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巴里の女性マリー - The ピーズ

-トリビュート界七不思議の一つ-
最高のアーティスト達が集まるthe pillowsのトリビュートアルバムの中で、全てを喰い散らかして、ダントツにぶっ飛んでいる曲です。
いわゆる原曲を超えた云々ではなくて、カバーしたらもう一つ原曲ができてしまった感じ。
最初がthe pillows、次がThe ピーズの巴里の女性マリーの動画があったのでぜひ聞いてみてください。
同じ時代を生きた二つのロックンロールが本当に素敵です。






-トリビュート盤のワクワク感!-
スピッツの「ハチミツ」のトリビュート盤のように特定のアルバムをアーティストがカバーするものもあれば、フラワーカンパニーズの「深夜高速」のように特定の一曲をアーティストが思い思いにカバーする狂気じみたものもあります。
最近だとチャットモンチーが完結して出したトリビュート盤が、彼女たちに影響を受けた若手バンドたちの、リスペクトと愛に溢れるカバーに涙がちょちょぎれました。
ギターウルフの東京ハチミツオーケストラは笑ったけど。
トリビュート盤は普通のアルバムよりも、CDをかける時余計にドキドキさせる魔力を持ってると思います。





-王様の元に集まった別の王様-
ピロウズのトリビュート盤「SYNCHRONIZED ROCKERS」は15年前に出た一枚だけど、アーティストが豪華すぎる。

1. Runners High / ストレイテナー
2. Funny Bunny / ELLEGARDEN
3. 巴里の女性マリー / The ピーズ with クハラカズユキ
4. Vain Dog(in rain drop) / noodles
5. この世の果てまで / YO-KING
6. カーニバル / 佐藤竹善
7. Little Busters / GOING UNDER GROUND
8. Our Love And Peace / SALON MUSIC
9. ハイブリッド レインボウ / BUMP OF CHICKEN
10. ストレンジ カメレオン / Mr. Children
11. Sad Sad Kiddie / YUTA.TOSHI.CHIHO and JIRO'S SESSION (from GLAY JIRO)

王様の元に集まったのは兵隊ではなくて別の国の王様のごとき方々。
その中でピーズの巴里の女性マリーはぶっちぎってかっこよかった。
サラッと何の気無しに自分のロックンロールにしてるのが、本当にかっこよかった。





-The ピーズ with クハラカズユキ-
ピーズがカバーする時はすでにドラムの佐藤シンイチロウがピロウズとピーズを兼任していたから、ドラムがクハラカズユキってのも運命的で素敵です。
タイトかつシンプルなドラムがこの曲の大黒柱になっていて、この手のプレイはさすがロッカーとしか言いようがない。
アビさんのギターは原曲のキラキラした部分も残しつつ、歌詞の世界観に合わせたクランチ具合がとてもよい。
間奏では脳ミソを思い出させるロックンロールよろしくチョーキングバチバチのギターソロ!優勝!
そしてはるが歌えば退廃的で自堕落で唯一無二の世界になってしまう。
「会うことはない大好きなパリのお嬢さん」なんて世界観を歌わせたら右に出る人はいないんじゃないかな。
はるが歌うとまず会えないだろうなって気持ちになる。
彼らは特にアレンジもしないで、そのまま自分たちに落とし込みましたって顔してるけど、これは本当に凄まじい。
トリビュート盤の中にこのバンドしかできない最高のアレンジ!って思う曲はあるけど、別の世界線の原曲みたいって思ったのはこの曲しかまだ出会ってないんだよな。
ロックンローラーたちが各々の仕事を完璧にこなしていると、何をやっても自分たちのロックンロールになるんだなって思いました。





-あとがき-
この記事がメインで言いたいことはピーズについてでしたが、この一枚で逆にピロウズの存在を知った人も多いんじゃないかと思うほど、様々な層が通った一枚のはず。
高校の頃にこのCDを友達にオススメして貸したら、いつの間にか別の友達に又貸しされて、最終的に全く知らない奴から返ってきた。
彼らは今何聞いてんのかなあ。

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