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大好きな人に、会いにゆく

 今まで見た中で印象的なフレーズです。かなり前に見かけたのに、今でも言葉と映像がしっかり結びついていていて、JR東北新幹線の㏚に使われていた映像作品の中の言葉。坂口健太郎さんが出演されていて、キャスティングもすごく良かった。


 劇中では森カンナさんが離れたところにいる坂口健太郎さんに会いに行く設定でした。風景や東北の街並みが多く、演者のセリフはそれほど多くありません。でもしっとりした映像や音楽もこのフレーズと絶妙にマッチしていて、気づけば自分も作品の世界にすっかり没入。


 CMの中に流れる世界観が、終始一貫してしっとりしている。浮ついた感じもなく、かといって成熟した大人という感じでもなく。登場人物は若いのに、現代の若者達の落ち着いた恋愛とでもいったらいいのか。内に秘めたる熱い想いも表現されているのでしょう。多くを語らない様子も、また味わい深い。


 声高にはしゃがずとも、降車駅でただただ会いたい人が、待ってくれている幸せ。会いたい人に会える幸せ。会って過ごす短い時間。ただそれだけで人は十分満ち足りるものだなぁと。ごくシンプルな日常に落ちているありがたみ。こんなことの方が、よっぽど大事では。映えもいいけど、映えでない表現の仕方もきっとある。創作を続けていたら、ふっとそんな思いがよぎりました。


 圧倒的にファンの多い深津さんや牧瀬さんのJRのCMも素敵ですが、実は他にも隠れた名作が・・・。森さん坂口さんが出演されてるバージョンは、ショートフィルムっぽい。まるで短編映画のようにもみえます。


 同じ企業のCMとひとくくりにしてよいのかわかりませんが、やるなJR。またすごいものをひとつ世に送り出した。監督さんの撮るアングルや風景の切り取り方までも素敵でした。目でもじっくり楽しむことが出来て、東北にも俄然興味がでてくるような仕上がり。


 川上未映子さんが原作なんだとか。誰かの記憶にずっと残るクリエイティブな仕事って素敵ですね。


 追記 本当はクリスマスの時期に書いた方がよい記事かもしれませんね。いまでもYouTubeでみれるはずです。気になる方は是非ご覧になってください。


 


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