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義父の大島紬を中能登町でリメイクする

7月の中能登町訪問のおり、NPO 石川バリアフリーツアーセンター(坂井さゆり理事長)の関連施設である、"KIMONALLBASE瀬戸花見月"を訪ねた。

"KIMONALLBASE瀬戸花見月"では、上下別々に着脱できるリメイクされた着物が所狭しと並んでいた。
そのたくさんのサンプルの中から、着流しや神主さんの着物など、いくつかを試着させていただいた。いずれも、洋服のように簡単に着ることができた。

昔、着物は日本人に身近な存在だった。事実、江戸時代までは日本人は着物しか着ていなかった。明治維新以降、西洋から洋服文化が入ってきて、今では圧倒的に着るのは洋服だ。現在、着物は成人式や結婚式等、特別の時にしか着ることがない服装になってしまっている。
着物は洋服を着るように短時間で着ることはできないし、成人式で女性が着ている振袖は、独りで着ることができなくて着付け師に着せてもらっている。そんなことで、今では、日常茶飯に着物を着ている人を見ることは稀だ。着物は気軽に着ることができる服装でないのだ。

40年以上前だが、私が妻と知り合った時は義母はいつも着物を着ていた。しかし、義父が着物を着ていたことは私の記憶にはない。

リメイクした着物を着せていただきながら思った。
「そうだ、来年1月25日のOUEN Japan信念会のおり、リメイクしていただいた義父の着物をを着てみよう。これからもそのリメイクされた着物を気軽に着ることもできる。
また、中能登町は織物の町であり、"着物の中能登町"をアピールできるだろうし、ご出席いただいている方々の中にはこのサービスのニーズがある方はきっといらっしゃるだろう」

青山の自宅に帰って、妻に話したところ、義母はたくさんの着物を持っているが、義父が持っているのは大島紬アンサンブルしか知らない。それもどこに仕舞ってあるのか、探し出すのは大仕事だと言う。
妻は、成人式のおり大島紬を着た義父と写した写真を出してきて、この時くらいしか大島紬を着た義父は知らないと言う。

私はせいぜい甚平で、浴衣も着ない。それほど、着物は、今の私にはポピュラーではない服装になっている。

今週、8月21日(水)〜23日(金)に中能登町に出張する。義父の大島紬アンサンブルは奥に仕舞ってあるのか、なかなか出てこなかったが、やっと昨日、出てきてくれた。

早速、21日にキモノールを訪問して、義父の大島紬をリメイクしていただこう。

大島紬は、鹿児島県南方にある奄美群島の織物。絹100%、織る前に糸を染める先染めを行い、手織りの平織りで、絣合わせをして織上げたものは「本場大島紬」の名で伝統工芸品に指定されている。

深い黒に加え、緻密な染めと織りの技術で知られる、日本が誇る絹織物の最高峰のひとつである。

優雅な光沢を持ち、しなやかで軽く、シワになりにくいという特徴がある。手紡ぎの糸を、「テーチ木」(シャリンバイ)という奄美エリアに生息する植物の煎汁液と、鉄分を含む泥土でこげ茶色に発色させ、手織りする伝統的技法がとられている。

はじめはくず繭や真綿などを紡いだ糸で作られていたが、生産拡大の中で大正年間にはほぼ全ての製品が絹糸で作られるようになった。

フランスの「ゴブラン織」、イランの「ペルシャ絨毯」と並び世界三大織物に数えられる大島紬。

30以上もの工程を経て生み出されるこの生地は、1つ作り上げるのに半年から1年もの時間を要する。美しい図柄、カラスの濡羽色にも例えられる深い艶、しなやかな肌触り、軽やかな着心地が魅力だ。

さらには、150年から200年着られる丈夫な織物と言われ、親子3代に渡って受け継がれるなど世代を超えて愛用されることも多い。

中日新聞 2023年3月8日
〜だれでも簡単着物 中能登に拠点誕生〜

▽障害、年齢関係なし
▽上下別に着脱
誰もが着用できる上下セパレート型の着物「キモノール」の生産やレンタルを手掛けるNPO法人石川バリアフリーツアーセンター(金沢市)の施設「KIMONALLBASE(キモノールベース)」が七日、中能登町瀬戸の町遊休施設にオープンした。
坂井さゆり理事長は「障害や高齢を理由に、着物を着るのを諦めてほしくない。キモノールで皆が笑顔になってほしい」と意気込みを語る。

キモノールは、性別や障害の有無にかかわらず、体の都合に合わせて着方を選べる。通常より着脱が簡単で、約六分半で着付けができるため、車いすユーザーや高齢者も気軽に着用できるという。法人は六年ほど前から研究や開発を手がけ、昨年はモニターツアーも実施した。

着物は、加賀友禅や大島紬(つむぎ)など高級着物から普段着まで全て寄付された古着などをリメイクしている。
座ったままや立ったままなど着方に応じて三タイプの形があり、ベルト感覚で面ファスナーでウエストを閉めて、帯も一重巻きで付けるだけで完成。車いすで動いても胸元や裾がはだけないよう工夫し、体の負担が少ないようゆったりと仕上げているという。

以前は町の保育園だった施設を借り、仕分け、縫製作業、検品、展示・レンタルする試着室を用意した。地域内外の高齢者や障害者らを雇用し、将来的には販売も始めたいという。
開所式には、宮下為幸町長やNPO法人バリアフリーネットワーク会議(沖縄県沖縄市)の親川修代表理事ら関係者約三十人が出席。
坂井理事長は「孫の結婚式や成人式に着物や振り袖を着たいという声は多い。誰もが気持ち良く着用してほしい」と願いを込めた。

〜着物をあきらめていたすべての人へ〜
もともと日本では、着物は身近な存在でした。着ると何だか幸せな気分になったり、ちょっと緊張したり。
普段と違う自分になるのを感じます。
そんな着物ですが、例えば車いすユーザーにはとてもハードルが高いのです。着る人も、着せる人も大変。
一度着たらトイレに行くのもひと苦労。
だから私たちは、「KIMONALL(キモノール)」を開発しました。上下セパレートなので、シャツを着るように、スカートをはくように、気軽に着られます。
さらに「前がはだけて見苦しくなる」という車いすユーザーの意見に応え、身頃も固定しています。
着物がもっと、あなたの日々に溶け込みますように。
あなたの日々を彩りますように。

[CONCEPT]
それは、身体の都合に合わせて、
着方が選べるセパレート型の着物。

誰もが簡単に好きな時、好きな場所で、気持ちよく着れるようにつくられました。

[理念]
〜行きたいところに行けたらいいな !〜

全国および石川県内の障がい者や高齢者に対して、広く石川県の観光と福祉に関する事業を行い、県内観光地の活性化と障がい者や高齢者の自立と福祉に寄与することを目的とします。

[事業概要]
1.地域のバリアフリーに関する意識向上事業
2.障がい者や高齢者の自立支援事業・社会参加
3.障がい者や高齢者への旅の情報提供事業
4.施設等のバリアフリー情報の調査・収集・発信
5.各事業に関連する企画・活動・運営・管理

[センターの概要]
名称:特定非営利活動法人(NPO)石川バリアフリーツアーセンター
本部:〒920-0002石川県金沢市千木1丁目75番地
設立:2013(平成25)年6月14日
事業所:
①北陸ゆるスポーツ協議会
〒920-0002
石川県金沢市千木1丁目75番地
②KIMONALLBASE瀬戸花見月
〒929-1706
石川県鹿島郡中能登町瀬戸力部16番地

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

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