絵の具セットを毎回家に持ち帰らせる指導
絵の具セットを毎回家で洗ってもらう指導について、批判される点も踏まえてのメリットの紹介。
絵の具セットを毎回家に持ち帰るメリット
この指導の利点は次の一言に尽きます。
・授業中にパレットを洗わなくてよくなる
水飲み場に長蛇の列が作られ、洗い場に立った一人一人がいつまでも100%の美しさを目指してパレットを洗い、列はどんどんと膨らみ、待ちぼうけ同士でトラブルが起き、床には洗った時の色水がこぼれ、授業時間はどんどんと減り…
そういった「図工あるある」な光景がゼロになります。最高のメリットです。
懸念されるデメリットとその対策
この手法を批判するとすれば、
・家庭の負担が増える
・児童が絵の具セットを家に忘れてくる
の2点が思い浮かびます。
家庭の負担が増える
家庭の負担についてはまず年度はじめの懇談会で説明をし理解を求めます。子ども達にできるだけ長い時間絵を描かせてあげたいという趣旨をそのまま語ります。
また、家でのパレットの洗い方についてもライフハックを一つ伝えます。子どもにパレットと一緒にお風呂に入ってもらえば良いんです。シャワーのお湯の力なら、学校の狭い水道で洗うよりもずっと効率的にパレットの汚れを落とせます。順番待ちもいないのでトラブルもありません。
家庭によってはパレットを洗う子は家族の一番最後に入浴させ、パレットを抱えてザブンと湯船に入ってお湯の中で思う存分ゴシゴシさせているなんて話もあります。このパレットごと湯船に入る画期的(笑)な方法は我が家の長女にも伝授し使わせてもらいました。かなり楽しそうにやっています。
持ち帰ったパレットを忘れてしまう
もう一つの懸念である「児童がパレットを家に忘れてくる」という点については、学校に貸し出し用の絵の具セットを備えておくぐらいしか対応策は浮かびません。
ただ、子どもが忘れるから〇〇をしないという指導はそもそも何か大事なものが欠けているように思えます。貸し出しで学習機会を保障しつつ、「持ち物を忘れず持ってくる」という成長を辛抱強く待ちたいなと自分は考えます。失敗の可能性も含めての環境づくりなのではと。失敗のない生活とは子どもの成長を考えると恐ろしいものです。
おわりに
実際に低学年や中学年に絵の具を使わせてみると、学校でパレットを洗うことの難しさが身にしみてわかります。場所に限りのある水場に殺到するパレット洗いの子ども達。発生する順番待ち。良いものではありません。
順番を守る意識だとか公共スペースを清潔に使う意識だとかは別の機会でも指導できます。絵の具セットのパレット洗いについては、家のお風呂でのんびりと楽しんでもらうのが良いのではないでしょうか。
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