【思いっきりネタバレ】君たちはどう生きるか の感想

ネタバレ行きます
古来よりのインターネット仕草で、
下までスクロールしないと見れないです
それでは
ネタバレまで
10









自分はこれを宮崎駿による墓標であり、この映画を見に行くことは宮崎駿の生前葬に参加することだと思っています。
で映画は後から見れますが、生前葬には今しか参加できないので、まだ見に行っていない人は2000円の香典をもって、インターネットを閉じて映画館へ行ってくれ

ここまで残っているってことはもう見たってことで話を進めますが、個人的にはこの映画は「宮崎駿の墓標」であると思ってます

「自分がこれまで作ってきたもの」「自分が好きなもの」を埋葬品にし、めえいっぱい詰め込んだ墓標であると

見ている最中に一発でわかったのが、これは「今まで自分が作ってきたものの集合体であること」。例えば
ルパン三世 カリオストロの城
 
インコの大王が塔を登って、階段を切り落とすあたり
・未来少年コナン 巨大機ギガントの復活
 船で旅するところ
・風の谷のナウシカ
 
朽ちたペリカンが巨神兵
・天空の城ラピュタ
 
石の通路を通るところとか
 すし詰めのインコ兵のところとか
・となりのトトロ
 
疎開するところとか
 小さいトトロがあの白くてかわいいやつ?
・魔女の宅急便
 
紙がいっぱい巻き付くシーン
・紅の豚
 
船が集まってくるところとか
・もののけ姫
 矢が飛ぶシーン
・千と千尋の神隠し
 
地下道を通って別世界に行くところ
・ハウルの動く城
 
キムタク
・崖の上のポニョ
 
魚いっぱい
・風立ちぬ
 
火災のシーンが関東大震災のシーン
 ゼロ戦の風防を家に置く

きっと自分が気がついていない部分もたくさんあるのだろうと。
宮崎作品の総集編と評している人がいるとおり、自分の過去作からのオマージュシーンがたくさんあったと。
宮崎作品を通しで見ていると、「過去自分がやったことの焼き直しはしない」という意志が見えるのですが、今回は逆に積極的に詰め込んで来たなと。そでまず「これはこれまでの作品とは違う」と思ったこと

またもう一つ。「この手法は二度目はない」ということです。この手は何十年も作品を作り続けた人が、たった一回放ってる必殺技のようなもので、次に同じような手法でなにか作ると「またか」という失望感のほうが多い。
また完全新作を作ると、「君たちはどう生きるか、に入っていない」という不完全さを出してしまう

だから本気で宮崎駿は引退するんだな・・・と思ったわけです
引退するにあたって、自分が作ったものと自分が好きなものを埋葬した墓標を作った。それがこの「君たちはどう生きるか」なんだろうと思っています

長らく宮崎駿と付き合ってきた我々観客はその生前葬に粛々と参加するしかないなと

また主人公と大叔父もどっちも宮崎駿と読み解くと、13個の映画を作ってきて、その続きを、もっと毒の無い世界の続きを作ってくれ・・・という自分自身の望みに対して、自分自身でNoを突きつけて現実に戻った=創作から足を洗った・・・という風に読み取れるなと

主人公が持ってきた最後の石の小さな欠片も、短編ならやるかもね・・・って意志であり、長編のでかいやつはやらないし、誰にもやらせない。俺の世界=ジブリの世界はここで終わるっていう宣言だったのだろう

またアオサギは鈴木P説もあってなるほどなと。
最初は胡散臭い詐欺師と思って警戒するけど、「こいつの羽で作った矢は当たるな(作品がヒットするな)」と思って徐々に心を許し、最後は友達となる。そしてその友達とも別れる=鈴木Pとの仕事はここまで、という事なのかもしれない

というわけで、この作品は宮崎駿による壮大な終活であり、埋葬品に今までの作品を詰め込んだ墓標なのだろうと
何度も書くけど、この生前葬に参加できるのはこの一瞬しかなく、ここまで読んだ方は生前葬に参加した同士として、通夜の宴席に参加しましょう


サポートおねしゃっす! ところでサポートってなに?