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トマトはトマトらしく生きる

8月10日(土)〜12日(月)は、"山の日"を挟んで3連休。13日(火)からはお盆休みのスタート。10日の下りの新幹線の下り線はほとんど乗車が満員だったとか。5月のGW並みの長い夏休みだ。

私は、今年の異常な猛暑に身体がついていかず、いつも週に2〜3回は2時間ウォーキングを愉しんでいるのだが、ここ3週間近くウォーキングはしていない。事務所でデスクワーク三昧の毎日を送っている。健康あってのものだねだ。

昨日は、積ん読していた『稲盛和夫の遺した教訓』〜経営成功のための普遍の原理原則〜(小宮一慶著、致知出版社発行)を読んだ。

[本の概要]
成功する経営、失敗する経営の共通点はどこにあるのか――。

本書は、27年間にわたり、さまざまな企業に経営指導を行ってきた著者が、経営成功のための普遍の法則を紐解いたものです。

正しい考え方を持ち続け、そのゆえに成功した現代の経営者として筆頭に挙げる稲盛和夫氏から得た教訓を、「考え方編」「経営手法編」の2部に分けて詳述。

第Ⅰ部では、事業の目的の確立、企業が社会に貢献するための3つの役割、いかにして社員の心に火をつけるか、リーダーとしての心構えなどの「考え方」を中心に。

第Ⅱ部では、アメーバ経営とキャッシュフロー経営を軸に、目標設定の仕方やJAL再建に見る経費管理、
企業再生の手順、稲盛氏が中期計画を立てなかった理由などの「経営手法」が示されています。

特筆すべきは著者が経営の師として
私淑してきた松下幸之助やドラッカー、渋沢栄一などが説く原理原則と比較し、成功する経営の法則を紐解いている点。

時代や業種を問わず成功する経営の本質は共通していることが理解できることでしょう。

稲盛氏の勉強会に熱心に通っていた
経営者たちの具体的な実例も紹介され、説得力を持たせています。

成功する経営、失敗する経営の共通点はどこにあるのか?
会社規模の大小や業種を問わず、経営者必読の一書です。

私が稲盛和夫さんにお逢いしたのは40代の前半だった。それから早いもので30年近くが経つ。
この30年間で、稲盛哲学が私の応援哲学を一層ブラッシュアップしてくれた。

四十路を過ぎた頃、銀行でベンチャー企業開拓の責任者をしていた時に、新規開拓先の何人かの社長たちが盛和塾の塾生だった。
彼らは異口同音に私に言った。

「小林さんは銀行員には向いていない。盛和塾の塾生は中小企業の経営者がほとんどでサラリーマンは入ることができないのだが、機関誌の『盛和塾』は購読できる。さまざまな業種の中小企業の経営者の体験談が載っている。購読をお薦めする」

機関誌『盛和塾』に載っている、盛和塾全国大会での稲盛塾長の講話や塾生たち中小企業経営者の経営経験発表を読んで、「私の今までの生き方は一体何だったのだろうか」「私は何のために生きているのか」と言う忸怩たる思いがどんどん募っていった。

その時の金融界には、金融自由化の波が押し寄せており、それまでの長年に亙る護送船団の金融行政は行き詰っていた。
そして、ベンチャービジネスを育てると言う金融機関の使命は風前の灯になっていた。
志高い経営者の生きざまは融資の何の担保にもならず、不動産担保のみが担保であり、無担保融資はあり得ない風潮になっていった。
すなわち、ベンチャビジネスへの資金はベンチャーキャピタルの分野になっていったのだ。

そして、この時、私は"私なりの挫折感"を味わった。
「これでは銀行家を目指したいという私の思いは果たすことができない。銀行屋に成り下がるのは御免被りたい」という思いが募り、銀行でのあることを切っ掛けにして、それに若気の至り、男の意地も加わって、中途退職するに至った。
そして、サラリーマンを止めたことで盛和塾に入塾させていただいたのだ。

私は稲盛和夫さんに憧れた。"汝自身を知れ"のソクラテスの箴言があるが、ただの憧れだけで、後半の人生を生きていこうと思った。甘ちゃんだった。

人は平等であるが、それぞれの能力や性格は千差万別だ。一人として同じ人はいない。誰も稲盛和夫さんになることはできない。そんな当たり前のことが私は分かっていなかったのだろう。

妻は相田みつをさんの『トマトとメロン』の詩について、私に語った。

「お父さんはトマトなのに、稲盛さんのようなメロンになりたがる。トマトはトマトらしく生きていってほしい。それが幸せということではないでしょうか」

『トマトとメロン』

トマトにねえ
いくら肥料をやったってさ
メロンにはならねんだなあ

トマトとね メロンをね
いくら比べたって
しょうがねんだなあ

トマトよりメロンのほうが高級だ
なんて思っているのは 人間だけだね
それもね 欲の深い人間だけだな

トマトもね メロンもね
当事者同士は 比べも競争もしてねえんだな
トマトはトマトの命を
精一杯生きているだけ
メロンはメロンの命を
いのちいっぱいに 生きているだけ

トマトもメロンも
それぞれに 自分のいのちを
百点満点に生きているんだよ

トマトとメロンをね
二つ並べて比べたり
競争させたりしているのは
そろばん片手の人間だけ
当事者にしてみれば いいめいわくのこと

「メロンになれ メロンになれ
カッコいいメロンになれ!!
金のいっぱいできるメロンになれ!!」と
尻をひっぱたかれて ノイローゼになったり
焼のやんパチで 暴れたりしているトマトが
いっぱいいるんじゃないかなあ

稲盛さんの思想や人生の考え方は、素直な心で真似ていいが、私にしか与えられていない私だけの得手を失ってしまうことは、それは私の死を意味することになる。

では、どう生きればいいのだろうか。そんなことを考え、それを行動に移すことを齢70までやってきた。
そして、漸く、これが私に与えられたミッションなのだと確信を持つまでに至った。

それは、

"能登の創再生の応援"

稲盛さんは"経営は人生そのもの"だと仰る。
経営が成功するためには"普遍の原理原則"がある。人生も同様だ。

事業の目的意義を明確にする。何のために事業を行っているかを明確にする。経営理念の確立だ。
事業の存在意義は何か。

私は何のために生きているか。幸せになるために生きている。幸せになるために、私は"能登の創再生の応援"をする。

"欲のレベルを高める"ことだ。能登の人たち、能登を応援してくださる人たち、[OUEN Japan]の仲間たちのために、社会により貢献しようという高い欲を持つことだ。
それは私を幸せにする。家族を幸せにする。

結果として儲かるのは私利私欲ではない。お客さん、私を含め共に働く人たち、私たちが生きている社会の三方、皆んなが喜ぶ"三方よし"の近江商人の考え方を大切にしよう。

まず、"私が信じること、信じ切ること"。そして、それを"繰り返し仲間たちに語り続けること"だ。

人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

まずは考え方が一番大事。次に熱意。誰にも負けない熱意を持つことだ。
そして最後に、能力。誰にも、その人だけが持っている能力がある。得手がある。それを磨くこと、磨き続けること。不得手なところは信頼できる仲間たちに任せること。絶対的に任せること。その強い信頼関係が強い組織をつくっていく。

動機善なりや 私心なかりしか

自己犠牲は長続きしない。"活私奉公"で長く続けて応援することだ。

インプットしたら、必ず同じ分だけ"アウトプット"する。アウトプットとは、想うだけではなく、その想いを一つづつ形にしていくことだ。
そうすることで、その想いは多くの人たちに伝わっていく。

無言実行ではなく、"有言実行"することだ。口に出して、言ったことを実行する。

自由自在の発想
とらわれない
こだわらない
かたよらない

仕事を好きになり、"仕事を楽しむ"ことだ。

「なれる最高の自分になる」が、「誰にも負けない努力の意味」

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

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