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推していたことを後悔したくない。2023/02/08
今日は思い出話ではなく、現在進行形の話を書こうと思う。
2021年に推しのグループが解散し、私はいまだに次の一歩が踏み出せずにいる。
推しはもうアイドルに戻る気配は無さそうだけど、それでももしかしたらまた戻って来るんじゃないかと微かな希望を捨てることが出来ない。
なぜなら、推しは今でも時々ファンカフェに投稿しに来るのだ。
(ファンカフェとは韓国アイドルの公式ファンサイトのこと。簡単なテストに合格すると正会員になることが出来て、アイドルの投稿を読むことが出来る)
解散後、ファンカフェは閉鎖されずに放置されたままだ。
推しは、その放置されたファンカフェに時々現れる。
アイドルが嫌になったのなら、昔のファンと交流することは望まないと思うから、推しは本心ではまた活動したいと思ってるんじゃないかと、私は淡い期待を持っている。
少し前に、推しがファンカフェで歌って欲しい曲のリクエストを募集していたから、私は一曲だけリクエストを書いた。
しばらくすると、ファンカフェに動画が投稿されて、私がリクエストした曲を歌ってくれた。
嬉しくて、何度も再生した。
歌うことが大好きな推しだから、本当は観客の前で歌いたいんだろうなと切なくなる。
「戻ってきて」「ずっと待ってる」と言いたいけど、推しの負担になりそうな気がして言えない。
時を同じくして、推しのグループの元メンバーKが、ヨントン(オンライン通話)を開催した。
申し込む人がどのくらいいたのかわからないが、解散後のKの評判は散々だった。
Kは解散後に投げ銭配信をやっていたのだが、そこで特定のファンの悪口や元の事務所の不満を言いふらしていた。
Kは話が面白くて真面目でしっかりもののイメージだったから、タバコを吸いながら配信する姿もショックだったし、投げ銭を貰うと異様なテンションで喜ぶ姿にも引いたし、昔の不満ばかりを話す態度に幻滅した。
その配信が原因かはわからないけれど、解散後しばらく応援していた彼のファンのほとんどが去っていった。
つい最近、彼のファンだった子とLINEをする機会があり、ヨントンをやるみたいだねと話を振ってみたら、Kのことをボロクソにこき下ろしていた。
あんなのを推していたことを、凄く後悔している。
時間を返して欲しい。
彼女はそう言っていた。
私もいつか後悔する日が来るのだろうか。
あれほどまでに夢中になって追いかけて、大好きだった推し。
私には、推しがアイドルを辞めてから誰にも教えずにやっているインスタのアカウントがある。
推しがアイドルしていた頃の写真を上げているアカウント。
恥ずかしいから誰にも言っていない。
推しがその写真を見てくれたらいいな、と期待はしているけれど、でも負担に思われたく無くて、そのアカウントでは推しのアカウントはフォローしていない。
時々、タグ検索で見てくれた元ファンと思われるアカウントがイイネを押してくれる程度の、淡々と写真を上げているだけのアカウントだ。
1ヶ月ほど前のこと。
推しはまた気まぐれにファンカフェに現れた。
推しは『聞きたい曲があったらコメントを書いて』と投稿していたが、私は仕事中だったからリクエストを書くことが出来なかった。
しばらくして、推しは動画をファンカフェに投稿した。
動画は四つ。
リクエストされた曲を歌おうと思ったけど、自分が歌いたい曲を歌ったと書かれていた。
有名なドラマのOSTや、推しが好きな歌手の曲。
その中に一つだけ、私の知らない曲が投稿されていた。
私はKPOPを聴くようになって10年近く経ち、広く浅くいろんな曲を聴いているから、そこそこの知識を持っているという自負がある。
そんな私が全く聞いたことのない、知らないアーティストの曲だった。
そしてその曲のタイトルは、私が秘密にしているインスタのアカウント名と同じだった。
調べてみると、2003年にリリースされた韓国のロックバンドの曲のようだ。
偶然…かな…?
馬鹿みたいに、何か意味を見出そうとしてしまう。
推しは古いロックバラードが好きだから、たまたま推しが好きな曲のタイトルが私のアカウント名と同じだったのだろう。
それが妥当な結論だと分かっていても、もしかしたら推しがメッセージを込めて歌ってくれたんじゃないかと期待してしまうのだ。
そんなことあるはずないのに。
『歌詞が良い歌が好きだ』と、推しはよく言っていた。
そんな、彼らしい選曲だと思う。
「全部忘れた」という嘘を、またついてしまった。「僕の心に君はいない」と言ったね。
あまりにも簡単に忘れられたと、不器用な僕の愛に疲れて去って行った君。
あまりにもたくさん泣かせて、引き止める勇気さえ出せなかった。
ごめん、僕の愛する人。
二度と僕のような人に出逢わないで。
もし僕が訪ねて行っても、二度と僕を許さないで。君は弱くとても優しくて、嫌だとも言えないのに。
たくさん足りない僕を愛してくれた君。
これでいい。
これ以上、君が不幸にならないように。
僕がこの辺でいなくなるのが、君のための僕の愛だ。
透明すぎて時には不安だった。自分勝手に生きてきた僕には、耐えられないようだ。
ごめん、僕の愛する人。
二度と僕のような人に出逢わないで。
もし僕が訪ねて行っても、二度と僕を許さないで。君は弱くてとても優しくて、嫌だという言葉も言えないのに。
ありがとう、僕を愛してくれて。
僕のような人間が二度と受けることができない愛。君のおかげで幸せだった。
泣かないで 、よく 考えてみて。
悪いことばかりでいっぱいだった僕たち、全部忘れて。
たくさん足りない僕を愛してくれた君、これでいいんだ。
これ以上きみが不幸にならないように。
僕がこの辺でいなくなるのが、君のための僕の愛だ。
私は今でも推しのことが大好きで、推しの歌が大好きで、推しのことが忘れられずにいる。
推していた時間は、幸せな記憶に満ちている。
推しがいない世界に耐えられそうに無いけど、そろそろ私の方から去ってあげた方が良いのかもしれない。
アイドルに戻りたくても戻れないのだとしたら、待っていることが推しの負担になりそうな気がして。
まぁ…、ただの私の推測でしかないけれど。
ただ推しが、アイドルとして活動していた時間を後悔していなかったらいいなと願うばかりだ。
キラキラ輝いてステージに立っていた記憶を後悔しないで、幸せでいてほしい。
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