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脳をもっと知ろう!

脳は、知れば知るほど不思議な臓器です。

考えたり、感じたり、心もそこにあるし、記憶も宿るし、からだを動かす指令も出す、生きる全てを司っているのです。

脳の知識を持つと人間がわかり、自分を取り扱う方法もわかってくるので、生きるのが楽しくなります。
少しでも皆さんにその楽しみをお伝えできたらと思います。

魚から人間にたどり着くまで

脳はいくつかの部位に分かれていて、生きていくためにはそれぞれ役割を担っています。

脊椎動物の進化を遡ってみると、魚に辿り着きます。
魚から人間に至るまで、脳の基本構造は同じ。
ただ違うのは、それぞれの大きさであり、役割であり、機能の仕方になります。

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http://bsi.riken.jp/jp/youth/know/evolution.html

魚・両生類・爬虫類が生きていくためには、反射、交尾、餌をとることが最重要なので、それを司る脳幹が大部分を占めています。

ところが哺乳類になると、小脳・大脳が大きくなり、大脳新皮質という部分が大きく発達して、聴覚野、視覚野など、感覚を司る感覚野や、運動を司る運動野ができてきます。
そして、人間はより高度な脳の活動(考える、行動するなど)をするために脳の表面がどんどん大きくなったことで、脳の表面にシワがができ、複雑な情報を処理できるようになっていきました。

つまり、基本構造にいろんな機能を付け加えることで進化していきましたが、人間の脳が最も優れているというわけではありません。

イルカは人間にはわからない超音波を使ってコミュニケーション出来ますし、犬だって人間にはわからない優れた嗅覚を持っています。

ただ、他の動物にはない高い情報処理の能力を持つのは人間です。
脳細胞はそれほど数を増やせない代わりに、配線を張り巡らせ、そして情報処理の機能を分担させることで、情報の量と質を複雑に処理できる力を身につけたのです。

脳の構造

脳は髄液という液体の中にチャポンと浸かっていて、頭蓋骨の中に収まっています。

重さは個人差がありますが、大人で約1.5kg。
触るとボヨンとしており木綿豆腐よりやや硬く、グレーがかった白色をしています。(まさに木綿豆腐!)
では脳の各部分について簡単に解説していきますね。
まずは脳の中心部分からです。

脳幹

基本的な生命活動を司る部分。
間脳・中脳・脳下垂体・橋・延髄を合わせた部分。

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https://www.akira3132.info/midbrain.html

<間脳>
視床と視床下部からなり、情報の中継を担当しています。
視床:嗅覚以外の感覚の情報を中継。
視床下部:自律機能・内臓機能・内分泌機能をコントロール。

<中脳>
視覚・聴覚の中継を担当。
滑らかな動きやバランスを保つなど運動機能に重要な役割を持つ。

<脳下垂体>
小豆より小さく米粒よりやや大きめのサイズでありながら、ありとあらゆるホルモンの宝庫。

<橋>
小脳とつながっていて、バランスなど運動に関する情報の中継地点。

<延髄>
生命維持の中枢で、息をする、飲み込む、血液の循環、消化といった命を保つための全てを司っている。

小脳

からだ全体のバランスを保ち、運動機能、筋緊張などを調節する。

大脳

<大脳皮質>
高度な脳の働きを行う場所。
論理的思考、抽象的思考、意識的思考を行っている。

<脳梁>
左右の大脳をつないでいる部分。
神経繊維が太く束になっている。

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脳は全身の司令塔

私たちのからだには、情報を伝えるための神経が全身に張り巡らされています。
全身の臓器をつなげた神経は、全て脳へとつなげています。

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脳に情報が集められると、情報を分析し、身体中の臓器に司令を送り、生命を維持させようと働きます。

神経ネットワークは2つの役割(中枢神経・抹消神経)を持ちます。

<中枢神経>
脳と脊髄からなる。
身体中から情報が集まり、1つのからだとしてそれぞれの機能をコントロールする。

<抹消神経>
脳から出ている12対の脳神経と、脊髄から伸びている31対の脊髄神経に分かれて、各器官とつながっている。
抹消神経は自律神経も含み、自律神経は、交感神経・副交感神経に分かれて、体温た呼吸、血圧などを自動的に調整している。

脳を理解するためには、どうしても全体の構造理解が不可欠です。
ざっと簡単に構造をお伝えしました。
次回からさらに細かく解説していきますね!

鶯千恭子 (おうち きようこ)

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