手塚治虫『どろろ』のアニメ分析~アニメ脚本のつくりかたを考えているよ。
手塚治虫先生の名作「どろろ」のアニメ1作目を分析してみましたよ。
演出が素晴らしく、アマゾンプライムで見られるので、ぜひ本編もどうぞ!
小説の書き方、マンガのネームの書き方、アニメの脚本、ドラマの脚本。「同じ書く」でもシナリオの書き方がぜんぜん違うと思うんですね。
アニメの脚本みたいなのを書けるかどうか、そこそこになるまで頑張れそうかを解析中です。
(自分用のメモなので、読んでもおもしろくないと思われます。これを読むより、もっと楽しい時間の使い方してくださいね!)
【シーン1】0:14
町の全体像(俯瞰)から屋敷→出産風景へ
・時代背景
・現在何が起こってるか
を伝える
【シーン2】0:53
主(らしき人)が寺へひとりで行く
不気味な寺(地獄堂)の中
寺の人からの説教、僧侶を殺害
・何かヤバイことが起こりそうな様子を伝える
★読者に緊迫感を与える
3:28
鬼神に願いを伝える
領主だということが明確に。
また、領内が危機にあることが伝えられる。
自分の願いと引き換えに、なんでも好きなものを取るがいいと鬼神に伝える。
・視聴者に世界観と状況がはっきりわかる
【シーン3】4:37
出産シーン
5:00
生まれた赤子が雷で襲われる
5:40
子どもの手足などが奪われていることが明らかに
★視聴者に衝撃を与える
5:57
妖怪がもっていったのは我が子なのだと気づく領主。
引き換えにされたということは、自分の望みが叶ったのだと確信する。
子どもを乳母に棄てに行かせる
観世音菩薩像が何かの身代わりで壊れたことが伝えられる。
(不気味+気になる)
【シーン4】7:30
再び寺へ。
【シーン5】7:44
オープニング曲
【シーン6】9:11
タイトルコール
乳母が子どもをボートに乗せて川に流す。
妖怪らしきものが狙っている。
☆気になるポイント
乳母が妖怪に襲われる。
琵琶法師登場、妖怪をあっという間に倒す。
☆何者だろうと気になる
【シーン7】11:30
琵琶法師のシーンからナレーションが入り、言葉にかぶってシーン切り替え。
川を流れていく子ども
【シーン8】11:51
16年後に。
ナレーションがつづいている。
戦乱の世で厳しくなっていることを示す。
12:05
謎の男が亡くなった人に義足をつけている。
目や鼻など、亡くなった人のパーツを補完しているよう。
【シーン9】12:47
謎の男(百鬼丸)登場。町へ向かって歩く。
【シーン10】12:59
町の様子。どろろが物を売っている。
13:28
巨漢の男が登場。どろろを探していたよう。
どろろの売ってる物は彼らから盗んだよう。
逃げるどろろ。対岸に百鬼丸。
子どもが転んで百鬼丸が助ける。
【シーン11】14:49
逃げ出すどろろに切り替え。
男たちに糞を投げる。
【シーン12】15:08
川で手を洗うどろろ。子犬を見かける。
子犬が男に狙われていじめられる。
16:08
子犬をかばって殴られるどろろ。
しかし反抗する。
ボロボロになっても誰の指図も受けないと戦うどろろ。
殺されそうになるどろろ。
(そこまで抵抗しなくてもいいところでは、という気がする)
人形みたいな顔の百鬼丸が橋の上に立っている。
★能面っぽい顔の百鬼丸は何者なんだろう?という疑問がわく。
18:13
川の中にいた妖怪に男が襲われる。
あっという間に飲み込まれる。
☆不気味な生き物に驚き
18:36
百鬼丸が両腕を取って戦う。
★腕の中に剣が仕込まれてるびっくり。
アクションシーンの動きがとてもかっこいい。
水面に映っている化物と百鬼丸をさかさに見ている視点もかっこいい。
20:10
百鬼丸が見えない聞こえないの状態のことがどろろの口から伝えられる。
(視聴者への状況説明)
20:24
百鬼丸が震えだす→顔の皮膚が生えてくる。
★不気味な動きが気になる。この子なんだろうっていう。
【シーン13】20:42
領主の醍醐がふたたび地獄堂へ。
鬼の像が1体破壊されている。
山が土砂崩れ。
【シーン14】21:24
シーンの切り替え方が土砂崩れから自然に切り替わる。
家に新しい子どもが生まれて育ったことが伝えられる。
母は捨てられた子のことを今も気にしている。
(能面の男が捨てられた子なのかなというのが視聴者に分かる)
【シーン15】21:51
戦乱のシーン。
謎の男が死体に仮面をつけて歩いている。
【シーン16】22:03
どろろと百鬼丸のシーンに。
背景が明るくなっている(感情のない百鬼丸の喜びが画面全体の色で表されてるみたい)
一言も話さない百鬼丸は顔の皮膚を無表情のまま確かめている。
【シーン17】22:25
エンディング曲
★が特に視聴者にとって衝撃のシーン、☆が次点。
※世界観をすぐに見せるために全体像からスタートすることが多いのかも。
俯瞰→室内が定番のよう。
※シーン切り替えや新しいシーンに行く場合は状況の俯瞰→近景が多い感じ。
作品全体の雰囲気、さらにキャラクターデザインがとても美しいです。キャラデザは『テガミバチ』の浅田弘幸先生ですね。
アニメ脚本で重要なポイント
<言葉を使う時に大事なこと>
セリフでキャラを立たせること(ビジュアルでも立たせるのだけど、どういう言葉遣いをするか、状況に対してどんな反応を示すかでキャラクターを立たせる)、見るだけでは分からない特殊な状況(どろろの場合は百鬼丸が妖怪を倒すと身体の一部が蘇るみたいな)を登場人物のセリフで分からせること。
<シーン構成のために大事なこと>
読者を置いてきぼりにせず、飽きさせないシーン構成をつくる。シーンとシーンの目的をつくり、全体の流れと強弱をつくって、そこからセリフをあてていくのがつくりやすいかも。
※私はアニメの脚本家なわけではないので、これが正しいわけじゃないのでご注意ください!こうかなーって考えているだけです!
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