増やす、創ることで食べられる人が増えるほど、ほかの創り手にもお金がまわるんじゃないかと思っています。
noteや00:00 Studio(フォーゼロスタジオ)の運営のみなさん、がんばってください!
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