話し下手と話し上手

愛する人へ。


言葉は呪いにもなるし、救いにもなると、
あなたと出会ってからよく思います。

私は子供の頃は無口で、
家から出た先ではニコニコしていると喜ばれたので、
結局、ずっと無口なままでした。
話すのが怖かったのかはわかりませんが、
勇気を出して話そうとして、吃ってでしか話せない時期もありました。

いつからか、
家族から話がつまらないと言われ続け、
話すことに笑いを求める人からオチがないから面白くないと言われ続け、
私は話が下手なんだな、と思うようになったのです。

実際、話すときに
いろいろな考えや感情を言葉に適切に変換しようとして
とても時間がかかります。

それでも、間が苦手なあなたは私の間に付き合ってくれて、
ちゃんと次の言葉を待ってくれて、
私とは話し方が真逆でも、
「話に上手いも下手もないと思います。
Ouiさんの話を面白いと思う人は、僕の話が面白くないでしょうし、
その逆もあるので、そういうことです。」
と言ってくれました。

私はそうしてまたひとつ、
呪いから解放されて救われたのです。

うまく伝えられなくて悩むことはあったとしても、
それでも、
私はもう自分に "話が下手" というラベルを貼ることはないでしょう。

言葉は人が発するもの。
だからこそ、無感情ではいられなくて、
呪いにも救いにもなったり
愛にもナイフにもなったりします。

私もあなたのように
言葉で人を救える人になれたらいいなと
またひとつ尊敬を深めました。

いつもありがとう。


2022.2.24 Oui



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?