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アルライター向けヒアリング会を前にクリエイティブについて考える

マンガ情報サイト「アル」のライターさん向けのヒアリング会が開催中です。

すでに終えられた方も何名かいて、私はちょっと遅めなのですが、2021/5/13に00:00 Studioという作業配信サービスを使ってコラボ公開ヒアリング会していただくことになりました。

アルというのはマンガ情報がいろいろまとまっているサービスで、ライターは現在、3か月に一度の応募になっています。次は6月締めの7月採用ですね。

「みじんこ」は一期からの採用で細々活動しておりまして、初月は20本、それ以降は毎月10本をずっと書き続けています。なんとなくライターみたいなことは、これまでにもやってたことはあったんですが、どれもニュース記事系で、自分の主観を交えて伝えることがなかったので、マンガのレビューを書くというのは、自分自身を掘り下げる・対象をよく見るという点でもとても勉強になっています。

あと、やっぱり「編集者」がいる場所で書けるっていうのが、ライティングを学ぶ上ではとても重要だなっていうのはアルのライターになってから感じたことです。編集者がいると、成長率がぜんぜん違うと思うんですね。

ライティングのコツとか大量にあるんですが、全部はとても覚えきれないので、自分は編集長がおっしゃっていた「記事を通じて読者に気づきを与える」っていう言葉だけを毎回書き始める前に唱えています。

記事を通じて1つだけでも「へー、こんな着眼点あるんだ」「こんなことあったんだ」みたいなのを感じてもらえるものが書けてるかどうか、ですね。シンプルで覚えやすいですし、なんかの記事を書きたい人はこの言葉を覚えておくといいかもしれません。こういう基準があると、自分の言いたいことだけを書く独りよがりに陥らなくていいかもしれないです。

ライター向けには他に、けんすうさんのTwitterの使い方勉強会(アーカイブが残ってるので採用されたらいつでも見られる)やライター自身が主催する勉強会、あと編集の方がやってくださってる勉強会などがあります。書くことをもっと武器にしたいという方はぜひ応募してみると、記事を書く以上の学びが得られるかもしれません。

1)アルライターに応募した理由
2)アルに期待していること
3)自分がどうなりたいか

すでにヒアリングを終えた方が教えてくださったことによると、上記の内容についてヒアリングが行われるようです。

自分のための事前準備として「自分がどうなりたいか」と「アルに期待していること」の重なり合わせについて考えてみたいと思います。

自分がどうなりたいかというと、「社会を治療して社会から癒される関係をつくる」っていうのを創作を通じてやりたいなと思っています。この中には生命の再定義や、治療としての移動(環境と自分とのマッチング)、治療としての文化、治療としての創作なんかがあって、それぞれのことを考えています。

一番期待していることは何かというと、00:00 Studioがんばってほしい、ですかね。メディアのほうのアルでのライター活動としては、たぶんライターとして活動していることによって得られたメリットはとても多くて、自分はかなりメリット回収してるんじゃないかなぁと思っています。

その上で一番頑張って欲しいのが00:00 Studioなのは、自分が00:00 Studioのターゲットユーザーに収まるからです。「クリエイティブを加速させる」っていう目標があって、そのターゲットがクリエイティブ活動全般に従事する人だとすると、アートをやってる自分もターゲットなんです。

00:00 Studioがサービスとしてがんばってくれて、それを使ってる自分も恩恵に預かれるととてもいいなと思っています。一番お願いしたいことは「やめないでほしい」ですかね。

自分はアート以外にもいろんなクリエイティブ活動をしてたことがあって、Flashゲームやアニメもつくってたし、それに合わせてキャラクターも描くし、絵本にもチャレンジして小説も書いていました。ほぼアートしか残っていないのは、その中でアートが少しでも可能性がありそうだったからです。

ただ、時代が変わり、いろんな技術やサービスが出てきて、すでに諦めちゃったことでも、やり方を変えれば可能性あるのかもしれない、なんて思い始めています。

たとえば昔、マンガ原作なんてほとんどなかったように思うのです。でも今は、人気マンガからのスピンオフなんかも出てきているし、ネットで知られて出版につながるケースみたいなのもすごく増えてきました。

そもそも、出版できなくてもお金を稼げてなくても、創作しながら生活できればいいと考えると、いろんな可能性があるなと思ったんです。

たとえば私が大量に参加しつづけていた海外のアーティスト・イン・レジデンスというプログラム。もともと家賃0円のクリエイターズシェアハウスというプロジェクトに受かってそこに住んでいたんですが、プロジェクトがクローズしてしまうことになり、苦肉の策で始めたという事情もありました。

アートをやっていきたいけど、アートだけでアトリエ代などを払うのが厳しい。でも、レジデンスに受かれば、住まいとアトリエを無料提供されますし(※条件によります)、展覧会の機会が提供されたり、自分の希望するジャンルに対するスタディプログラムなんかも用意されていたりします。

つまり、アートでお金は稼げてないけど、創作を通じて住まいと創作環境とキャリアが稼げるのがレジデンスプログラムなんですね。空港まで送迎してくれるところもありますし、画材代が出るとこもあったので、同じことを自分でお金を出してやるよりも、よっぽど楽にやれちゃうのです。(海外で長期滞在先を探すのはそこそこ面倒ですよね)

創作活動をつづけたいって思った時に、創作をつづけられる環境が稼げればいいので、それは必ずしもお金じゃなくてもいいんだなっていうのを実感したんです。

ただ、今はコロナの影響でレジデンス参加はかなり厳しくなりました。でもその分、オンラインの活動が活発になったりNFTが流行り始めたりしています。国内でも芸術活動への助成金が多く支払われるようになってきました。

その時に大事なのは、自分が創作活動をつづけるために何が必要かを考えること(=お金を稼ぐ以外の方法に目を向ける)、必要な情報が入りやすい環境に身を置く、タイミングを合わせる、かなぁと思っています。

なので、この辺りのフォローをプラットフォームがしてくれるととても助かるなぁと思っています。noteを含め、最近の自分はコミチというマンガ投稿サイト、ジャンプルーキー、LINEマンガなど、ちょっぴりですがインディーズ創作系を応援するプラットフォームを使い始めました。

新しいプラットフォームを使い始めるにあたり、インディーズレベルの自分が一番考えるのは「そのプラットフォームはコストかけてでも自分をサポートしてくれるか」です。インディーズを推すのって正直、めちゃくちゃ大変なので、そこそこ体力があるところでないとやれないんですよね。時間をかけて投稿してたのに、プラットフォームがなくなりましたって言われると、かけた時間が損失になってしまいます。noteが明日クローズするとか言われてしまうと、ここまで毎日投稿しながらがんばってきたのがゼロになってしまう。いや、ゼロにはならないですが、他に移行したりの手間がかかってきますよね。それはちょっとしんどいじゃないですか。なので、やめないでがんばってっていうのは、創作をサポートするすべてのサービスに対して思います。あと、新人を推すのは大変だよと。

LINEマンガだったりジャンプルーキーだったりは、ブランドネームがすでに大きいので、出す人も多く、たぶん作品のクオリティーが作画も原作もかなり高い予感がしています。コミチはたぶん割と新しいプラットフォームな分、投稿ハードルが低い気がしますね。

コミチを始めて2週間経ってないんですがもうPVが1万に届きそうで、編集部のピックアップの威力をめちゃくちゃ感じています。

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noteもピックアップされるとPV爆上がりしませんか。編集部のピックアップって、サービスが向かいたい方向性を表しているような気がしているんですが、無名の人でもなんか響くことができたら光を当てますよっていう意志がピックアップから読み取れますよね。

このへん、サービスと自分との相性みたいなのもあると思うのです。たとえばLINEマンガは女性ユーザーが多いようなので、綺麗な絵で恋愛を縦スクロールマンガで描けると相性がいい気がしています。

自分がマンガを描く場合は、ネーム(原作)までしか描けないので、ネーム状態でも読んでくれる読者がいる場所かみたいなのも大きかったりします。

ちなみにコミチっていうサービスは知らなくてですね、00:00 Studioの配信者さんでマンガを描かれてる方が教えてくださいました。

00:00 Studioを通じてクリエイティブが加速するなら何があるかと考えると、「必要な情報が集まる」というのが一つありそうです。アートでもマンガでも、同じ創作系をやってる人だとかなりいい情報くれるんですね。同じことを目指している人同士の情報交換は、かなり有用だと思っています。何が必要だかお互い分かるからですね。

もう一つ、コミチはめちゃくちゃ「縦スクロール推奨」していますし、プラットフォームも縦スクロール「のみ」になっています。LINEマンガとかはマンガ賞で「縦スクロールのほうが賞金アップ」みたいなことをやりながら、縦スクロール推奨しています。

これはプラットフォームが世界のトレンドを読んでつくる人にそれを伝えてくれてるメッセージなんですね。個人で世界のトレンドを読むとか、ぶっちゃけ大変じゃないですか。でも、創作系のプラットフォームが、自分のところを使ってるユーザーさん向けに世界のトレンドを読んで、サービスの設計を通じてそれを教えてくれるのってとてもありがたいなって思うのです。

あともう一つ、クリエイティブ活動って、やり始めた初期段階からピックアップしてくれる人に見つかるかどうかっていうので、その後の活動の幅を大きく広げられると思っています。

その業界で信頼をすでに獲得してる人が紹介してくれるとか、なんかの機会をくれるとかがあると、その人の信頼を使って活動をめちゃくちゃブーストできるっていうのがあると思っています。自分がアートをやり続けられたのは、何もない段階で美術批評家の海上雅臣さんに会えたからです。でも当時の自分は作品のクオリティーがすごく高かったわけではなかったんです。

質が高くないと見つからないというわけではなく、見つかって活動が広がり、継続しているうちに質はちゃんと上がるっていう風に自分は考えています。なので、今日から始めるみたいな段階から、見つかる努力は同時にしたほうがいいかなと思っています。

もう一つ、応援してくれる人の力を適切に使えているかというのも、クリエイティブを加速する上でとても大事だなと思っています。

どんな状態の人でも、応援してくれる人の存在あるいは純粋に作品を好きでいてくれる人の存在って大事なんですが、応援したい!っていう熱量の高い人の熱が、応援される側の活動にうまくつながっていないことも多いのではと思うことがあります。

応援って普通は「要求」できないですよね。そして「拒否」もしづらい。だからこそ、ここに齟齬が生じてしまうことがあるんじゃないかと。応援します!っていう人から、「うーん、ちょっと違う形で応援してくれたほうがよかった、、」って思ったことってありませんか?

応援です!って言ってドングリをもらったり、どこかの民族の仮面をもらっても、ちょっと微妙ですよね。でも応援だと断れない。

応援したい側ができる応援って投げ銭やシェアすることだけじゃなく、スキルや情報提供とか、実はたくさんあるんですよね。100円もらうよりは、ちょっとこの辺りのコツを教えてとかのほうがありがたかったりしませんか。その「コツ」を知るための時間って100円じゃきかないですもん。

昔、海外でめちゃくちゃ応援してくれるおばあちゃんに会ったことがありました。英語の先生だったので、その後、英語で日常を綴ったすごく長いメールが届いてたんですが、自分にはそれがけっこう辛かったんです。英語の練習になるって言われればそうかもしれないですが、練習するならもっと別の方法もあります。

その時私がお願いしたのは、アートプログラムの応募資料の英語を添削してもらうことでした。時間もあって英語も堪能なおばあちゃんは、毎回めちゃくちゃ丁寧に直してくれました。最初の頃のプログラムに受かったのは、おばあちゃんのおかげかもしれません。

応援されたい側が「何を必要としてるか」を明確に出していれば、熱量高く応援したい人が手伝ってくれることのおかげで、クリエイティブが加速する可能性もあるんじゃないかなと思っています。

継続するという意味では、クリエイティブ活動を始めたばかりで、まずは習慣化したいみたいなところを目指している人や、話しながら仲間と楽しく勉強したい、みたいなクリエイターニーズに合わせた部屋とかがあってもいいのかもしれませんね。

他にたぶん、他の人のクリエイティブ活動に触れることで、自分のクリエイティブに役立つアイデアが思い浮かぶとかはあるかもしれません。

みじんこをガラスでつくるとか、そもそも思いつかなかったですからね^^

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クリエイティブ活動の加速を目指す00:00 Studioに期待したいことをまとめてみます。

00:00 Studioで実現して欲しいことがあるとしたら

・同ジャンルの人同士の情報交換
・ピックアップしてくれる人や仕事頼みたい側がクリエイターを探しやすい状況
・応援したい人と応援されたい人の応援方法のマッチング
・応援してるものが人気になった時に適切に応援した人も得する仕組み
・仲間探ししたい人部屋
(・世界のクリエイティブのトレンドを読んで設計から創作者に伝える)

それと、質問事項を1つだけメモしておきます。

けんすうさんに聞いてみたいこと
・クリエイティブ活動を加速させるって具体的にどういう状態をイメージしているのか
・作業配信する側のユーザーとして00:00 Studioを使う場合、どんな動きをすると得しやすいか
自分がやりたいこと
「社会治療(=みんなで社会を治療してみんなが社会から癒される関係をつくる)」っていうのを創作を通じて実現したい

最後の数行に再度目を通しながら、ヒアリング会に臨むぞ!たのしみ!

↓ 追記、クリエイティブ活動を加速させる以外に「阻む」ことを減らすっていうのも加速させることになりそうだなと思ったのでメモしておきました。


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