見出し画像

#週刊マンガ専科 作品からマンガのコマ割りについて研究する。

Twitter上で、マンガ専科というマンガの講座受講生の週刊連載が始まっています。「#週刊マンガ専科」というタグで検索するとたくさん出てくるので、よければのぞいてみてね!

他の方の作品を読んでいて、みじんこの圧倒的な弱点の一つとして「コマ割り」「構図」の手数の少なさがあるなぁと感じました。なので、今回は「#週刊マンガ専科」で投稿された作品の中でも、コマ割りがとても複雑な作品を選んで、コマ割りとコマ内の構図について勉強していきたいと思います。

特に会話劇の時に、人が向かい合ってるだけになりがちなので、どうやったら会話をおもしろくできるかなという秘訣を探しつつ見ていきたいと思います。

1)キャラの魅力と動きが無駄なく配置

これはちょっといきなりマネするのは無理だなぁと思うのがこちらの作品。吸血鬼の噛まれ痕や、グラスを飲む口元など、とても色っぽく描写されながらも、そこに目がいってしまう不思議。画面全体がリズミカルで読みやすく、全体を見せるような広角の描写もあるから、場の雰囲気も伝えやすい感じ。

いきなりこんなの描けないので、参考になりそうなところをピックアップして覚えていきます。

・グラスの向こうに顔という構図
女性が何かを飲んでいる口元とグラスの向こうに喋ってる人の顔があるっていう構図が、二人の位置関係も示しつつ、顔のアップも見せられてとてもいいなーと思いました。口元まで見せてることで、表情が分からないところも想像力をかきたてますね!

・会話シーンで近寄ってくる動物
会話シーンが続いていますが、二人ともずっと移動しているので、画面が単調になりません。あと、二人が座って会話を始めてる時に、動物が徐々に近寄ってきて、血を飲み始めるので、会話の内容の説明にもなりながら、動きも出しています。これ、血を飲まない猫が次々やってきて膝に乗りまくってきたりしたら、乗られた時の反応によってキャラクターの性質とかも見せられるし、おもしろい手法だなーって思いました。

2)見開きのインパクトもすごい複雑なコマ割り

同じく簡単には真似できない複雑なコマ割りです。この作品もいきなりここを目指すのは無理なので、すぐにできそうなテクニックを覚えるために書き出しておきます。

・モノローグに近い会話セリフを回想シーンの上に置くことで、画面が単調になることを防ぎ、同時にそのセリフの背景にさまざまな思いがあることを見せている。
・主人公が落下した時に、カラスがたくさん喋ってるんですが、セリフ量の多さの割に、短い時間で葛藤していることがちゃんと感じ取れる。放射線や、ギザギザふきだしにすることで、緊迫感がずっと表されているので、そのセリフが発している時間が短時間だったことが伝わる。
・弱腰だった、というセリフが後ろ向き(読者には背中が見える構図)→決意のシーンで正面向きにすることで、主人公の強い思いが表される。

3)1コマの中で時間経過を感じさせる。

なんですかね、みなさんコマ割りめちゃくちゃうまくてびっくりしますね、、こちらの作品は、コマの大小がはっきりあって、画面がほんとリズミカルなんですが、こんなに自由度の高い割り方は、めちゃくちゃ難しいです。自分で使うことがほとんどないんですが、斜めにコマカットしてるのとてもいいですね。

・斜めにコマをカットすることで、動きが出たり、見せたい要素の部分を広く取ることができる。
・第2話の1コマ目はキャラの距離感が分かる構図でかつ、上から文字を読んでいくと、メイドのセリフ→魔王が引き留める、の順で読むことになるので、時間経過と動きまで1コマで分かるようになってるのすごいね。

4)間を作ることで感情を想像させる

作家の作風がすごく強くあるなぁって思う作家さんなのですが、モノクロの中でも、花丸100点のところと、ラストのウンコもらした音のところだけ色付きで、そのギャップ感がすごいですよね。

・だから、慣れ合う暇はないのだ、の一行のセリフを2コマにわけることで、間が生まれ、「本当はさみしいのかな」という本人の感情を匂わせる技術がすごい。表情はそんなに強く寂しさとか出てないのに、なんか寂しさだけでない複雑な感情が匂ってくる。見事な「間」の使い方だなーと思いました。

5)モノローグは引きとアップでリズミカルに

一人がたりのモノローグが長い時、どうしても間がもたなくなってしまって、会話にしたり、そもそもモノローグ入れなかったりしがちなんですが、、

・前ページで構えの立ち絵→目線アップ(読者へのインパクト)+モノローグ→ちょっと引いてモノローグつづき、という感じで、引き→アップ→引き、と動きを出すことで、読者に飽きさせない。特に1~2ページ目は、引きから、ページをめくっていきなり目元のアップまで寄るので、読んでて「おっ!」っていうインパクトを強く感じる。同時に、インパクトの強さによって、キャラの心の声が強まって感じる。
キャラをアップにするっていうのは、キャラの声を強く届けるっていうことでもあるんだなーってこれを読んでて思ったよ。

以上でした!

作画をAI先生方にがんばっていただいている、みじんこの医療マンガの2話目はこちらです。

絵はともかく、もうちょっとコマ割りを工夫できるようになりたい。

ここまで読んでくださってありがとうございます! スキしたりフォローしたり、シェアしてくれることが、とてもとても励みになっています!