〜統合失調症体験記⑤〜枕元でディベートが始まるのは普通ではない
こんにちは。
お月見もちもちです。
新しい仕事に就いて早半年ほど、最近仕事で謎の支障を感じるようになってきました。
先輩が話している内容が全く頭に入ってこない。
難しい専門用語が使われているわけでもないし、むしろ先輩は私に丁寧に教えてくれようとしている。
それなのに何故か話が分からない。何故。
そこで思い当たったのが、私の持病、統合失調症です。
最近は目立った症状もなく、落ち着いていたのでほぼ寛解したものだと思っていました。
しかし、よく考えると当事者なのに私は統合失調症に対する知識があまりありませんでした。
別に幻聴も妄想ももうないんだから寛解したんだろ、くらいの感覚だったのですが、改めて病気について調べてみると、なんと症状の一つに理解力や問題解決能力が落ちるというものが!
………つまり私はぜんぜん寛解などしていないのでした。
これはもしや、私は全く病気が良くなっていないな?と思い、家族に悩みを共有してみました。
さらにその過程で、今までの私の人生を振り返って何か違和感のあるところがあるか聞いてみました。
すると、なんと私が今まで病気だと思っていなかったところで症状が現れていました。
その具体例として今回お話するのが、タイトルにもある通り、「枕元で唐突に始まるディベート大会」です。
まだ私が大学生で、治療を始めたばかりだった頃、夜寝ようとしたら急に男女が3人枕元に立ちました。
メンツは以下の通り。
・生真面目そうな男性A
・賢そうなお姉さんB
・なんか小声でうーうー言ってるやべえやつC
3人は私の枕元にデスクと椅子を並べ、一呼吸置いたかと思うと英語でディベートを始めました。
ただしまともに話しているのはAとBだけ。Cはずっとうーうー言っています。
AとBが英語でスマートに議論している間、Cはうーうー言い続け、しかもだんだん声のボリュームを増していきます。
その3人に囲まれながら布団に転がっている私。寝たいなぁ、と思っても議論は止まりません。
せめてCだけでも静かになってくれたら…私はAとBに「Cを黙らせてくれない?」とお願いしてみました。
そうすると二人はディベートをやめ、Cに向かって「シーッ!」と静かにするように諌めてくれます。
ところがどっこい、Cはこんなんで止まるほどまともではありません。
Cは二人に宥められるとさらに大きな声で「ウーッ!!!ウワーッ!!!!」と叫び出します。
それに呼応するようにAとBも「シーッ!!シーッ!!!」とヒートアップしていきます。
もうこんな状態で寝ることはできない………私は就寝を諦めて日が昇るまで3人の攻防を聞いていたのでした。
そんな経験があった学生時代。
しかしその頃私が認識していた幻聴といえば、私に浴びせられる罵声ばかりだったので、意思の疎通が図れるこの英語ディベート大会はまさか幻聴だと思いませんでした。
そのことを家族に話すと、家族は
「よくそんなんで生きてこられたな、それは普通じゃないから」
とピシャリ。
いま統合失調症と診断された方がいれば、一度身近な人に自分の体験を語ってみることをおすすめします。
もしかしたら自分が気がついていないだけで大変な症状が出ているのかもしれません。
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