【エッセイ】行動で感情を示すって難しい

 こんばんは。最近、なぜか天気予報が当たらないですね。一日中降水確率60%以上なのに一回も降らなかったり。せっかく、傘持って出たのに日傘に使うのかってレベルで晴れてたりします。Yahoo!天気予報を使っていて、そこそこ信頼度高かったのに最近は信頼度大暴落です。天気予報にも頑張ってほしいです。

 さて最近、私は雫井脩介さんの小説「火の粉」を読みました。これを読んでデジャヴがえぐかったので、今回はその話をしたいと思います。この小説自体、すごくおもしろかったです。久しぶりに熱中して読めました。
最初に簡単にあらすじを書いておきます。物語は裁判官である梶間勲視点で始まります。裁判は一家3人殺人事件の容疑者であり冤罪疑惑のある武内の判決。この判決で梶間勲は無罪を言い渡します。そして数年後、梶間勲の隣家に武内が引っ越してきます。そこから梶間家では不可解なこと(母の死、息子の嫁の別居など)が起こっていきます。果たしてこれは偶然なのか?それとも武内の仕業なのか?そして、武内は一家3人殺人事件の犯人なのか?これを匂わせたり匂わせなかったりして物語は進んでいきます。

 ここからが本題です。(*ネタバレ注意です。)
まあ、はじめにぶっちゃけて言うと全ての元凶は武内の仕業でした。武内としては自分が気に入った人のために精一杯尽くしているだけでした。だから、武内には罪悪感などはありません。しかし、そんな武内の行動に梶間家は不信感を抱き距離を置こうとします。しかし、武内は自分が頑張っているのに距離を置こうとする梶間家が許せず、最終的に梶間家にも手をかけようとします。

 この小説を読んでいて正直、他人事ではないなと思いました。ここまでではないですけれど自分も似た経験をしたことがあります。
それは学生時代の時です。田中(仮名)になぜか自分は気に入られてました。多分、田中はクラスの班分けで一緒だったもう一人の男子メンバー(鈴木(仮名))が苦手だったので私を自分側に引き入れようとしたのだと思います。そうすれば、2対1の状況が作れますから。私はどちら側につく気もなく、中立を守ろうと思ってました。鈴木も好き嫌い分かれるやつではありましたけれど、自分は結構すきだったので。田中は私が関心のない会話ばかりしてきました。私もはじめのうちは一応聞いていました。けれど、休み時間の度に話しかけられるので少しずつストレスになっていきました。そして、少しずつ無視するようになりました。けれど、田中はそのことに気づいていないようでした。私が話しかけないでオーラを出してもガンガン話しかけてきます。私は休み時間になると席を離れたり、鈴木と話をしたりするようにして田中と距離を置くようにしました。そして、ある日から休み時間に会話をしなくなりました。気まずい思いもありましたけれど、結構なストレスだったので取り除けて安心していました。自分は他の人にはこのことについて相談もしていなかったので、二人の間のことと思っていました。しかし、ある日、田中が私を嫌っているという噂話を耳にしました。自分はこのことを誰にもはなしていなかったのに、田中は自分の友達に話していたのです。それも田中のいいように。知らぬ間に私は悪口を言われていました。この時は他人って何しでかすか分らんもんやなと思いました。私は田中のことが嫌いだったわけでもなく、しつこいから程よい距離を保ちたかっただけです。しかし、それを直接口で言うことができなかったので、そっけない行動をとっていただけでした。それが田中にとっては気に入らなかったのだと思います。いつの間にか嫌悪の対象になっていました。そのギスギスした関係のままクラス替えまで過ぎていきました。

 そんな経験があるのでこの小説にデジャヴ体験をしました。多分、田中にとっても私に対しての精一杯の行動だったのだと思います。ただ、それが私には合わなかった。それで距離を置きたくなる。それが田中には気に入らない。だから、私を攻撃対象にする。人との付き合い方って難しいなと思いました。仲の良い人にとる距離感も人によって様々なんだと思い知りました。私は仲が良くても近づきすぎない方が心地いいタイプです。でも、人によっては好きな人には精一杯尽くしたいってタイプもいるのですね。それで相手がどう思うかに関わらず。
 この小説のような経験をしたことがある人は、基本“来る人は拒まず、去る人は追わず”の性格なんだと思います。私がそうっていうだけなんですけれど(笑)。私は自分から積極的に他人に話しかけれる性格ではないです。ですから、他人から話しかけられるとうれしく思うし基本受け入れます。そして、時間がたってから自分と合わないって思い始めます。
 この小説のような場合だと、これでは遅いんですよね。小説の中で、ほかの登場人物が梶間勲に「自分に降りかかった火の粉を振り落とせるか」って投げかけるシーンがあります。実際、厳しいんですよね。スタートで寄せ付けないようにしないと、一度降りかかったらなかなか振り払えないです。小説でも最終的に梶間勲の長男が後遺症の残る怪我を負わされます。

 実際、武内のような人物に気に入られたらどうしたらいいのでしょうか。小説の中で、武内の元友人が登場します。そいつは武内に歯向かう怖さを知っているので、距離を置かず逆にとことん利用するって立場をとっていました。その分、自分のすべてを捨てないといけないので、自分の誕生日に彼女とのデートを諦め、武内と誕生日パーティーをしていたそうです。これも嫌です。というよりもこういうことを避けたいために距離を置きたいのですから。利用するって発想はなかったです。距離を置こうとしたら最後、復讐されるしか道はないんですかね...。

最後に
 レビューを読んでいると武内みたいな人物は想像できないってコメントしている人もいました。なので、遭遇すること自体が運の悪いことなんだと思いました。もうこんな体験は二度としたくないです(若干、今しかけているのですが...笑)。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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