韓国釜山で出会った、お互いがもっている「音を交換する」アート作品
2019年秋に、釜山現代美術館で展覧会のオープニングを見に行ってきました!今日はその中でも興味をもったGentil, Gentle: The Advent of a New Communityという展示から音を使った作品をご紹介です。
人への興味を喚起させてくれる作品
サイトに作品詳細が載ってるかと思って油断していたのですが、すみません。誰のなんて作品だか分からない・・・!展示自体の名前は「Gentil, Gentle: The Advent of a New Community」になります。
どんな作品かと言うと、体験型のサウンドワークなんですね。
まずはヘッドホンをつけるんですが、ヘッドホンごとに違う音が流れています。例えば水音だったり、例えば風っぽい音だったり、例えばヴァイオリンっぽい音だったり。
同じくヘッドホンをつけてる人に近づくと、相手が聞こえている音が自分のヘッドホンでも聞こえるようになります。
自分の音がヴァイオリンだったら、相手の水音と重なって聞こえるようになる感じ。相手にも同じように自分が聞こえている音が聞こえるようになります。
さらに、2人でおじぎをすると、聞こえている音が交換されて、相手の音を自分が持ち歩くようになります。
作家さんがいて話を聞いたのですが、「おじぎ」っていうのはアジアのマナーだと。最近はそういう仕草が失われ始め、SNSで簡単にコミュニケーションし、リアルで会うこと自体が少なくなってしまった、とおっしゃってました。
人と人が実際にふれあい、いろんな影響を与え合っていることを明瞭に感じさせてくれる作品で、私はとても好きでした!
ヘッドホンをしていると、人と話すこと人と出会うこと、相手のことについてとても興味がわくんですよね。「今、どんな音もってるの?水?私、ヴァイオリン!」みたいな。相手がもっているオリジナルなこと、もの、についての興味をすごく刺激してくれる作品だったんです。
人って全員、当たり前ですけど自分と違うんですよね。だからこそ、「そんなことに興味あるんだ!」「そんなこと考えているんだ!」っていうのが本当におもしろい。この作品を通じて「相手が自分と違う何かを持っている」ことを改めて実感でき、それを私たちが交換できることを実感できるということ。
そういう純粋な「ヒトへの興味」を思い出させてくれる作品で、他の人がいる喜びをしっかり実感させてくれる作品だったんですね。
さらに、この作品は一緒に音を聞く誰かがいないと成立しない、というところも好きでした。作品単体や、1人の人がいるだけでは、作品自体が成り立たないんですよね。作品が成立するために、必ず2人以上の人が必要です。
あと、おじぎが交換のトリガーになっているのも、相手へのリスペクトファーストなアジアっぽい考え方だなぁと思っています。こういう作品が欧米でどう捉えられるのかもとても興味があります。
私は作品のモチーフとして「細胞」を使っていますが、単細胞が多細胞になる瞬間が表されている感じで、自作との関連もとても感じます。学びの多い作品でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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