マガジンのカバー画像

男子新体操に関する記事

67
テキストと写真が主体の記事です。
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

2020年、シーズンが終わった

2020年、シーズンが終わった

今年の試合シーズンが、全日本選手権の終了とともに幕を閉じた。

2020年2月。花園大学の発表会が観客を入れて行われたのを最後に、あらゆるイベント・試合が変更を余儀なくされた。男子新体操にかかわる人々は、コロナという得体の知れぬ敵と戦いながら、最善を尽くそうと奔走した一年だったに違いない。

ワールドワイドウェブ(www)の力そのような状況で、これまでにはなかった形での演技の発表が行われた。祝陽平

もっとみる
2020年 ジャパン 個人

2020年 ジャパン 個人

個人総合・種目別優勝 安藤梨友(青森大学)選手の名前はなるべく名字で呼ぶように心がけている。取材をさせていただく者として、選手に対する一定の距離感と敬意を保ちたいという思いがあるためだ。(※あくまで個人の主観です)

どうしても例外になってしまうのが、兄弟選手の場合だ。安藤兄弟も例外ではなく、私はどうしても「安藤君」ではなく「リトモ君」「ミラン君」と言いたくなる。私が梨友君を初めて見たのは、彼がま

もっとみる
石川裕平(いしかわ・ゆうへい) 国士舘大学

石川裕平(いしかわ・ゆうへい) 国士舘大学

国士舘ジュニア第一期生。国士舘高校、国士舘大学と進み、黄金世代と呼ばれた。しかし彼は、大学4年の夏を迎える前に引退を決意した。

一枚の写真が語りかけた私が石川裕平という選手のことを知ったのは、彼が高校生の時だった。スティックのラストポーズを写した一枚の写真。それを見て、「うわぁ、高校生にこんな選手がいるのか」と衝撃を受けた。大学生でさえ、こんな表情をつけて踊ることは難しいのではないかと思うような

もっとみる
小川恭平(おがわ・きょうへい) 花園大学

小川恭平(おがわ・きょうへい) 花園大学

ファンの多い選手だった。
誰からも愛された。
これでもか、これでもかと辛いことが次々と彼を襲っていたに違いないのだけれど、彼はいつも明るく笑っていた。その笑顔が周囲を幸せにした。

2020年10月に行われた全日本インカレが、彼の現役最後の試合となった。首と腰を痛め、一時は手具を持つこともままならない状態だったという。試合前に通しは1度しかできなかった。つまり、2回目の通しが試合本番だったことにな

もっとみる