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流行りのNoCODEでサービス作ってみようとしたけど、結局ダメだった話。

※このお話は、現場の臨場感をお伝えすることを目的に面白おかしく、書いている部分が多々ございます。起きた事象や「まとめ」だけ読みたい方は、下記項目メニューより、「まとめ」を押すと、結論に移動できます!

はじまり

札幌という街に、
一人の31歳の唯という女性が居ました。
結婚もし、子どももいる彼女ですが、天真爛漫といえば聞こえが良く、悪く言えば「無鉄砲」「無計画」という、それはそれは年の割に落ち着きのない女性でした。

唯はある日、仲間たちと「おうちdeまなび舎」というWEBサービスを作ることに決めました!

エンジニア経験?
ありません。
ワードプレスをCSSコピペでいじったぐらいです。

やけに技術用語知ってる?
システムインテグレーターの人事だったからです。

人事時代、エンジニア貴族さんたちがそれはそれは丁寧に、彼女に、IT用語を教え込んだ結果、魔法詠唱はとても得意になったが、詳細威力は知らない、そんな平民です。

授業の予約開始まで、48時間。0からサイトを作り、WEBアプリを作るという「無鉄砲」で「無計画」なハナシ。どうなっていくのでしょうか。

無鉄砲で無計画な唯と、そんな唯を見守る、二柱の神、わたり神とキタサン神が織りなすお話を、どうぞご覧ください。

(※このお話は2割程度フィクションです)

やっぱり大事な要件定義

「とりあえず、HPだけつくろ!!
CSS書くのはめんどくさいから、
流行りのNoCODEでしょ!!

うーん、
WIXを使ってみようかな!!!」

WIXとは、
無料ホームページ作成ツールで
マウス操作だけで、おしゃれな
ホームページが作れちゃうツール

スクリプトを書くのが苦手な唯は
ツールを選択したのでした。

「おぉぉ!
WIXなんかいろんなことできそう!


わぉぉ!!!
クリックして移動させるだけで
デザイン全部完結するじゃん!!!

わーーーい!わーーーい!!
WIXすごいなー!
進化したなぁぁぁ(シンミリ)」

最初の頃のWIXは、ランディングページを作るような簡易な物でしたが、今回サービスを作るのに触ってみてびっくり。会員機能があったり、予約機能や注文機能など、簡易なWEBアプリとして利用できるようになっていました。

WIXおそるべし。


「スピード第一だから、
まずサービスページを作ろう!

予約とかも出来そうだから、
嶋ちゃんと、ヒムに連絡して…

ー授業予約もできそーだよー。
 とりあえずやってみるねー!

…よしっと。

まずは、作ってみよう!
それから考えよう!」

この時の唯は、まだ知らない。この後3週間巻き起こり続けるトラブルシューティングと後悔の嵐を

そのころ、天界では…
わたり神と、キタサン神が
地上の様子を眺めていました。

「へー、みてみろよ、キタサン神、
 あの娘が触ってる、WIX。
 データベースから連動して
 コンテンツ作るところまでNoCodeで
 行けちゃうみたいだよ。
  
 今時のWeb制作はすごいね。。。」

『どれどれ、おぉぉ。ホントだ。
 ツールの発達は凄いな。ホントに。』

「おぉ、講師プロフィールを
DBに突っ込んでるな・・・

あれ?レイアウト崩れてるなぁ。
でも、まぁとりあえず見えてるし
いいか。

いや、プロフィールの文字数とか
全然違うし、これ、なんか、
いやな予感がするぞ・・・。

この子、大丈夫かな。
いや、見守ろう。
まずは、見守ろう。
きっと大丈夫、、、な、はず??」

『いや。大丈夫じゃないだろ。
わたり神。この子
システムの全体設計
してないぞ。

やりたい要件の実現可能性評価
とかしてないし、
そもそも、業務のフローも引いてないだろ。

とにかくやってみよう!!!
っていう元気は認めるけど、
絶対後から困るって。』

「そうだよねぇ。。。
 まぁ、僕たちは見守ることしか
 出来ないし、とりあえず見ておこ」

『わたり神、優しいなぁ,,,
まぁ、失敗するのは俺たちじゃないし、別にいっか』

30分程度で、HPの表面は出来、
気分はホクホクな唯に、
次の試練は忍び寄っていました。

アジャイルにならないアドオン地獄

「ぬぉぉぉぉ。
 予約はできるけど、
 予約者限定で見れるページは
 つくれないし。

え、予約締切って、
システムでやろうとすると、
前日24時っていう区切りか、
〇時間前っていう区切りなの?

前日正午に締切が出来ないじゃん。

googleフォームで、
登録してくれた人たちを
システムに移さなきゃね。
え、移せない?全部手入力!?

うそだろ!?!?!?!?!?

なんか全部壁に
ぶち当たる・・・。

やりたいことができそうで
できないぃぃぃ。

もどかしい。。。」

 WIXのダッシュボードを
 カチカチとクリックしながら
 探す唯に、「アプリ」という
 文字が目に入りました。

「アプリ、なんだろ、これ。
 アドオンみたいなものかな。

 とりあえず、いれてみよーっと」

予約などの
アプリを、唯は試しに
入れてみました。

「おぉぉ。なんか、HPでできる機能が増えたぞ!!

 あれ?でもこれ、予約した時に
 入力してもらったデータは
 どこに蓄積されるの?

 とりあえずは、できるけど
 なにもデータが溜まらないぞ。
 いいか、とりあえずで。。。」

同じころ、天界では、、、。

「え?せっかくDB使えるのに
 サービス予約のアドオンでは
 DBのデータ読み出せないの?

プロフィールページと授業ページで
二重にデータ入れなきゃいけないなんて面倒・・・

しかもプロフィールから
授業ページへのリンクは
手動で入れなきゃダメなの・・・」

陰ながら
サポートしようとしてくれていた、
わたり神が途方にくれていました。

『うーん、相当癖があるよね。
このシステム。
多分誰にでも使いやすいように、と、
アプリがあったり、
DBがあるんだけど、
うまく連携ができないもんね。

アジャイル開発なのに、
前に進まない
アジャイル開発初めて見たよ。
ずっと同じところグルグル回ってて、
滑稽だよね。』

「キタサン神、
 ブラックな感じがあふれ出てるよ。
 
 ほら、僕たちができる事は、
 彼女が気づいていないようなことを
 こっそりサポートしてあげること
 だけだからさ、、、
 陰からサポートしてあげようよ。」

『めんどくさい。
一つだけ言えるのはさ、わたり神、
この子だけ気にしてるけど、
もう一個、やばそうなのあることに
気づいてないでしょ。』

キタサン神の目線の先には、
別の男が作業する様子が映し出されていました。

彼の名前はヒム、
同じく「おうちdeまなび舎」の共同代表です。

『あの男の子、講師から集めた授業、
全部、手でコピペして、
手動で授業調整やってるよ。』

「!!!!!!!!」

『あーれも、
だいぶ深刻そうだよね。
僕、あっちの方サポートしてくるよ、
関数で整理できるように
サポートしてあげればいいはずだからさ』

「ありがとう、キタサン神、
やっぱり君は優しい神様だね」

『うるせぇ。』

「ふふふ、素直じゃないんだから
さて、こっちの娘はどうなったかなぁ」

複数人で同時編集ができない弊害


「ぬぉおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。
もう、大変すぎるだよーーー。

だれかぁ、、、だれか、、、
作業を手伝ってぇ(号泣)

は!!!!

形さえ、作れば
サポスタの子に手伝ってもらえる!
側を作るのを最優先して、
内容を埋めるのは、
申し訳ないけど、サポスタの子に
助けてもらおう(泣)」

ー数分後

「手伝ってくれる子も
みつかったし、これで
集中できる!!

HP編集しよーっと!
ポチッと」


ーWIX画面ー         
ー同時編集は出来ませんー   

                        
「ぴぎゃーーーー!!!!        
WIXぅううぅぅぅぅぅ!!!」

ーそのころ天界では。

「ビクッ!!!
 え、悪寒がしたよ。

あの娘は、人外なのかな。(苦笑)


さて、
Wixの雰囲気も分かってきたし、
ちょっとページいじってみますよ。

え?だれかー!編集止めて!
ってあの娘叫んでるぞ。

なんでだ?
ん?一人編集してると
他の人は何も編集できなくなる?

なんて事だ・・・

あれ、でもデザインとか
ページ連携とか以外は、
HP編集ページじゃなくて
ダッシュボードから、
権限があれば、誰でもいけるな。
僕はそっちをサポートしてあげよう。」

表面上はできたけど・・・

ー数時間後

「よーし!なんとか、
 表面上は整ったぞ!!
 これで大丈夫な、はず!!!!
 
  しまちゃんと、
 ヒムにも教えてあげなきゃ!!
 システム出来たよ――!!っと
 送信!!」

ー翌日。

サポスタA
「ゆいさん、
 メールが届かないと問い合わせが凄いです!」
 
ゆい
「えーーーー。」

サポスタB
「ゆいさん、予枠がそうそうに埋まってしまって、授業を受けられない子が大量に発生してます。」

ゆい
「きょーーーーーーーーー」

サポスタC
「ゆいさん、本当はないはずなのに、同じ授業が3つあります!予約も入ってしまっています!」

ゆい
「なんでやーーーーーー!

サポスタD
「ゆいさん!授業予約前のはずなのにアプリからだと予約ができてしまいます!!!」

ゆい
「なんなーーーーん!!!」

サポスタE
「ゆいさん!URLが届かないと
 先生も生徒からも連絡が!!!」

ゆい
「ーーーーーー」

サポスタE
「ゆいさん、生きてますか?」

ゆい「おうちに帰りたい」

サポスタE
「そこが貴方のおうちです。」

ゆい
「ひぃぃーーーーーー。
 こわいぃぃ。

 何が駄目だったんだ―――。
 どうすれば良かったんだー泣

 うわーん。神様―!!!泣
 たすけてよーーーう。」

結局、
要件定義をしなかったことも
そうですが、大量のWEBメールを送る
ということが何をさすのか、や、
キャリアメールにPCから
メールを送ることの難しさなど、
諸々の詰めが甘く、
3週間ずーっと、問合せ対応や
システムへのご意見対応で終われることになったのでした。

流行りのNoCODEだれでも形は作ることができる。
でも作れるのは形だけで、WEBサービスとなると
平民には難しかったのでした。

おしまい。

まとめ

流行りのNoCODEでWEBサービスを作ってみたけど、
平民には難しかった件、これにて終了なのです。

要はお伝えしたかったことは
大きく3つ。

1、要件定義がすべての鍵。
2、アドオンでどうにかできると
  幻想をいだかない。
3、サービスの権限を事前に
  確認しましょう。
  →仕事の割り振りの点で。
   要件定義が出来ていないと、
   すべて行き当たりばったり。

業務フローが途切れてたり
システムでできること
出来ないことの可視化も
「やりたいこと」がなければ
意味を成しません。

今回、体験したバタバタは、
まさに「要件定義の大事さ。
そのものでした。

お付き合いいただいた
システム班の皆様、
未熟な私のとばっちりを
受けまくったサポスタの皆さん

「無料だからしかたない」と
利用し続けてくださった、
保護者の皆さん。

本当にありがとうございました(泣)

とはいえ、WIXは神でした。

最後にはなりますが、
等々と書いていると、

「WIXがダメだ」って言いたいの?

と捉えられると、困るので、、、
WIXへの感謝もあえて、
まとめることにします。

1日でHP出来たり、
予約システム使えたり、

WIXが無かったら
おうちdeまなび舎は
そもそも発案から3日で
スタートなんて出来なかったと
思っています。

そこは、
本当にありがたいなぁと
思っています。

ユーザーである私たちが
気を付けなければいけないのは

1:自分たちは何がやりたいのか
  を明確に把握すること。

2:使うツールで(1)ができるのか
  事前に確認すること。

3:出来なかったとき、他の物と
  組み合わせればできるのか、
  考えること。

4:どうしても出来なかったとき
  どう対応するのか考えること。

この4点だと。思います。

WIXさん、
この世に素敵なサービスを
作り出してくださって
本当にありがとうございます。


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