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映画鑑賞2024

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2024年3月の記事一覧

『瞳をとじて』/やや傲慢さを感じた

『瞳をとじて』/やや傲慢さを感じた

 スペインの監督ビクトル・エリセの30年ぶりの作品。
 エリセだと『ミツバチのささやき』('73)はオールタイム級に好きだ。観に行ったことも、新作をリアルタイムで経験することそれ自体が目的という不純な動機があったのも否めない。
 そして観た感想。まず、好きにはなれない。老作家が30年ぶりに撮った映画として、およそ撮ってほしくはない題材だった。過去、映画を撮影していた時に失踪した俳優を探す、という題

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『ゴールド・ボーイ』/僕が見たかった沖縄映画

『ゴールド・ボーイ』/僕が見たかった沖縄映画

 見逃さなくてよかった。中国の作家・紫禁陳のクライム青春小説(既読。面白かったです。)を原作に、沖縄に舞台を変えて作られた映画。監督は金子修介。
 沖縄を舞台にしているが、柳島克己の撮影といい、谷口尚久の大仰な音楽といい、全力でこれはフィクションですよと伝えている。「沖縄」で「柳島克己」といえばどうしたって連想してしまうのは北野武監督の傑作『3-4x10月』('90)や『ソナチネ』('93)なわけ

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