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騙された!買い取りに誘導された売買契約が詐欺で取り消し!

「できるだけ高い価格で、スムーズに不動産売却を済ませたい」
不動産の売却を検討している方は、みなさんそう思っているのではないでしょうか。

しかし、不動産の売却をお願いする不動産会社選びや、売買のルールを踏み外すと、思ってもみないトラブルに巻き込まれることがあります。

中には詐欺まがいの悪質行為の被害にあって裁判沙汰になることもありますが、そんなことには絶対になりたくありませんよね。

そこで今回は不動産会社と売り主のトラブルが裁判になってしまった事例をご紹介します。

トラブルに巻き込まれないためにはどうすべきかも一緒に解説しますので、これから不動産の売却を考えている方はぜひ参考にしてください。


監修者情報

印南和行(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、一級建築士、一級建築施工管理技士、不動産コンサルティング技能士試験合格) 全国不動産売却安心取引協会 理事長。住宅専門チャンネル「YouTube不動産」が「わかりやすくて参考になる」と大好評でチャンネル登録者9万人、総視聴回数2100万回を超える(2023年5月1日現在)。著書に「プロ建築士が絶対しない家の建て方」(日本実業出版社)、「プロが教える資産価値を上げる住まいのメンテナンス」(週刊住宅新聞社)がある。


裁判事例

不動産会社が、安い価格で不動産を買い取りたいがために、売り主に嘘をついて売買契約を結ばせた悪質な事例です。

このケースでは、自宅マンションを売却しようとした売り主が、ある不動産会社に1,650万円を希望価格としてを依頼し、仲介の契約を結びました。

しかし、この不動産会社は、売り主が希望していた1,650万円での売買事例があったことや、購入希望者がいたことを伝えず「1,000万円以上の価格では売れません」と嘘をつきます。

さらに「自社なら1,220万円で買えますよ」と持ち掛けて、売買契約を結ばせました。

ところが売り主は別の不動産会社から、1,650万円の売買事例や購入希望者がいたことを聞いて、自分が騙されたことに気づきます。

そこで売り主は、引っ越しをとりやめ、売却予定だった住居に住み続けたんですね。

不動産会社は売買契約の不履行と手付金120万円の返還を求め提訴しましたが、これが認められるわけもなく、1審、2審とも不動産会社の敗訴となりました。

問題点

不動産の売買には、不動産会社が個人への売却を仲介するパターンと、不動産会社が自ら買い取るパターンの2つがあります。

今回のケースの問題点は、不動産会社が売却の仲介を依頼されたにもかかわらず、嘘をついて、自らが買い取るパターンに誘導しようとしたことです。

この不動産会社は安い値段で買い取って、高く再販売するつもりだったのでしょう。

一般的な不動産会社は、この物件なら大体これぐらいの値段で売れるといった、いわゆる不動産の相場価格を知っています。

そのため、通常は不動産会社と売り主で相談しながら、売却価格をいくらにするのか決めるわけですが、嘘をつくような不動産会社に売却を依頼してしまうとトラブルになるのも当然です。

対策

しかし、このようなトラブルに巻き込まれない方法もあります。

まず、不動産の売却を考えている方は、1社だけでなく複数の不動産会社に話を聞いて、仲介を依頼する不動産会社を決めるのがおすすめです。

それぞれの会社が無料で売却価格を査定してくれますので、査定価格やサービスの内容、担当者との相性などを比較して検討しましょう。

とくに不動産会社が直接買い取る場合は、仲介での売却価格に比べて、2割から3割程度価格が安くなることが多いですから、いくつかの会社の買取価格を聞いて売却を検討すると安心ですね。

不動産売却においては、売り主にも誠実な対応が求められますが、これから不動産の売却を検討されている方にとっては、信頼のできる不動産会社と担当者選びが何より重要です。

いい不動産会社と担当者を選んで、トラブルにならないよう気持ちよく売却を進めましょうね。


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